これも12月議会の一般質問で。
先日、家庭の事情などで十分に学ぶことができない子ども達を対象とする無料塾等を主催されている方から、「AIに負けない子どもを育てる」という本を紹介していただきました。本の著者は、人工知能プロジェクト「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトディレクタの新井紀子教授(国立情報学研究所)。
このプロジェクトでは、東大ロボット(東ロボ)で、MARCH・関関同立レベルでは合格可能性80%の成果を出せたものの、目標としていた東大に合格できるレベルには達しなかったとのこと。その理由は、東ロボが、@国語や英語で半分以上の配点を占める長文読解に対して歯が立たなかった、Aイラストや図の理解ができなかった(これについては目途すら立たない)、B常識を身に付けられなかったからだそうです。
つまりそれがAIの弱点なのですが、実は、それらは、多くの中高生・大人にとっても難しいというのです。また、読解力の不足が、企業の中でも問題になっており、メールや仕様書の誤読によるトラブルが続き、生産性向上・働き方改革もおぼつかず、有能な人材が愛想をつかして転職してしまうこともあるとか。
もし読解力を底上げすることができれば、AIに仕事を奪われるケースも少なくなり、生産性も向上するのかもしれません。
著者らは、基礎的・汎用的読解力を図る「リーディングスキルテスト」(RST)を考案。こうした読解力を小中高で身に付けさせることが「21世紀の公教育が果たすべき役割」としています。
実際に、このRSTを導入している自治体も。高槻市でも取り組むべきだと思いますが、現状はどうなのか・・・
以下は先日の本会議でのやり取りです。原稿とメモに基づいているので不正確な部分もあることをお許しください。
■一般質問
3.教育等について
<1回目>
(1)「ロボットは東大に入れるか」というプロジェクトについては、報道もされているので、ご存知の方も多いと思います。そのプロジェクトディレクタの国立情報学研究所の新井紀子教授は、人工知能・AIの弱点は読解力であり、逆に言えば、AIに負けないためには読解力を身に付けるべきだと述べられています。その新井教授らが中心になって、基礎的・汎用的読解力を図る「リーディングスキルテスト」(RST)が考案され、それを取り入れている学校もあるのですが、高槻市では、読解力については、どういった取り組みをされているのでしょうか?お答えください。
⇒読解力に関するの取組でございますが、子どもたちが情報を正確に理解し、適切に表現する力を育むために、平成30年度から教育センター研究委嘱校において、言語能力の育成に関する実践研究を行っています。
<2回目>
(1)読解力向上の取り組みを行なっている埼玉県戸田市では、国語だけではなく、社会、算数・数学、理科についても、読解力の観点から、誤答の原因を考察しています。算数でも、文章題を解くためには、読解力が必要だということは、皆さんもご承知かと思います。高槻市では、今後、児童・生徒の学力向上と読解力とを結びつけた具体的な授業実践を行う予定はあるのでしょうか?あるのであれば、どういったものなのか、具体的にお答えください。
⇒読解力を向上させるための取組についてですが、いずれの学校も、情報を正確に理解し、自分の考えを深めるとともに、適切に表現する力の育成に取り組んでおります。具体的には、教科書を読む際に、必要なことをノートに書きとめたり、読み取った情報を、図や表を活用して整理したり、また、作文指導の中で、計画的に語彙を獲得させるなど、教育課程全体を通じて、日々の授業の中で読解力の育成に取り組んでおります。
<3回目>
読解力についての取り組みは一定されていると思いますが、その読解力向上の取り組みの成果を、RSTや学力テスト等で検証して、フィードバックすべきだと思います。提案しておきます。
↓人気ブログランキングに参加中!
クリックに感謝!
-
高槻ご意見番 代表 北岡隆浩(高槻市議会議員)