2022年08月10日

【財産区債権時効消滅訴訟】時効援用を容認していた財産区。次回は10月14日

高槻市大字唐崎財産区が、財産区の所有地を占拠している相手方に対して、土地の明渡しや、土地の使用料相当額損害金約450万円の支払い等を求めて、現在、裁判をしています。この訴えの提起については、昨年の12月議会で承認されています。

私が昨年の12月議会でこの件について質問したところ、市は、土地の使用料相当額損害金の債権に関しては、時効期間が経過しているものもあると答弁したのですが、それは何円なのかと重ねて質問しても、答えませんでした。

この金額を確認するために、財産区が起こした裁判の記録を裁判所で閲覧したところ・・・
・財産区は、相手方に対して、令和3年7月29日付の催告で、土地の明渡しや、令和3年6月30日までの土地の使用料として計446万4000円等を請求。
・相手方は、財産区管理者(市長)に対して、令和3年9月23日付で、土地の使用料相当損害金については消滅時効を援用する等と回答。
・この回答に対して、財産区管理者は、相手方に対して、令和3年10月5日付で、土地の使用料相当損害金については、相手方が消滅時効を援用したので法律上消滅する部分があることを認め、時効消滅後の請求額は上記催告到達日の令和3年7月30日から遡る10年分の192万円である等と文書で返答。
・・・ということが分かりました(本件に関係する部分だけ記載しています)。

つまり、財産区は、上記の令和3年10月5日の時点で、相手方の消滅時効援用を認容し、土地の使用料相当額の債権が一部消滅したとして、請求額を、上記の催告における446万4000円ではなく、催告日までの直近10年分である192万円だと公文書で認めていたのです。

財産区が容認したとおりだとすると、時効援用により消滅した債権(元本のみ)は、446万4000円−192万円=254万4000円となります。債権の約57%が消滅したわけです。

しかし、旧民法169条は、「年又はこれより短い時期によって定めた金銭その他の物の給付を目的とする債権は,五年間行使しないときは,消滅する。」と定めています。本件の土地の使用料は年払いですので、直近5年分を除く債権が消滅したというべきではないでしょうか。そうすると、消滅した債権は、446万4000円−96万円=350万4000円に。債権の約78%が消滅したと考えられます。

にもかかわらず、令和3年の12月議会で、市は、そうしたことをまったく説明しませんでした。時効援用を容認し、自ら192万円しか債権が存在していないと公文書に書いているのに、これを約450万円だと、時効消滅がなかった前提の金額で、議会向けの資料を作成し、提訴までしたのです。こんなことを行政がしてもいいのでしょうか?時効消滅の事実を隠蔽したということではないのでしょうか?

私は、財産区が、債権の管理という当たり前のことを怠ったために、時効で消滅してしまったのは、財産区管理者であった歴代市長や、歴代の担当職員らの責任だとして、令和4年7月4日に住民訴訟を提訴しました。

今日は15時30分から、大阪地方裁判所で第1回口頭弁論があり、次回は10月14日10時から大阪地裁1007号法廷とされました。ぜひ傍聴にお越しください。


↓人気ブログランキングに参加中!
人気ブログランキングへ
クリックに感謝!

-
高槻ご意見番 代表 北岡隆浩(高槻市議会議員)
posted by 北岡隆浩 at 22:02| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 高槻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする