2022年09月21日

岸田首相には国葬で民主主義への攻撃を断じて許さないと強く訴える責務がある

安倍元首相の国葬中止を求める意見書

今日は9月議会本会議3日目。採決や一般質問等がありました。

議員提出議案として、「安倍元首相の国葬中止を求める意見書」案も提出されました。私はこれに賛成できない旨の意見を述べました。

ポイントは2つで・・・
@安倍元首相が選挙中に暗殺されたという経緯からすれば、民主主義を破壊するような行為に対し、国として、暴力・テロ行為は断じて許さないと強く訴える責務があり、その効果的な機会は、今回の国葬以外にはないこと
A今回の国葬は違憲・違法ではないこと
・・・です。

詳細は下記の私の意見をご覧ください。

なお、この意見書案は、今日の本会議で、少数賛成で否決されました。

以下は今日の本会議で私が述べた意見です。原稿を読み間違えた部分があるかもしれませんが、ご了承ください。

★「安倍元首相の国葬中止を求める意見書」案について 

 まず、あらためて、安倍晋三元内閣総理大臣のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

 この「安倍元首相の国葬中止を求める意見書」案につきまして、賛成できない旨の意見だけ述べさせていただきます。

 私は、安倍元首相が選挙中に暗殺されたという経緯からすれば、今回の国葬=国葬儀の際に、そうした暴力は断じて許されないし、民主主義を脅かすテロリズムに、決して屈してはならないし、屈しないのだというメッセージを、国内外に発するべきだと考えております。
 意見書案では、国葬の決定に「多くの疑問や批判が巻き起こっている。世論調査でも、ほとんどの調査で国葬に反対が多数を占めている。」とされています。確かにそのとおりです。しかし、これについては、旧統一教会に関する報道が今に至るまで連日されていることが大きく影響していると思います。その報道の洪水によって、元首相が銃撃されて亡くなったという事実や、その重大さが、皆さんの記憶から少しずつ薄れてきているようにも私は感じておりまして、そのことに危機感を覚えております。
 霊感商法や、宗教の名を借りた洗脳=マインドコントロール、生活を破壊するほどの多額の献金などの問題を追及することも大切です。
 しかし、主権者たる国民の意思を政治に反映させるための最も重要な機会である選挙の最中に、選挙運動を行っていた現職の国会議員の元首相が、非合法な手段で暗殺されたわけです。民主主義を破壊するような行為がされたわけですから、国として、民主主義国家として、そうした暴力・テロ行為は断じて許さないのだと、強く訴える責務があるのではないでしょうか。
 こうした訴えを、広く効果的に行う機会は、今回の国葬以外にはないと、私は思います。
 岸田首相も、国葬を行う理由の一つに、「民主主義の根幹たる選挙中での非業の死」を挙げていて、国葬では、安倍元首相を追悼するだけではなく、暴力に屈せず、民主主義を断固として守り抜くという決意を示していく、と訴えたということです。この点、岸田首相にまったく賛同するところです。
 ですので、今回の国葬を行う意義は十分にあると考えます。

 意見書案では、国葬の要件を定めた法律はないとしています。けれども、今月17日付の朝日新聞のサイトの記事によると、憲法学がご専門の九州大学の南野教授は、伝統的な通説や最近の有力説の立場に立てば、国葬には法律の根拠は不要だとしています。
 国民の権利を制約したり、義務を新たに課したりする場合、つまり、行政が国民にとって不利益を課す場合には、法律の根拠が必要で、そのことを「侵害留保説」と言うそうですが、国葬という儀式によって、国民の権利が制約されたり、義務が課されたりするわけではありませんので、この侵害留保説の立場に立てば、法律の根拠は不要であるということです。したがって、国葬は、行政の裁量で行えるわけです。
 内閣府設置法4条3項33号では、「国の儀式」は、内閣府がつかさどる事務だとされていますが、さらに報道によると、政府が平成13年の内閣府設置法の施行前に作成した文書である「内閣府設置法コンメンタール(逐条解説)」では、「国の儀式」には、@つ目に、天皇の国事行為として行う儀式、Aつ目に、閣議決定で国の儀式に位置付けられた儀式の2種類があり、Aつ目の具体例として「『故吉田茂元首相の国葬儀』が含まれる」と明記されているということです。
 つまり、国葬の詳細な基準まで定めた法律はないものの、そもそも国葬については法律の根拠は不要であり、内閣府設置法の逐条解説では、閣議決定で位置付ける「国の儀式」として「故吉田茂元首相の国葬儀」との具体例も示されているということですので、今回の国葬を、閣議決定に基づいて、内閣府が実施することについては、適法であると考えます。
 また、意見書案では、「国会の議決に基づかない閣議決定による公費の支出は、憲法第83条の財政民主主義の原則に反する。財務大臣は予備費から国葬費用の2億5,000万円を全額支出するとしているが、警備を徹底するとさらに莫大な費用がかかる。」ともされています。
 まず、予備費からの支出についてですが、財政法24条で、予備費は、予見し難い予算の不足に充てるためのものだとされていて、同じく財政法35条で、「予備費の使用」は閣議の決定でできるとされています。こうした定めがあるわけですから、暗殺という予見しがたい事態が起きたために、国葬儀の費用を予備費から支出するとの閣議決定を行っても、違法とまではいえないはずです。
 警備費については、海外からも要人が多数来られるわけですから、それこそテロ等を防ぐために、相当の支出はやむをえないのではないでしょうか。
 意見書案では、「憲法第19条で保障された『思想・良心の自由』を侵害し、基本的人権が脅かされる可能性もある。」としていますが、岸田首相は、「国民に弔意を強制はしない」旨の答弁をしています。ですので、憲法19条に定められているような基本的人権が侵害されるとは考えられません。
 さらに意見書案では、「特定の人物に対して行われる国葬そのものが、憲法第14条『法の下の平等』に反する」としていますが、この「平等」というのは、社会通念上合理的な理由があれば不平等な行為には当たらないとする「相対的平等」であるというのが通説です。安倍元首相については、憲政史上最長の8年8カ月の間首相を担い、前科もなく、諸外国から敬意と弔意も表明されているわけですから、今回の国葬に関しては、法の下の平等に反するとまではいえないと、私は考えます。

 最後に意見書案は、「日本国憲法の規定に抵触し、法的根拠もなく、財政民主主義の原則にも反し、云々」と締めくくられていますが、先ほど申し上げた理由から、失当だと考えざるをえません。むしろ、意見書案の憲法の解釈のほうに、強引なところがあるのではないでしょうか。

 以上のとおりで、今回の国葬の実施には、十分な意義があり、憲法や法令に反するとも考えられませんので、国葬の中止を求めるこの意見書案には、賛成できないことを表明いたします。



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安倍元首相の国葬中止を求める意見書

 安倍晋三元首相を国葬にする岸田政権の決定には、多くの疑問や批判が巻き起こっている。報道各社の世論調査でも、ほとんどの調査で国葬に反対が多数を占めている。
 国葬の要件を定めた法律はなく、国会の議決に基づかない閣議決定による公費の支出は、憲法第83条の財政民主主義の原則に反する。財務大臣は予備費から国葬費用の2億5,000万円を全額支出するとしているが、警備を徹底するとさらに莫大な費用がかかる。
 また、憲法第19条で保障された「思想・良心の自由」を侵害し、基本的人権が脅かされる可能性もある。さらに、特定の人物に対して行われる国葬そのものが、憲法第14条「法の下の平等」に反する。
 したがって本市議会は、政府に対して下記の事項を求める。

           記
 日本国憲法の規定に抵触し、法的根拠もなく、財政民主主義の原則にも反して、莫大な公費支出となる安倍元首相の国葬中止を求める。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和4年9月21日
高槻市議会
posted by 北岡隆浩 at 18:02| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 高槻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする