2022年11月24日

【公文書非公開国賠訴訟】大阪地裁で勝訴!費用請求の方針を口頭で決裁?

公文書非公開国賠訴訟の大阪地裁判決

新型コロナの濃厚接触者になってしまったため、11月17日の判決言渡しの日に裁判所へ出廷できなかったのですが、私が高槻市を訴えた訴訟で勝訴できました。

当初は、非公開とされた公文書の公開を求める訴えだったのですが、提訴後に市がその公文書を公開したため、上脇教授の事例を参考に、国家賠償請求へ訴えを変更したい旨の申立てを裁判所に行いました。申立ては許可されましたが、訴えが不適法となる可能性もあると考え、公表してきませんでした。

この事案の概要ですが・・・

令和3年11月26日、別件の訴訟の第2回口頭弁論で、市の準備書面に、「訴訟費用を請求する方針」を、誰がいつ決定したのかなどが具体的に示されていないため、裁判長から「訴訟費用を請求する方針」を定めた決裁又はその内容や決定時期を裏付ける証拠書類を提出するよう指揮がなされました。

その際、市の担当職員が、「訴訟費用を請求する方針」は口頭でのみ決裁された旨述べました。

別件訴訟の調書

しかし、高槻市役所でも文書主義が採られているので、口頭でのみの決裁などというものはありえないし、そのことは,法廷で答えた担当職員達が熟知しているはず。にもかかわらず、こうした回答をしたのは、市にとって都合の良い判決を得るために、裁判所に対して故意に虚偽の回答を行って、かつてのように公文書の改竄や廃棄を行うなどして真実を隠蔽する可能性もあると私は考えました。私は、すぐに情報公開請求をすれば、文書での決裁について公開されるかもしれないし、決裁権者が明らかになれば、別件訴訟の相手方を追加・変更しなければならない可能性もあるとも考え、11月29日付で、情報公開請求を行いました。

すると市は、12月13日付で、公文書非公開決定処分を通知しました。

非公開決定通知書

公文書は存在するが、「訴訟対応に支障を及ぼすおそれがあり、本市の当事者としての地位を不当に害するおそれがあるため」、別件訴訟が終結するまで非公開とするというのです。

裁判が終わってからこの公文書を公開されても、まったく意味がありませんし、訴訟対応に支障が出るのはこちらのほうです。裁判に証拠として出させないつもりなのか。

とにかく一日でも早く公開してもらわなければと、非公開決定処分の取消しを求めて、12月20日に、大阪地裁で本件の訴訟を提起しました。

高槻市は12月23日に、別件訴訟において、書証として、この文書を提出しました。

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なお、高槻市は、この書証は「内部の検討状況を記したメモ」であると主張しました。しかし、「高槻市情報公開制度の手引き」では、メモについて、「職務の便宜のために備忘的に作成したメモ」、「個人的なメモ」とされている。一方で、この書証では、申立件数が部局毎にまとめられ、費用が1円単位まで集計され、法律・文献からの引用や申立て手続きの詳細も記載され、各項目に番号と小見出しまで付されています。とても、職員が個人的に職務の便宜のために備忘的に作成したメモとはいえないはずです。これの内容からすれば、検討会議に当たって事前に作成された資料であり、職員が勤務時間中に作成したはずで、その作成にあたっては上司が決裁をしているはずです。個人的なメモと主張すれば、決裁は不要だったと言い逃れられると考えたのでしょうか。

さらには、翌年の令和4年1月18日付で、別件訴訟終結まで非公開とするとした上記の非公開決定を変更し、私に対し、上記の書証と同じものを公開しました。

そうすると、本件訴訟については、目的が達成されたので(訴えの利益がないので)、継続しても無意味ということになります。

けれども、違法な非公開決定の度に裁判を起こし、提訴後に非公開決定が取り消されるということが繰り返されれば、情報公開を求める住民にとっては大変な手間ですし、提訴にかかった費用も無駄になります。そもそもは、違法な非公開決定処分をした市が悪いのですから、提訴の費用くらいは負担すべきではないのでしょうか。

そこで、1月20日に、上記のとおり、報道された事例を参考に、市は私に5万円を支払えと、国家賠償請求への訴え変更を申立て、6月2日付で裁判所から許可が下りました。

11月17日、大阪地裁で判決言渡しがあり、上記判決文のとおり、市に2万円の賠償を命じる判決が下されました。私の勝訴です。

以下は判決文の裁判所の判断から抜粋したものです。

■違法性について

 条例に基づく公文書の非公開決定に取り消し得べき暇庇があるとしても、そのことから直ちに国家賠償法1条1項にいう違法があったとの評価を受けるものではなく、公務員が職務上通常尽くすべき注意義務を尽くすことなく漫然と上記決定をしたと認め得るような事情がある場合に限り、上記評価を受けるものと解するのが相当である(最高裁平成18年4月20日第一小法廷判決)。
 本件非公開決定時において、本件文書を公開することにより、高槻市の別件訴訟の当事者としての地位を不当に害するおそれがあったとはいえないところ、被告が主張する「予期せぬ攻撃防御」には何ら具体的な内容がなく、抽象的な不安感や危倶感にとどまるといわざるを得ないことなどからすると、実施機関である高槻市長において、上記のおそれがあると判断したことにつき相応の根拠や理由があったとはいえず、本件非公開決定には、公務員が職務上通常尽くすべき注意義務を尽くすことなく漫然と本件非公開決定をしたと認め得るような事情があるというべきである。
 したがって、高槻市長が本件非公開決定(ただし、本件個人識別部分を除く。)をしたことは、国家賠償法1条1項の適用上違法であり、そのことにつき過失もあったというべきである。

■損害の有無・額について

 原告は、本件非公開決定により、本件文書につき適時に適正かつ適式な公開決定を受ける人格的な利益を侵害され、精神的苦痛を被ったものと認められる。
 もっとも、本件文書は、本件非公開決定の10日後である令和3年12月23日、別件訴訟において書証として提出され、さらにその約1か月後の令和4年1月18日、本件部分公開決定により原告に対し公開されたものであり、本件文書の公開を受けるまでの期間が長期にわたるものではないこと、本件非公開決定の通知書には、公開しない理由がなくなる期日として「訴訟の終結後」との記載があり、さらに、その日以降に改めて本件文書の公開請求をするよう注意喚起する旨の記載があり、公開を求める権利にも配慮したいわば時限的な非公開決定であることなど、本件に現れた一切の事情を総合考慮すれば、原告が本件非公開決定により被った精神的損害に対する慰謝料は、2万円が相当というべきである。



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高槻ご意見番 代表 北岡隆浩(高槻市議会議員)
posted by 北岡隆浩 at 23:18| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 高槻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする