昨年も、令和4年度はいじめ・不登校が過去最悪だったとして議会で取り上げましたが、令和5年度は、残念なことに、それをさらに上回ってしまいました。
保護者の方から、あるいじめの事案について、いじめ防止対策推進法に基づけば、「重大事態」に当たるのに、高槻市教育委員会は「重大事態」と認定しないとの相談がありました。
以下は栃木県のHPにあった「いじめ防止対策推進法」の概要からの抜粋です。
(1)重大事態の意味
ア「生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑い」
・児童生徒が自殺を企図した場合。
・身体に重大な傷害を負った場合。
・金品等に重大な被害を被った場合。
・精神性の疾患を発症した場合。等を想定
イ「相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑い」
・年間30日を目安。一定期間連続して欠席しているような場合などは、迅速に調査に着手。
※児童生徒や保護者からいじめられて重大事態に至ったという申立てがあったときは、その時点で学校が「いじめの結果ではない」あるいは「重大事態とはいえない」と考えたとしても、重大事態が発生したものとして報告・調査等に当たる。
以上のとおり、年間30日以上欠席している場合にも、重大事態が発生したものとして報告・調査等に当たらなければならないとされています。ところが、議会で質問しても・・・
(3)児童・生徒が年間30日以上欠席しているケースで、児童・生徒あるいはその保護者が、いじめが原因だと主張しているものは、何件あるのでしょうか?お答えください。
また、そのうち、「重大事態」に当たると判断したものは、何件なのでしょうか?お答えください。
(4)児童・生徒が年間30日以上欠席しているケースで、児童・生徒あるいはその保護者が、いじめが原因だと主張しているにもかかわらず、「重大事態」に当たらないとしたものについては、どういう理由で、「重大事態」に当たらないとしたのでしょうか?お答えください。
⇒3点目・4点目の重大事態の認定については、いじめ防止対策推進法に基づき判断しております。令和5年度に、いじめが原因で不登校になったことにより重大事態として調査を行ったものは2件ございます。
・・・まともな答弁はありませんでした。本当に、法律どおりに、いじめに対応しているのでしょうか?
また、登下校時や通学路で、児童生徒が事故等に巻き込まれた件数は、答弁によると、25件だったとのこと。けれども、校区安全マップには、すべてが反映されていないようです。実際に事故が起きたわけですから、反映させるべきではないでしょうか?
以下は一昨日の議会でのやり取りです。原稿とメモに基づいているので不正確な部分もあることをお許しください。
■認定第1号 令和5年度高槻市一般会計歳入歳出決算認定について
▲3.学校安全等について
<1回目>
(1)登下校時において、あるいは通学路において、児童・生徒が、事件・事故にあった件数は、どれだけだったのでしょうか?お答えください。
⇒令和5年度登下校時や通学路において、児童生徒が事故等に巻き込まれたとの報告は、25件ございました。
(2)校区安全マップを学校ごとに作成しているということですが、どういったタイミングで見直しをされているのでしょうか?お答えください。
⇒校区安全マップについては、学校の協力を得て毎年必要に応じて更新しております。
(3)いじめや不登校の件数が、年々増加していますが、令和5年度は、どういった対応をされたのでしょうか?お答えください。
⇒いじめの対応についてですが、いじめを受けた児童生徒の安全確保を最優先にしながら、事実を明らかにするための調査を行い、関係児童生徒や学級・学年の児童生徒に対して指導や支援を行いました。
また、不登校の児童生徒への対応についてですが、個々の状況に応じて、家庭訪問や、スクールカウンセラーによるカウンセリング、校内適応指導教室や教育センターの不登校児童生徒支援室「エスペランサ」等を活用した学習支援などを行いました。
<2回目>
(1)登下校時や通学路において、児童生徒が事故等に巻き込まれたとの報告は、25件あったということです。そのうち、校区安全マップで、危険だと示された場所で起きたものは、何件あるのでしょうか?お答えください。
⇒事故等の件数のうち、校区安全マップに掲載の危険箇所で発生したと把握しているものは5件でございます。
(2)校区安全マップで、危険だとは示されていない場所で起きた事故等については、校区安全マップに反映されたのでしょうか?反映されたのであれば、いつ、反映されたのでしょうか?お答えください。
また、反映されていないのであれば、なぜ、反映されなかったのか、具体的な理由をお答えください。
⇒校区安全マップは、交通安全、防災、防犯の3つの観点から、通学経路等を児童生徒自身が書き込み、児童生徒の安全意識の向上や危険予測・回避能力の育成につなげるための教材として作成しており、更新については学校の協力を得て毎年行っているものです。
(3)児童・生徒が年間30日以上欠席しているケースで、児童・生徒あるいはその保護者が、いじめが原因だと主張しているものは、何件あるのでしょうか?お答えください。
また、そのうち、「重大事態」に当たると判断したものは、何件なのでしょうか?お答えください。
(4)児童・生徒が年間30日以上欠席しているケースで、児童・生徒あるいはその保護者が、いじめが原因だと主張しているにもかかわらず、「重大事態」に当たらないとしたものについては、どういう理由で、「重大事態」に当たらないとしたのでしょうか?お答えください。
⇒3点目・4点目の重大事態の認定については、いじめ防止対策推進法に基づき判断しております。令和5年度に、いじめが原因で不登校になったことにより重大事態として調査を行ったものは2件ございます。
(5)いじめや不登校に関して、いろいろと対策をされたということですが、令和4年度までとの違いは何なのでしょうか?具体的にお答えください。
⇒令和5年度は、令和4年度より実施の不登校減少に向けた生徒指導研究指定校による研究を進めるとともに、スクールソーシャルワーカー等の専門家の校内ケース会議への参加を促進するなど、各学校における組織的な生徒指導体制の充実に向けての支援を行いました。
<3回目>
(1)校区安全マップで、危険だとは示されていない場所で起きた事故等は20件あったということです。それらは、校区安全マップに反映されたのでしょうか?お答えください。
また、反映されていないのであれば、なぜ、反映されなかったのか、具体的な理由をお答えください。
⇒繰り返しとなりますが、児童生徒の安全意識の向上や危険予測・回避能力の育成につなげるための教材として作成しているものであり、更新については学校の協力を得て毎年行っているものです。
(2)あらためておききしますが、児童・生徒が年間30日以上欠席しているケースで、児童・生徒あるいはその保護者が、いじめが原因だと主張しているものは、何件あるのでしょうか?お答えください。
また、そのうち、「重大事態」に当たると判断したものは、何件なのでしょうか?お答えください。
(3)あらためておききしますが、児童・生徒が年間30日以上欠席しているケースで、児童・生徒あるいはその保護者が、いじめが原因だと主張しているにもかかわらず、「重大事態」に当たらないとしたものについては、どういう理由で、「重大事態」に当たらないとしたのでしょうか?お答えください。
(4)高槻市では、児童生徒側から、いじめられているという訴えがあっても、いじめたとされる側がいじめを否定したり、明らかな証言が得られなかったりした場合には、いじめを認定しない運用としているのでしょうか?お答えください。
(5)高槻市では、重大事態の認定のためには、児童生徒本人へのヒアリングを必要としているのでしょうか?お答えください。
また、そうである場合には、その理由を具体的にお答えください。
(6)いじめ防止法に基づかずに、重大事態か否かを判断した事案はあるのでしょうか?あるのであれば、どういった事例が、何件あるのでしょうか?具体的にお答えください。
⇒繰り返しとなりますが、令和5年度に、いじめが原因で不登校になったことにより重大事態として調査を行ったものは2件ございます。
また、いじめや重大事態の認定につきましては、いじめ防止対策推進法に基づき判断しております。
いじめの訴えがあった場合については、学校において、事実を明らかにするための調査を行います。関係児童生徒からの聞き取りが困難な場合については、周囲の児童生徒や教職員等から、多角的に情報収集をするなど、状況に応じて、適切に対応を行っております。
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高槻ご意見番 代表 北岡隆浩(高槻市議会議員)
■高槻市立小学校のいじめの認知件数
令和5年度 683
令和4年度 487
令和3年度 394
令和2年度 376
令和元年度 303
平成30年度 376
平成29年度 245
平成28年度 94
平成27年度 39
平成26年度 41
平成25年度 54
平成24年度 38
平成23年度 33
■高槻市立中学校のいじめの認知件数
令和5年度 439
令和4年度 288
令和3年度 228
令和2年度 170
令和元年度 151
平成30年度 138
平成29年度 113
平成28年度 60
平成27年度 51
平成26年度 29
平成25年度 20
平成24年度 43
平成23年度 28
■高槻市立小学校の不登校の認知件数
令和5年度 335
令和4年度 307
令和3年度 241
令和2年度 157
令和元年度 122
平成30年度 109
平成29年度 91
平成28年度 90
平成27年度 76
平成26年度 82
平成25年度 62
平成24年度 60
平成23年度 70
■高槻市立中学校の不登校の認知件数
令和5年度 474
令和4年度 407
令和3年度 329
令和2年度 242
令和元年度 210
平成30年度 203
平成29年度 246
平成28年度 254
平成27年度 218
平成26年度 226
平成25年度 257
平成24年度 276
平成23年度 285