2024年09月25日

【高槻市営バス】正規職員への登用は狭き門。「会計年度任用職員として3年以上在職」の謎ルールの廃止を。

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先日の9月議会の一般質問ではこの件も。

上の図のとおり、民間のバス会社や京都市営バスでは、すぐに正規職員として採用されるのに、高槻市営バスでは、まず会計年度任用職員(フルタイムの非常勤)で採用され、3年以上在籍すると、やっと正規職員の登用試験が受けられます。しかし、この試験の合格率が10%前後と低く、正規職員への道は非常に厳しいものとなっています。

若くして正規職員になれば、年収1000万円もありえるかもしれませんが、昨年度の常勤職員の最年少は35歳・・・京都市バスと同じ採用条件にしなければ、運転士の確保が難しくなるのではないでしょうか?

私は質問の3回目に以下の意見を述べました。

 あとは意見を述べます。
 会計年度任用職員から正規職員への登用の試験を受けるためには、会計年度任用職員として3年以上在職していること等が条件で、試験の合格率は、10%程度だということです。
 求職者にとっては、最初から、正職員として採用される京都市営バスと比べると、高槻市営バスで正規職員になるのは、非常に狭き門だと、感じられるのではないでしょうか?
 若いうちに正規職員になれれば、年収1000万円も夢ではないけれども、会計年度任用職員のままだと、仕事の内容は正規職員と同じなのに、年収は、ずっと、阪急バスの正職員の1年目より低い4百云十万円だということになると、転職を考えても不思議ではないですよね。
 今年度に実施した1回目の採用試験の合格者は1人で、2回目は4人だったということですが、先ほどの3年以上在籍という条件や、正規職員への登用試験の合格率の低さを、何とかしないと、受験者が他所へ流れて、良い人材を確保できず、運転士不足を解消できないのではないでしょうか。
 3年以上会計年度任用職員として在職することについては、根拠がないようですし、会計年度任用職員も正規職員と同じ業務を行っているわけですから、会計年度任用職員の皆さんを、全員、正規職員にしたうえで、新規職員の採用条件については、京都市営バスと同じにすればいいのではないでしょうか?提案しておきます。

【答弁要旨】
 過去、北岡議員から、正規職員の採用をやめて、非常勤職員を採用すべきとの発言を複数いただいているので驚いた。我々も、乗務員の確保は重要だと考えているし、例に挙げられた京都市交通局から転職された方も昨年度おられた。


最後の答弁に対して、私は「時代は変わったということです。」と発言したのですが、一つの質問項目については、原則3回までしか質問できず、議長の許可なく4回目の発言はできないので、この私の発言は、議事録から削除されることになりました。

当時、私が非常勤の運転士の皆さんから直接お話をお聞きすると、民間バスの正社員より、公営バスの非常勤のほうが、給与は低いが楽だし良いということでしたし、少子高齢化で乗客が減少すると予想される高槻市バスの経営状況も考慮して、非常勤職員を増やすべきだと主張していたわけです。

しかし、昨今は状況が変わっきており、各社、運転士の奪い合いになっています。金剛バスの廃止の理由は「運転手不足」でした。そんなことを10年前に誰が予測できたでしょうか?

運転士が確保できなければ、「動く市道」である高槻市バスを維持できません。高槻市交通部も、時代に合せて素早く変革すべきです。

以下は先日の本会議でのやり取りです。原稿とメモに基づいているので不正確な部分もあることをお許しください。

令和6年9月議会 一般質問

■3.交通部等について(正規職員への登用・職員の採用)

<1回目>

(1)先日の本会議で、バス運転士の常勤職員の最年少が35歳等である理由をおききしたところ、会計年度任用職員として採用し、一定の経験を積んだ後、正規職員として登用しているためだといったお答えでした。
 この「一定の経験」とは、どれだけの経験なのでしょうか?具体的にお答えください。
 また、どういった条件を満たせば、会計年度任用職員は、正規職員になれるのでしょうか?お答えください。
(2)会計年度任用職員を正規職員に登用することについてのルールに関しては、どこに、どのように記載されているのでしょうか?お答えください。

⇒1点目及び2点目についてですが、令和5年度の受験資格は、令和6年4月1日時点で、交通部のバス運転業務従事職員として、3年以上在職していること等としており、筆記試験及び面接試験に合格した方を正規職員として登用しております。

(3)今年度のバス運転業務従事職員の採用試験の応募者は、現在までで、何人なのでしょうか?そのうち、実際に試験を受けた方は何人だったのでしょうか?合格発表までに辞退した方は何人だったのでしょうか?採用されたのは何人なのでしょうか?お答えください。

⇒今年度実施済の採用試験への応募者数は14名、実際の受験者数は12名で、そのうち合格したのは5名でした。

<2回目>
(1)会計年度任用職員から正規職員への登用については、3年以上在職していること等が条件だということです。3年以上の在籍というのは、法令で定められているのでしょうか?定められているのであれば、どこに、どのように定められているのか、お答えください。
 また、京都市営バスでは、会計年度任用職員としてではなく、最初から、正職員として採用しているようですが、高槻市交通部で、会計年度任用職員として3年以上の在籍を条件としている理由を、具体的にお答えください。

⇒受験資格等は、交通部の正規職員募集要項にて定めており、高槻市のバス運転業務従事職員としての経験を積む期間として、3年以上の在職を要件としております。

(2)会計年度任用職員・非常勤職員から、正規職員へ、登用された率はどれだけだったのでしょうか?過去3年度の受験者数と合格者数、合格率を、それぞれお答えください。
また、4年目に、正規職員になった率は、どれだけなのでしょうか?5年目、6年目についてもお答えください。

⇒受験者数・合格者数・合格率の順に、令和3年度が31名・3名・9.7%、令和4年度が25名・2名・8%、令和5年度が26名・3名・11.5%でした。
 また、在職年数ごとの合格者の割合は、令和3年度は4年目が16.7%、5年目が33.3%、6年目が0%で、令和4年度及び令和5年度は、これらに該当する職員はいませんでした。

(3)現在の交通部の職員定数は何人なのでしょうか?それに対して職員は何人在籍しているのでしょうか?お答えください。

⇒職員定数条例における定数は233名で、令和6年9月時点で在籍している職員数は196名です。

(4)交通部のサイトを見ると、今年度の2回目の採用試験での採用は4名でした。合格は5名というお答えでしたが、1回目は1名だけの採用だったのでしょうか?お答えください。
 また、今年度は、計何人の採用を予定しているのでしょうか?12月には3回の採用試験もあるようですが、3回目では、何人を採用したいと考えているのでしょうか?お答えください。

⇒今年度に実施した1回目の採用試験の合格者は1名で、3回目の採用試験では、募集時点で必要な人数を採用する予定です。

(5)阪急バスのサイトの正社員運転士の採用のページでは、「見込平均年収」が示されていて、1年目が485万円、6年目が500万円、14年目が565万円、21年目が630万円となっています。
 高槻市交通部の運転士の正規職員の、1年目、6年目、14年目、21年目の見込平均年収はどれだけなのでしょうか?会計年度任用職員についても、あわせてお答えください。
 また、運転士の職員の最高年収はどれだけなのでしょうか?令和5年度の額をお答えください。

⇒運転士の見込平均年収は試算しておりませんが、参考として、実績に基づく平均月額を会計年度任用職員の募集要項に記載しており、直近の採用試験では、諸手当込みの平均月額は、約34万4千円でした。
 なお、令和5年度における、毎月の給与に時間外、期末・勤勉等の手当を加えた運転士の最高年収は、約1036万円でした。

<3回目>
 あとは意見を述べます。
 会計年度任用職員から正規職員への登用の試験を受けるためには、会計年度任用職員として3年以上在職していること等が条件で、試験の合格率は、10%程度だということです。
 求職者にとっては、最初から、正職員として採用される京都市営バスと比べると、高槻市営バスで正規職員になるのは、非常に狭き門だと、感じられるのではないでしょうか?
 若いうちに正規職員になれれば、年収1000万円も夢ではないけれども、会計年度任用職員のままだと、仕事の内容は正規職員と同じなのに、年収は、ずっと、阪急バスの正職員の1年目より低い4百云十万円だということになると、転職を考えても不思議ではないですよね。
 今年度に実施した1回目の採用試験の合格者は1人で、2回目は4人だったということですが、先ほどの3年以上在籍という条件や、正規職員への登用試験の合格率の低さを、何とかしないと、受験者が他所へ流れて、良い人材を確保できず、運転士不足を解消できないのではないでしょうか。
 3年以上会計年度任用職員として在職することについては、根拠がないようですし、会計年度任用職員も正規職員と同じ業務を行っているわけですから、会計年度任用職員の皆さんを、全員、正規職員にしたうえで、新規職員の採用条件については、京都市営バスと同じにすればいいのではないでしょうか?提案しておきます。

【答弁要旨】
 過去、北岡議員から、正規職員の採用をやめて、非常勤職員を採用すべきとの発言を複数いただいているので驚いた。我々も、乗務員の確保は重要だと考えているし、例に挙げられた京都市交通局から転職された方も昨年度おられた。


最後の答弁に対して、私は「時代は変わったということです。」と発言したのですが、一つの質問項目については、原則3回までしか質問できず、議長の許可なく4回目の発言はできないので、この私の発言は、議事録から削除されることになりました。

当時、非常勤の運転士の皆さんから直接お話をお聞きすると、民間バスの正社員より、公営バスの非常勤のほうが、給与は低いが楽だし良いということでしたし、少子高齢化で乗客が減少し続けている高槻市バスの財政状況も考えて、非常勤職員を増やすべきだとしていたわけです。

しかし、昨今は状況が変わってきており、各社人手不足で、運転士の奪い合いになっています。金剛バスの廃止の理由は「運転手不足」でした。そんなことを10年前に誰が予測できたでしょうか?

運転士が確保できなければ、「動く市道」である高槻市バスを維持できません。高槻市交通部も、時代に合せて素早く変革すべきです。

なお、この高槻市バスに関する質問の前に、令和5年度の決算に関する質疑で、以下の質問を行いました。

■認定第8号 令和5年度高槻市自動車運送事業会計決算認定について

<1回目>

(1)監査委員の「令和5年度 高槻市公営企業会計 決算審査意見書」の44ページには、「運転士(技能労務職)における49歳から60歳までの職員が72.5%を占めており、若年層の運転士の確保が課題であると考えられる。」と書かれています。その下のグラフを見ると、20代と30代の運転士がほとんどいないようです。77ページには、水道部の職員のグラフがありますが、水道部には、それなりに、20代・30代の技術職の職員がいます。
 高槻市営バスの、20代と30代の運転士は、それぞれ、何人なのでしょうか?最年少の運転士は何歳なのでしょうか?お答えください。
 また、高槻市バスが、若年層の運転士を確保できない原因は何なのでしょうか?お答えください。

⇒令和6年3月31日時点で、会計年度任用職員を含めると、20代の運転士が8名、30代の運転士が16名で、最も若い運転士は25歳です。
 大型二種免許保有者の減少や高齢化は社会問題となっており、警察庁が公表している2023年版の運転免許統計では、30代以下の若手運転士の割合は4.2%となっていますが、交通部の同日時点の30代以下の割合は10.4%となっております。

<2回目>

(1)会計年度任用職員には、20代・30代の運転士がそれなりにいるということです。
 常勤職員に限ると、高槻市営バスの、20代と30代の運転士は、それぞれ、何人なのでしょうか?最年少の運転士は何歳なのでしょうか?お答えください。
(2)監査委員の意見は、「運転士(技能労務職)における49歳から60歳までの職員が72.5%を占めており、若年層の運転士の確保が課題であると考えられる。」というものですが、先ほどのご答弁からすると、この監査委員の意見は誤っているということになるのでしょうか?見解をおきかせください。

⇒1点目、2点目についてですが、令和6年3月31日時点で、正規職員のうち、30代の運転士は3名、最年少の運転士は35歳で、20代の運転士はおりません。
 また、1問目でご答弁いたしましたように、大型二種免許の保有者数は全体として減少傾向にあり、中でも、保有者全体に占める30代以下の割合は低い状況でございます。

(3)運転手不足を解消するために、令和5年度は、採用方法について、どのような改善を行ったのでしょうか?令和4年度までとの違いは、どういったところにあったのでしょうか?お答えください。
 また、計画していた人数の運転士を採用できたのでしょうか?当初の計画の人数と、実際に採用できた人数をお答えください。

⇒令和5年度は、年間の採用試験の実施回数を、令和4年度の2回から3回へと変更することで、合計の応募者数も増えたことから、採用者数を令和4年度の8名から16名へと大幅に増やす等、2024年問題に対応するため、大型二種免許の保有者数が減少傾向にある中でも、必要な運転士の数の確保に努めました。

<3回目>

(1)運転士の、会計年度任用職員は20代が8名もいるのに、常勤職員は、最年少が35歳で、30代は3名しかいないのは、何故なのでしょうか?お答えください。

⇒会計年度任用職員として採用し、一定の経験を積んだ後、正規職員として登用しているため。

 あとは意見を述べます。
 3月議会では、職員定数について質問しましたが、233人としている根拠に関して、まともなご答弁はありませんでした。その算定根拠のよく分からない職員定数に対してさえ、15%も職員が不足しているのは、大変な問題だと指摘もさせていただきました。
 主要事務執行報告書の61ページに、交通部運輸課の職員1人当たりの月平均の超過勤務時間数が掲載されていますが、これによると、令和3年度が41.0時間、4年度が46.1時間、5年度が49.7時間となっています。バス運転士の超過勤務が多いことは、以前から度々指摘されているところですが、必要な職員数である定数の算定根拠を明確にしたうえで、抜本的に、採用の方法や待遇を検討しなければ、ブラックな職場を嫌って、転職者が増えて、さらに超過勤務が増えて、ますますブラックになるという悪循環に陥るのではないのでしょうか?
 「動く市道」たる高槻市営バスを今後も維持するために、運転士の職員が不足しているという現状に、しっかりと向き合って、職員の採用条件や待遇等については、少なくとも京都市バスに劣らないものにしてください。あらためて要望しておきます。



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高槻ご意見番 代表 北岡隆浩(高槻市議会議員)

■阪急バスの正社員運転士
 見込平均年収
  1年目 485万円
  6年目 500万円
  14年目 565万円
  21年目 630万円

■高槻市営バスの運転士
・まず会計年度任用職員(フルタイムの非常勤)で採用
・平均月収は諸手当込みで約34万4千円=年収約410万円前後
・3年以上の在籍で正規職員の登用試験が受けられるが、その合格率は10%前後
・正規職員の運転士の最高年収は約1036万円(令和5年度)
posted by 北岡隆浩 at 20:43| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 高槻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする