2024年12月19日

【いじめで摂食障害】教育委員会は逃げの答弁に終始。「重大事態」として調査せよ。

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今日は12月議会の最終日。一般質問があり、私は6項目について質問しました。

最初に、今年11月29日に記者会見がされたいじめの事案について質問したのですが、プライバシーを侵害しない範囲で答えられるにもかかわらず、高槻市教育委員会は、プライバシーを理由に答弁をしませんでした。

上の画像は、東京都教育委員会の資料に私が書き加えたものですが、そこに書かれているとおり、@「30日以上の長期欠席」とA「長期欠席がいじめによるものとする被害申告」があった場合も、いじめ防止対策推進法28条1項2号に従って、学校等は「重大事態」として調査を実施しなければならないのです。

本件についても、調査をしなければならなかったはずですが、高槻市教育委員会は、まともな答弁をしませんでした。

非常に残念です。

以下は本日の議会でのやり取りです。原稿とメモに基づいているので不正確な部分もあることをお許しください。

★一般質問

■1.いじめ等について

<1回目>

(1)今年11月29日に記者会見がされたいじめの事案については、多くのメディアで報道されたので、皆さん、ご存知だと思います。被害生徒は中学2年生のときに、いじめに遭い、摂食障害などが悪化して、平均的だった体重は26キロにまで落ち、半年間の入院を余儀なくされ、学校の欠席日数は237日に及んだということです。今でも通院をされているそうです。令和4年の秋に、保護者が、学校に対して、いじめの「重大事態」に当たるとして調査を依頼したところ、学校側からは「いじめに気付けず申し訳なかった」と謝罪され、「いじめの重大な事態だと認識している」などと言われたということです。
 私も記者会見を傍聴しましたが、記者会見の場で、学校側が、いじめを認める音声も流されました。
 この事案については、@「30日以上の長期欠席」とA「長期欠席がいじめによるものとする被害申告」があったわけですから、いじめ防止対策推進法28条1項2号に従って、学校または教育委員会が「重大事態」として調査を実施すべきだったのではないのでしょうか?
 なお、文部科学省が公表している「いじめ重大事態の調査に関するガイドライン」では、「児童生徒や保護者から、『いじめにより重大な被害が生じた』という申立てがあったときは、その時点で学校が『いじめの結果ではない』あるいは『重大事態とはいえない』と考えたとしても、重大事態が発生したものとして報告・調査等に当たる」と明記されています。また、被害児童の代理人弁護士は、文部科学省から、当該事案においては、「重大事態が発生したものとして報告・調査等に当たるべき」、「学校が重大事態として対応しない理由が不明である」との回答を受けたということです。
 まずは、一般論として、@「30日以上の長期欠席」とA「長期欠席がいじめによるものとする被害申告」があった場合には、「重大事態」として取り扱うべきか否かについて、教育委員会の見解をおきかせください。
 そのうえで、先ほどの事案について、「重大事態」として取り扱わなかった理由を具体的にお答えください。
 先ほど述べた、文部科学省のガイドラインと回答を踏まえたうえで、ご答弁をお願いいたします。
(2)被害児童の保護者は、学校側から「いじめに気付けず申し訳ありませんでした」と謝罪され、さらに、「私たちはいじめだと思っています」、「いじめの重大な事態だと認識しています」などと一貫して説明をされていたと訴えています。
 学校は当初、いじめだと保護者に報告をしていましたが、実際には、学校はいじめと認定していなかったわけですから、学校側は保護者に嘘の報告をしていたことになります。もし、学校側の認識が途中で変わったということであれば、どういった経緯で、いつ変わったのか、なぜ保護者に説明をしなかったのか、具体的にお答えください。

⇒1点目と2点目についてですが、重大事態の調査については、いじめ防止対策推進法に基づき判断しています。
 なお、関係者のプライバシーに関わることになりますので、個別の案件については、答弁を差し控えさせていただきます。

(3)先ほどの事案について、高槻市は代理人に委任したと聞きました。なぜ委任したのでしょうか?具体的な理由をお答えください。
 また、その委任には、どれだけの費用がかかったのでしょうか?これまでと、今後の費用について、金額と内訳をお答えください。

⇒弁護士の法的知見等を踏まえ、本件に適切に対応するため、委任を行いました。
 また、委任に係る費用は、着手金として22万円でございます。

(4)令和5年度において、児童・生徒が年間30日以上欠席しているケースで、児童・生徒あるいはその保護者が、いじめが原因だと主張しているものは、何件あったのでしょうか?お答えください。
また、それらについては、「重大事態」に当たると考えられますが、教育委員会が「重大事態」として取り扱わなかったものについては、どういう理由でそのような判断をしたのでしょうか?具体的にお答えください。

⇒令和5年度に、いじめが原因で不登校になったことにより重大事態として調査を行ったものは2件ございます。
 なお、いじめや重大事態の調査については、いじめ防止対策推進法に基づき判断しています。

<2回目>

(1)重大事態の調査については、いじめ防止対策推進法に基づき判断しているということです。
ということは、これまで、@「30日以上の長期欠席」とA「長期欠席がいじめによるものとする被害申告」があった場合のすべてについて、「重大事態」として取り扱ってきたということでよろしいでしょうか?お答えください。

⇒繰り返しになりますが、いじめの重大事態の調査については、いじめ防止対策推進法に基づき判断しています。

(2)高槻市が委任した代理人は、高槻市教育委員会のこれまでの主張を、繰り返しているだけのようです。ご答弁にあった「弁護士の法的知見等」とは、具体的には何のことをいっているのでしょうか?お答えください。

⇒法の専門家として適切に対応していただいていると考えています。

(3)先ほどの事案に関しては、報道された範囲で質問していますので、その範囲で答弁されれば、プライバシーの侵害にはならないはずです。その範囲でご答弁ください。
 先ほどの事案について、大阪府教育庁から指導はあったのでしょうか?あったのであれば、その内容も併せてお答えください。
 また、指導があったのであれば、高槻市教育委員会は、先ほどの事案について、どういった対応をすることにしたのでしょうか?「重大事態」だと認定して、調査を行うのでしょうか?具体的にお答えください。
(4)いじめの「重大事態」としての取り扱いや、先ほどの事案について、大阪府教育庁と、高槻市教育委員会との間で、見解の相違があるのでしょうか?あるのであれば、どういった相違があるのか、具体的にお答えください。

⇒3点目と4点目についてですが、繰り返しになりますが、関係者のプライバシーに関わることでもありますので、個別の案件については、答弁を差し控えさせていただきます。

(5)市長におききします。
 市長の附属機関として「高槻市いじめ再調査委員会」という組織が、条例で規定されています。
@学校が教育委員会を通じて報告した重大事態への対処、又はA当該重大事態と同種の事態の発生の防止のため、必要があると認めるときは、こうした附属機関を設けるなどして調査ができるということです(いじめ防止対策推進法30条2項)。
 先ほどの事案については、市長に報告があったのでしょうか?お答えください。
 また、市長は、先ほどの事案について、附属機関を設置するなどして、調査を行うお考えはないのでしょうか?お答えください。

⇒「高槻市いじめ再調査委員会」については、いじめ防止対策推進法第30条第2項の規定により、法第28条第1項による重大事態の報告を受けた場合に、必要に応じ設置するものです。

<3回目>

 あとは意見を述べます。
 先ほどの事案については、逃げの答弁ばかりで、非常に残念です。
 産経新聞の記事によると、いじめの被害にあった元生徒の方は、「あのクラス、あの担任じゃなければ私は病気にならなかった」と悔しさをにじませ、いじめの問題に詳しい千葉大学の藤川教授は、先ほどの事案について「(いじめ防止対策推進法に)違反しているうえ、保護者への合理的な説明もなく、行政機関としてあるまじき対応だ」と、問題視しているということです。
 高槻市の学校や教育委員会の対応は、子どもの命や健康を蔑ろにするもので、極めて悪質だと思います。
 高槻市教育委員会に対して、この事案を「重大事態」と認定して、調査することを強く要望します。
 また、こうしたことを二度と起こさないように、「いじめ防止対策推進法」をしっかりと遵守してください。強く要望しておきます。
ここで、ある方の、いじめに関する体験談をご紹介させていただきます。
 その方は、小学生の頃、いじめに遭っている級友を、身体を張って助けたのですが、それが原因で自らもいじめを受けました。そのことに理不尽さを感じ、勉学に身が入らなくなり、高校に進学したものの、工員やガードマンなど、様々なアルバイトを経験したということです。
 小学生の時のいじめの被害による心の傷が、高校生やアルバイトの時まで、尾を引いていたということで、先ほどの女子生徒のケースとも共通する部分があると思ったのですが、そのいじめの体験談は、濱田剛史市長のものだということです。
 他の方がネットに書かれているのを見ただけで、ご本人から直接聞いたわけではありませんが、これがもし本当のことなのであれば、その頃の自分に問いかけてみていただいて、市長になった今、いじめの問題に対して、どういうことをすべきなのか、教育委員会の対応に任せるだけで、看過していいものなのかどうか、考えてみていただければと思います。
 今も、いじめの理不尽に苦しんでいる子ども達がいます。いじめの件数が、過去最多になったということは、そういう子達が、ますます増えているということではないのでしょうか。
 そういう状況なのに、濱田市長は何もしないのでしょうか。身体を張って、助けようというような気概は、もう、ないのでしょうか。
 市長として、教育委員会の独立性を侵さない範囲で、いじめを人権問題として調査したり、寝屋川市の監察課のような部署を設けたり、することができるはずです。実効性のある取り組みを要望します。



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高槻ご意見番 代表 北岡隆浩(高槻市議会議員)
posted by 北岡隆浩 at 22:14| 大阪 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 高槻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする