2008年10月12日

【今城塚】樹木の伐採範囲に要注意!---行政がこんなやり方をしてもいいのか?

10月10、11日の両日、今城塚古墳第5次整備工事に関する説明会が行われました。

これまでの説明会に比べて異例な、そしておかしな雰囲気の今回の説明会でしたが、それについては後半に書きたいと思います。

まず、皆さんにご注意いただきたいことについて書きます。それは、樹木の伐採範囲です。

私は高槻市議をしておりますが、高槻市から議員に配布された資料は、以前にも掲載しましたが、次のものです。

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これを見ると工事の箇所は、内堤については、南西の範囲と、誰もが思うはずです。樹木の伐採もこの部分であると。

しかし、これは、違うのです。

実際は、この倍ほどの範囲に生えている樹木が、伐採対象として契約書の図面に記されているのです。


ある高槻市議の方から、私に対し、樹木の伐採箇所について問い合わせがあったのですが、そのメールの内容を見ると、やはり間違った認識をされていました。

でも、市議ですら、このように間違った認識をしても仕方がないのです。何故なら、高槻市が、上記のような資料しか渡さず、伐採範囲をきちんと説明していないからです。


では、高槻市は、市民の皆さんに対しては、ちゃんと説明をしたのか。

住民説明会で配布された資料はこちらです(南の内堤の中ほどの斜線は私が書き込んだものです)。

史跡今城塚古墳第5次整備工事の説明会の配布資料

これだけを見れば、やはり内堤の工事の範囲は、南西部分であると思われます。

説明会では、この資料が配られただけではなく、パワーポイントを使っての説明もありました。

しかし、初日、樹木の伐採範囲については、パワーポイントの不具合があるような感じで、小さくしか表示されませんでした。

2日目の説明会では、この不具合が直され、ちゃんとパワーポイントで表示されるのかと思い、2日目も参加して確認したのですが、初日同様、パソコンを操作していた職員は、不具合があるような素振りで、他の説明画面より小さく表示をしていました。

画面の「樹木整理」の文字も極めて小さく(ビデオをよく見直してみましたら、スクリーンに映し出された「樹木整理」の文字が潰れて「木」しかまともに読めませんでした)、よくよく目を凝らしてみなければ、そこが残土処分のためのダンプの通り道なのかと、見間違っても不思議ではないようなものでした。

口頭でも並行して説明をしていましたが、伐採範囲については、まったく言及がありませんでした。

他と比べて小さな画面でしたし、口頭での説明もなかったので、後ろの席の方や、目の悪い方は、正しい伐採範囲が認識できなかった可能性が高いと思われます。

実は、伐採の範囲は、下の図の赤色の箇所なのです。これをほとんどの方は分かっていないと思います。

正しい樹木の伐採範囲

初日の説明会でパワーポイントに不具合があったのであれば、2日目の説明会では直せたはずです。簡単に直せたはずなのに、なぜ直さなかったのでしょうか。

それに、なぜ、土木工事を行う範囲以上の場所の樹木を伐採するのでしょうか?無駄な環境破壊行為であり、行政の暴挙だと言わざるをえません。

説明会では、やはり、樹木がどれだけ伐採されるのかに、たくさんの住民の方が関心をもっておられました。木を残してほしい、そういった声が何度となく上がりました。

市側は「できるだけ残す」としか答えません。ある市民の方が「平成18年12月14日の説明会では、90本残すと答えられていたが、90本より残るのか?」と尋ねられたのですが、「現時点では分からない」というような答えでした。

平成18年12月14日の説明会の議事録を見てみたのですが、90本というような数字は記載されていませんでした。しかも、この議事録は、すべて鉛筆書きで、以前現物を確認したところ、一度消しゴムで消し、後で書き直したような跡もありました。

市側は「木については、測量し、精査して、可能な限り残す」とし、11月中頃にはどれだけ残すか示すというような答えをしていますが、果たしてどうなるのか。伐採範囲の説明も不誠実なものでしたから、非常に不安です。

また、90本残すと言っていた、その根拠はいったい何だったのでしょうか?当時は本数を断言できたのに、どうして今は、本数を断言できないのでしょうか?


そのように、住民の皆さんが、樹木を残したいと強い気持ちをお持ちであるから、わざと伐採範囲を小さく表示し、口頭での説明では一切言及しないことによって、住民になるべく知られないように、分からないようにと、情報操作をして、土木工事の範囲以上の森林もこっそり伐ろうとしているとしか考えられません。


私は、樹木の伐採範囲について、住民の皆さんに知っていただこうと、説明会の最後に「1点だけ質問させてください」と手を挙げたのですが、何故か、司会進行をしていた連合自治会の役員の方は、大声で「お断りします!」と言って、閉会を宣言されました。

1日目も、私に対して「ここに議員がおるぞ」「議員は質問するな」「議員は議会で質問しろ」「おたくの名前は何というの?北岡?この議員は北岡というらしいぞ」「売名行為をするな!」といったような野次が飛びました。

今城塚の諸問題について詳しい議員が質問すれば、それは住民の皆さんのためにもなると思うのですが、私の質問を封じ込めたいような雰囲気でした。

他の住民の方に聞くと、野次を飛ばしていたうちの一人は、建設会社の社長さんで、この建設会社は、けっこうな金額の工事を、高槻市から請け負っているとのことでした。

工事の説明会を連合自治会が仕切るというのも、昨年の説明会ではありませんでした。このことについて、住民の方からも、疑問が呈されました。


「真の継体天皇陵」といわれている今城塚古墳は、全国的に見ても非常に貴重な古墳ですし、用地買収や工事などについては、多額の国のお金も使われています。自然環境を大切にしようと市民に訴えている行政がこのようなことをしていいのでしょうか。

全国の皆さんにも、ぜひ見守っていただきたい問題です。

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【追記】

以下は、「広報たかつき」平成20年10月10日号に掲載されていた記事なんですが・・・高槻市行政の矛盾を感じざるをえません。

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【さらに追記】

今城塚第5次工事説明会・疑惑のプロジェクター1
初日に不審を感じたので、一番前の真正面の席に陣取って撮影。実際のスクリーンはこのようなもの。

今城塚第5次工事説明会・疑惑のプロジェクター2
スクリーンをほぼいっぱい使っての表示がされていたのですが、ところが・・・

今城塚第5次工事説明会・疑惑のプロジェクター3
「準備工―残土処分と内堤等の樹木整理」の場面で突然パワーポイントに不具合発生!初日だけでなく2日目も!この説明画面だけ、他のものよりも小さく表示される。

今城塚第5次工事説明会・疑惑のプロジェクター4
ビデオカメラの望遠を目一杯使って撮影してみると「樹木整理」の字が潰れて読めない。明らかに作為的だ。

一番前の席で、ビデオカメラの望遠を使ってこれなのだから、後ろの席の人はまったく理解不能だったと思われます。

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posted by 北岡隆浩 at 23:13| 大阪 ☀| Comment(9) | TrackBack(0) | 高槻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
説明会行けなくて残念です。
高槻市はやり方がコスイですね〜!

ところで、鴻池組の野々上昌博本店長は、野々上愛議員の親戚ですか?

野々上愛議員は第5次工事には賛成したんですか?
もし賛成していたら許せないです。
Posted by 氷室の人 at 2008年10月13日 10:08
説明会を開いた事は評価しても、中身は連合自治会役員と市側が恣意的に進めていました。
Posted by 参加者より at 2008年10月13日 17:22
10日の説明会の感想など。市側のこれまでのやり方に多くの近隣住民が不満を抱いていた。今城塚古墳はこれまで住民に愛され魚つりをしたり春には花見をしたり木々も多く、散歩道でもあり風情のある憩いの場として自然に受け入れら長年近隣住民の生活に深く溶け込んでいた。市は今城塚古墳を史跡整備の大義名分のもと強引に工事をはじめた。市担当者は言葉では美辞麗句を並べ説明するが近隣住民の心には響かない。樹齢何十年もの木とともに育ってきた近隣住民の心情を重んじることなく整備(歴史の破壊?)の名の下、荒っぽい復元工事がなされているからだ。大切な木々もばっさばっさ切られている。説明会で次の整備計画の中にも479本の木々があるそうだ。いったい今回(第5次)の整備計画で何本の木々を切るつもりなんだ?と多くの近隣住民が尋ねても、市担当者は、ごまかし「できるだけのこす」の繰り返し。説明会なのにまるで説明になっていない。不誠実。およそでよいから10%切るのか90%切るのかとの質問にも、「できるだけのこす」と。誠にふざけた回答だ。伐採には費用がかかるはずだ。伐採予算は?との質問に市担当者は実は479本分全部予算化されているともらした。479本分計上しておいて何が
Posted by 説得会当日参加者 at 2008年10月13日 21:34
あの建設会社の社長は市と深い関係ですわ。
とても柄が悪い。険悪な雰囲気を意図的に作り出してましたな。
Posted by 市民 at 2008年10月13日 23:13
北岡先生や他の住民の方を大声で罵倒していたのは建設業者だったんですか。しかも高槻市から仕事をもらって飯食ってる人達ですか?
だったら座る位置が違うと思います。高槻市と鴻池組の職員が前に座っていたんですから、建設会社の社長らも前に座るべきでしょ?
普通の住民にまぎれて、住民のために戦っている北岡先生に野次を飛ばすなんて言語道断です。住民説明会を妨害したことを訴えたりできませんか?
Posted by 一市民 at 2008年10月14日 11:54
北岡議員が説明会に参加してくれなかったら、高槻市がこんないんちきなやり方をしていることは誰にも分からなかったはずだ。

今後も北岡議員にはこの種の説明会に参加してもらいたいし、他の議員も参加すべきだと思う。

高槻市は市民を馬鹿にするにもほどがある。
Posted by 高槻市民 at 2008年10月14日 21:00
議員先生も市民も騙して環境破壊を目論んだ高槻市役所に環境保護を語る資格はない。詐欺師と土建屋が天皇陵を蹂躙している。日本国民は怒りの声を上げるべきですよ。
Posted by イチローファン at 2008年10月15日 08:29
いかさま高槻市。
卑怯なやりかた!
Posted by 田島 at 2008年10月15日 21:05
遺跡は誰のもの? 学者?それとも整備業者(行政)?ですか? 歴史が遺跡を遺さなかったは、それぞれが利用したからです。真の天皇陵だからという位置づけで、これからの長い歴史の中で残るのですか?整備をしたら遺せるのですか? 遺跡を残す方法は地域の人たちその価値を認め、発信していくしかありません。 遺跡を守ることは特別なことではなく、里山を守るのと同じと思います。地域の人が、自分の財産にしないと守れません。生活の中にある遺跡しか守れないと思います。 自分たちの財産を守るため頑張って下さい。
Posted by 古市古墳群案内人 at 2008年11月06日 19:58
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