2008年11月03日

高槻市長が逆転敗訴!ヤミ退職金訴訟

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今年の10月30日、「ヤミ退職金訴訟」(住民訴訟)の判決言渡しが大阪高等裁判所であり、高槻市長らが敗訴しました。大阪地裁では、高槻市長らの主張が認められたのですが、高裁は地裁の判決を変更し、高槻市長らが逆転敗訴となりました。

市民の方が送ってくださった判決文によると、高裁は、(社)大阪府市町村職員互助会が、会員である高槻市職員に対して支給していた給付金のうち、「退会給付」は実質的に退職手当に当たり、「在会慰労金」は実質的に給与に当たるとして、それぞれ、給与条例主義を潜脱するものであり、違法であると認定しました(「在会慰労金」については、1審の地裁では適法とされていましたが、2審の高裁では違法とされました)。

高槻市長らは、互助会とは補給金について清算済であるとの合意をしたと主張し、1審ではこの主張が認められて、原告である住民の訴えが退けられましたが、高裁は、この合意には効力がないと判断しました。

高槻市は、平成17年11月まで、互助会に対して補給金を支出していましたが、高裁は、このうち72.8%は、退会給付と在会慰労金の支出に充てられたと認定。平成16年8月分から平成17年11月分までの補給金のうち、市長部局分1億7649万7481円、水道部分1110万3988円、交通部分1334万0843円を、互助会に対して返還請求するよう、高槻市長らに命じる判決を下しました。

このように、1年3か月分の違法な給付分の返還しか裁判所は認めなかったのですが、この10年で見ると、市長部局・水道部・交通部併せて33億8千万円あまりが、高槻市から互助会に対して、補給金として支出されていました。この多くが「ヤミ退職金」の原資となっていたわけです。

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上の文書は、互助会から高槻市に送られてきた「退会餞別金等の送付について」という明細書ですが、違法と認定された「退会給付金」については(給付額@の「「退会餞別金・退会給付金」の欄の下段)、6人で約3375万円となっています。1人当たりにすると、平均562万円あまりです。

ヤミ退職金欲しい!駆け込み一挙300人

このヤミ退職金目当てに、制度廃止直前に駆け込み退職をされた方が高槻市役所にもいたようですが、当時の新聞記事によれば、大量退職によって市民サービスに支障が出ないようにと苦慮した自治体もあったようです。「公務員としての良心に委ねるしかない」とあきらめ顔の市担当者の声も紹介されていますが、このような違法な制度に手を貸してきたことが、そもそも良心に反していたのではないのでしょうか。

本来ならば、違法な「ヤミ退職金」を受け取った元公務員個人個人から、「ヤミ退職金」を返還してもらわなければならないはずですが、このように、互助会という第三者的な団体を通じて「ヤミ退職金」が支払われたため、法的に、個々人から返還をさせるのは難しいようです。であれば、元公務員個人個人が、道義的に、返還を申し出るべきだと思うのですが、そのような「良心のある」元職員の話など、まったく伝わってきません。

互助会は、平成17年に、積立金の残額692億円のうち、100億円しか市町村に返還しておらず、いまだに莫大な資金を抱えて存立しています。高槻市等に数億円程度返還しても、その財務はびくともしないでしょう。高槻市長らは、最高裁に上告する予定なのかもしれませんが、高裁判決を受け入れ、直ちに、互助会に返還請求をすべきではないでしょうか。

それにしても、このように裁判で戦われた住民の方のご努力には、本当に頭の下がる思いです。

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ヤミ退職金訴訟 2審は大東、高槻両市長に返還請求命令
2008.10.31 01:53

 大阪府大東、高槻両市が社団法人「大阪府市町村職員互助会」にそれぞれ補給金を支出したのは違法として、両市の住民が各市長らに対し、互助会に資金返還を請求するよう求めた住民訴訟の控訴審判決が30日、大阪高裁であった。大谷正治裁判長は、請求を退けた1審判決を変更、大東市長らに計約1億500万円、高槻市長らに計約2億90万円を返還請求するよう命じた。

 職員の退職時に互助会から支給される退会給付金を「ヤミ退職金」とする原告側の主張について、大谷裁判長は1審と同じく「実質的に退職手当にあたる」と違法性を認定、16〜17年度に給付された一部について返還請求権を認めた。

 互助会は17年11月に退会給付金を廃止、不要となった計100億円を清算金として各市町村に返還したため、1審判決は「清算金で弁済され、両市の返還請求権は消滅した」として原告側の請求を退けていた。



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posted by 北岡隆浩 at 09:29| 大阪 ☁| Comment(5) | TrackBack(0) | 高槻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ヤミ退職金目当てに、制度廃止直前に駆け込み退職をして、ほとぼりの冷めた頃に市の関係施設に再雇用されているしっかり者がいますよ。
Posted by S.T at 2008年11月03日 17:17
第2の退職金を手にしていまだに再雇用でぶら下がる元上司。
どうにかならんか?
Posted by 若手職員 at 2008年11月03日 22:32
こういう内容を大々的に取り上げ市民に報告しない議員は、うさんくさいわけだ。北岡議員のように真っ先に取り上げるべきだ。この内容の取り上げ方1つでも議員の資質がよくわかる。次の市議選の参考にしたい。農協への補助金のたくらみもひどかったけど、このからくりもひどいね。市長と多くの議員をとっかえなくては。
Posted by 高槻市民 at 2008年11月04日 01:27
ちゃんと退職金があるのに外部団体を迂回してお手盛りとは。
当然、返還させるべき。
Posted by ずるい at 2008年11月04日 18:56
このような問題は議会でぜひとも取り上げてほしいものです。
議員は市民から選ばれた代弁者なのだから厳しく追及してもらえるとありがたい。
Posted by やっちん at 2008年11月05日 21:47
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