本日、大阪地裁で特養不正選定訴訟の判決言渡しがありました。私は、裁判所は、審査会における採点にまでは踏み込まず、訴えが住民訴訟の対象にならないと門前払いのような形にするのかなと思っていたのですが、判決は、採点表の採点にまで踏み込んでくれたものでした。
しかし結果は、私の請求をすべて棄却するもの。敗訴です。採点についてまで審理していただいたのですから、完全に敗訴といえます。
けれども、この判決には納得がいかない点がいくつかありますので、控訴したいと考えています。
納得いかない点の一つは、この選定においてだけ「相対評価」がされたことについて、裁判所が、不当とまでは認められないとしたことです。
採点表における「構造設備」「資金」「地域性」「事業評価」「法人の適格性」の5つの審査項目について、大阪地裁は「本件選定における評価方法は一貫性に乏しい」と認めながらも、5つの審査項目は「数値化が困難なもの」で、どのような採点をするかは評価者の「裁量にゆだねるべき性質のもの」だから不当なものとまでは認められないとしました。
この審査項目については、標準を5点として、その5点から1〜4点を減点する採点がされたのですが、確かに、「数値化が困難」というか、減点の基準は示されていません。
では、そういう減点基準のない採点の中で、どのように公正な採点を担保すべきかといえば、それは「過去から一貫した採点をする」ということしかないはずです。
なのに、この選定においてだけは、裁判所も認めるように「一貫性に乏しい」というか、突然にこの選定においてだけ相対評価による採点がされたのですから、公正な採点がされたとはいえないはずです。
他に、分かりやすいところでいえば、「駅への接近度」という審査項目では、バス停から100メートル以内であれば2点が、それ以上離れていれば1点がつけられるのですが、この社会福祉法人について、バス停から100メートルより離れているにもかかわらず、2点が付けられていたことについて、大阪地裁は「直線距離でおおむね100メートル」であることを理由に、評価に誤りがあると速断できないとしました。
けれども、高齢者が空を飛んでいけるわけでもありませんし、老人ホームの立地について、バス停からの直線距離で考えるというのは不自然です。また、高槻市も、この選定より以前の2回の選定において、100メートルより離れているとして、1点しか付けていなかったのです。
バス停からこの特別養護老人ホームの入り口までは、どう贔屓目に見ても130メートルはあります。この審査項目の注意書きには「100m超」は1点だと、明確な数値が示されていますから、これを「おおむね100メートル」だからよいなどというのは、問題があると思います。
確かに、行政には一定の裁量があります。けれども、100床もの大きな特別養護老人ホームの選定において、過去や以後の選定とは一貫性のない評価方法をしたり、明確な数値基準のある項目で、過去の採点結果よりも点数を増やしたりするのは、裁量を濫用逸脱したやり方ではないでしょうか?こんないい加減な採点のし方で、特別養護老人ホームの事業者を選び、約2億円もの補助金を出してもいいのでしょうか?
この特別養護老人ホームの事業者については、5つの法人が公募に応募しました。各法人は真剣に応募されたことでしょうし、高槻市民にとっても、公正公平に事業者を選んでもらわなくては困るわけで、1点も、おろそかにした採点はできなかったはずです。
本当に判決のとおりにこの採点を是と認めてよいものか。行政の裁量というのは、小学生でも分かる距離の数値まで捻じ曲げることができるほど強いものなのか。私としては納得がいかないので、控訴したいと考えています。
以下は、判決のうち、裁判所の判断の部分です。
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2009年02月05日
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