2009年06月04日

寄り道型の天下り?そんなに官僚が優秀なら高槻市職員の給料を下げよ。

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先日、国の直轄事業における地方の負担金について、平成22年度からは退職手当と共済年金分は請求しない意向を金子大臣が示したというニュースがありました。それまで、地方自治体が、官僚の人件費の一部を負担してきたということですが、他にも、図のように、地方自治体が、官僚に貢いでいるようなケースがあります。

たとえば高槻市の場合、副市長と政策統括監(部長級職)のポストに、それぞれ国土交通省と総務省から現役官僚がやってきて、一定期間過ぎると、国に帰っていき、また別の現役官僚がやってくる、ということがされています。

やってくるのは30代の官僚で、国では約700〜800万円の年収をもらっていると思われます。ところがこれが、高槻市の副市長なら年収約1500万、部長級なら約1000万となります。

3月議会でこのことを質問したのですが、高槻市の答弁は、

(前略)このように、国との人事交流は、国と地方自治体の双方にとって人材の育成、活用、組織の運営の活性化、相互理解の促進等につながる有意義なものであると考えておりまして、今後も必要に応じて進めていかなければならないというふうに考えております。


といったものでした。

人事交流だとか、国と地方の相互理解の促進だとか言うのなら、別に副市長や部長級といった高いポストは必要がないはず。同じくらいの年収のポストに就いてもらえばよいのではないのでしょうか。

地方自治体に出向し、国にいるときよりも高い給料をもらって、また国に帰っていく。実際のところ、これは天下りの一種ではないか、地方自治体に寄り道して国に帰っていく「寄り道型の天下り」ではないかと、私は考えています。

議会事務局の調査官に府下や中核市の状況を調べてもらったところ、大阪府池田市では、総務省から出向してきた29歳という若い女性官僚が総合政策部の部長になっていました。岡山市では、国からの出向者が8人も、部長級以上の職についていました。異例な感じがしますが、何かメリットがあるのでしょうか?

総務省の資料によると、平成20年8月15日現在、国から地方公共団体の部長級以上の出向者は318人。一方、地方公共団体から国の室長級以上への出向者はわずか17人となっていました。平等とは決していえない構図です。

さらに不平等と思われることが。高槻市は、総務省に市職員を出向させているのですが、「研修」という名目で、その職員の給料を高槻市が負担しているのです。国の仕事をしているのに。このように、地方自治体が「研修」名目で出向職員の給料を負担しているケースはかなりあるようです。

ラスパイレス指数で見ると、現在、国家公務員と地方公務員の給与の差はほとんどないようです。国家公務員の方が地方公務員よりも優秀であり、年収700〜800万円の官僚で、高槻市の部長が務まるなら、高槻市の部長の給料を700〜800万円にすることができるのではないでしょうか?それなら私も納得します。

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以下は「寄り道型の天下り」に関しての3月議会の一般質問での質問と答弁です。

平成21年 第1回定例会 (第6日 3月27日)

No.63 北岡隆浩議員
 北岡隆浩です。大きく8点について質問いたします。
(中略)
 6番目は、国からの出向者と国への出向者についてです。国から出向者を受け入れている理由、また国へ職員を出向させている理由についてお答えください。これによる高槻市としてのメリットはどういったものかについても、あわせてお答えください。
(中略)

No.66 総務部長(上田豊喜)
 北岡議員の6点目と7点目のご質問にお答え申し上げます。
 まず、職員の出向に係るご質問でございます。国との人事交流の基本姿勢といたしましては、高度複雑化する行政課題に対しまして、職員の対応能力を高め、住民の負託にこたえていくためには、必要に応じ、国等との人事交流を積極的に行うことが必要であるというふうに考えております。そのためには、将来の行政の中核的要員と見込まれる職員、その他行政運営における重要な役割を担うことが期待される職員を対象といたしまして、復帰後、交流派遣の成果を大いに発揮することが見込まれる職員を選定しているところでございます。
 また、そのねらいといたしましては、国の機関における実務経験を通じまして、その業務遂行の手法を学び、かつ国の業務がいかに展開されているのか体得し、また、全国の地方自治体の情報も全国規模で得ることができるなどメリットは大きく、復帰後には、その業務遂行の経験等による成果を生かすことができるものというふうに考えております。
 また、国からの派遣につきましては、国家公務員としての実務経験を通じまして、その業務遂行手法を身につけ、全国規模の幅広い情報を持っている職員を、本市における重要かつ政策的な業務等、その経験を積極的な行政運営のために効果的に生かすことが期待できる職につけることによりまして、行政運営の活性化や進展に資するものでございます。
 一方、国におきましても、地方自治体での実務経験を通じまして、地方行政の状況を実感を持って認識し、地方自治体の考え方が国のそれと大きく乖離していないかどうか、地方の課題とは何なのか、地方の実情に合った国の施策が展開できているかどうかなど、地方を理解するための手法としては、大いにメリットがあるのではないかと考えております。このことは、午前中の山口議員と福田政策統括監の感動的な質問と答弁の中で明らかになったのではないかと思う次第でございます。
 このように、国との人事交流は、国と地方自治体の双方にとって人材の育成、活用、組織の運営の活性化、相互理解の促進等につながる有意義なものであると考えておりまして、今後も必要に応じて進めていかなければならないというふうに考えております。
(中略)

No.68 北岡隆浩議員
(中略)
 次に、国からの出向者と国への出向者についてです。
 1点目、国からの出向者の高槻市におけるポストについては、国とどのような合意があって、高槻市役所内部でどのように決定されているのか、お答えください。
 2点目、高槻市から国への出向者の中には、研修扱いとして高槻市が給与を負担している職員もいます。一方で、国からの出向者については、部長級職あるいは副市長のポストを与えて、高槻市がその少なくない給与を負担しています。非常に不平等な関係ではないでしょうか。そこまでしないと高槻市はご答弁のようなメリットを得られないのでしょうか、お答えください。
(中略)

No.71 総務部長(上田豊喜)
 出向の件でございますけれども、国から本市に派遣される者につきましては、こちらのほうからポストを示しまして、本市の求める能力、あるいは経験を有した人材を国のほうにお願いし、それにふさわしい人材を推薦していただいているというところでございます。
 それから、給与負担でございますけれども、国への派遣、あるいは国からの派遣には幾つかの方法がございますけれども、割愛する場合、あるいは研修生として行く場合がありますけれども、研修生としてこちらから行く場合につきましての人件費の負担はこちらでございますけれども、こちらのほうから行く職員でも、割愛で国のほうに行っている者もございますので、その辺は、そういう種類があるということを申し述べたいと思います。
(中略)

No.74 北岡隆浩議員
(中略)
 次に、国からの出向者と国への出向者の件ですけれども、この不平等な構造は、高槻市だけではなくて全国的に見られるものです。
 議会事務局で調査してもらったところ、例えば、池田市では総務省から出向してきた29歳という若い女性の官僚が総合政策部長になっています。高槻市と同じ中核市の岡山市では、国からの出向者が8人も部長級以上の職についています。総務省の資料によると、平成20年8月15日現在、国から地方公共団体の部長級以上の出向者は318人。一方、地方公共団体から国の室長級以上への出向者はわずか17人となっていました。
 人材交流などと言えば聞こえはいいですけれども、政策統括監や市長公室長が総務省の、副市長が国土交通省の、それぞれ既得権化している現状を見れば、これは天下りの一種ではないかと私は考えています。
 天下りというのは、退官後に外郭団体などに再就職することを指しますが、在職中に地方公共団体の高いポストにつき、国にいたときよりも高い給与を得て、そしてまた国へ帰っていくというのは、いわば、寄り道的な天下り、寄り道型の天下りと言えるのではないでしょうか。
 高槻市が国からの出向者の給与を負担して、国への出向者の給与まで負担するというのは国、官僚への隠れた上納金であるとも言えます。国との間で何らかの取引をしているかもしれませんが、このような不平等な構造は、地方分権に逆行するのではないでしょうか。少なくとも高槻市から国への出向者の給与の負担については、国が負担するように国に見直しを求めるべきです。そのように指摘と要望をして、この件は終わっておきますが、福田政策統括監も国に帰ったら、そのように言っておいてください、3年2か月の間、お疲れさまでした。
(後略)
posted by 北岡隆浩 at 23:54| 大阪 ☁| Comment(3) | TrackBack(0) | 高槻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
とにかく公務員の給料は高すぎます。
阿久根市では職員の人件費を半分にするそうです。
高槻市でもできるはずです。
がんばってください。
Posted by 一市民 at 2009年06月05日 20:42
官僚はうまいことやりますね。早く霞ヶ関を解体して、地方分権を進めるべきです。
こんな形の天下りも禁止にしてほしいと思います。
今後も期待しています。
Posted by マルちゃん at 2009年06月06日 10:26
確かに給料云々はありますが・・
仕事で行政の会議に参加することが多々あったのですが、国から出向している官僚はやっぱり仕事できますよ。全然違います。それで行政の刺激になっているならそれはそれで意味があるのかもとも思いました。まあ人によるとも思いますが。
Posted by 一市民 at 2009年10月02日 02:10
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