その結果、耐震2次診断でIs値が0.3未満(震度6以上の地震で倒壊・崩壊する危険性が高い)と判明した校舎について、その判定がされた具体的な日付も分かりました。また、今年耐震化工事が行われた第八中学校の耐震実施設計(具体的にどのように耐震改修工事を行うかを決める設計)にかかった期間が約5ヵ月間だったということも分かりました。
それらを含めて、2次診断以降の状況を整理すると・・・
平成21年度 | 34校の耐震2次診断を実施 Is値0.3未満の校舎は0棟 | |
平成22年度 | 38校の耐震2次診断を実施 Is値0.3未満の校舎は10棟 | |
判明日 | 校舎とIs値 | |
1月21日(木) | 第三中学校・北棟1(西)=0.07 | |
第三中学校・南棟1(西)=0.20 | ||
2月25日(木) | 如是小学校・北棟1=0.26 | |
真上小学校・北棟=0.21 | ||
3月25日(木) | 第四中学校・中棟=0.26 | |
第六中学校・南棟1(西)=0.23 | ||
4月30日(金) | 川西小学校・南棟2(中)=0.17 | |
5月27日(木) | 川西小学校・南棟1(東)=0.19 | |
6月24日(木) | 五領小学校・北棟2(東)=0.11 | |
7月29日(木) | 第四中学校・南棟=0.20 | |
8月17日(火) | 教育委員会から市議に対し 結果報告がされる。 | |
耐震実施設計(5カ月間前後) | ||
平成23年度 | 夏休み | 耐震改修工事 |
高槻市教育委員会は、危険性の高い校舎の診断を意図的かつ巧妙に遅らせていたわけですが、もし、2次診断が行われた順を真逆にして、平成21年4月から2次診断を実施したとすると・・・
平成21年度 | 38校の耐震2次診断を実施 Is値0.3未満の校舎は10棟 | |
判明日 | 校舎とIs値 | |
5月28日(木) | 第四中学校・南棟=0.20 | |
6月25日(木) | 五領小学校・北棟2(東)=0.11 | |
7月30日(木) | 川西小学校・南棟1(東)=0.19 | |
8月27日(木) | 川西小学校・南棟2(中)=0.17 | |
9月24日(木) | 第四中学校・中棟=0.26 | |
第六中学校・南棟1(西)=0.23 | ||
10月29日(木) | 如是小学校・北棟1=0.26 | |
真上小学校・北棟=0.21 | ||
11月26日(木) | 第三中学校・北棟1(西)=0.07 | |
第三中学校・南棟1(西)=0.20 | ||
耐震実施設計(5カ月間前後) | ||
平成22年度 | 34校の耐震2次診断を実施 Is値0.3未満の校舎は0棟 | |
夏休み | 耐震改修工事 |
となり、やはり、1年間工事を早められたと考えられます。
高槻市は…
診断の順番を変えた場合、「耐震化工事が早められたのでは」とのことですが、授業への影響を考慮し、騒音粉塵の発生する工事は夏休み中に実施する必要がございます。このことから、21年度分で「Is値0.3未満」の校舎が判明し耐震改修への取り組みを進めたとしても、実施設計等の準備期間が必要なことから、今年度の夏休みを利用して、工事を行うことは出来ず、結果として平成23年度の施工となります。
と答弁しましたが、上記の表のとおりで、市の答弁は嘘としか思えません。
高槻島本夜間休日応急診療所と三島救命救急センター、市役所本館、市民会館の耐震化についても質問しましたが、まったく具体的なことは決まっていないとのこと・・・こんなことでいいのでしょうか?
高槻市は、公共建築物の耐震化については、平成18年1月に策定した「公共建築物の耐震化基本計画」に基づいて進めていると、胸を張って言います。この基本計画は、耐震アクションプランや、平成21年度の包括外部監査報告書でも引用されていました。そこで、これを高槻市のホームページで探したのですが、ありません。いったいどんなものかと、担当課の職員の方からいただいて見たのですが・・・これが非常に杜撰な感じで、校舎を含む「優先度B」の建物については、耐震改修工事の開始時期が、平成28年度以降としか書いていません。
いつまでに完成させるかということだけではなく、いつまでに開始するのかすら書いていないので、「計画性がない計画やなあ」と驚いきました。耐震整備計画についても、23年度から27年度までの5年間もかけるとしている。なぜ5年間も必要なのでしょうか?もしかしたら、耐震化工事の開始や完了の時期を明言しなくて済むようにするために、言い訳のために、用意した計画なのかもしれないなとも思いました。
計画を策定した当時は、各建物の耐震性能などが分からなかったので、綿密な計画が立てられなかったのかもしれませんが、この計画をすべて公共建設物の耐震化計画の基本とするならば、もっと緻密な、工事の完成の時期も明記したものに作り直さなければ、行政として責任をもって耐震化を進めているとはいえないと感じました。
高槻市は本気で耐震化に取り組んでいるんでしょうか?非常に疑問です。
私は、最後に、
Is値0.3未満の校舎で学ぶ生徒・児童やその保護者は、どのような注意をすればいいのでしょうか?阪神大震災のような大規模な地震がくれば、子供達は何も出来ずに瓦礫の下敷きになるのではないかと思いますが、何かできるのでしょうか?お答えください。
と質問しました。それに対して市は、
児童・生徒への対応についてでございますが、文部科学省の「学校等の防災体制の充実についての報告」にも示されているとおり、一般的には、地震発生時には、机の下に身を隠すよう指導すると共に(ここで議場から多数の失笑が漏れる)、避難訓練に努めるよう、ということで、訓練に努めているところでございますが、Is値0.3未満の校舎につきましては、先ほど来お答えしているように、文部科学省からの要請を受け、本市の喫緊の課題と認識し、児童・生徒の安全確保を図るため、現在、耐震化の取り組みを進めているところでございますので、ご理解くださいますよう、よろしくお願いします。
と答弁。議員の方から多数の失笑が聞こえました。
本当に「喫緊の課題と認識」していたのならば、故意に遅らせるようなことはしなかったと思うのですが・・・
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以下は9月議会での質問原稿と答弁の内容です。
<質問・1回目>
1番目は、小中学校の校舎等の公共建設物の耐震化についてです。5点伺います。
(1)平成21年度と22年度に実施した小中学校の校舎の耐震2次診断について、診断した校舎の順を真逆にして診断した場合、作業日数にどれだけの違いがあるのでしょうか。お答えください。
(2)高槻市は、体育館の耐震化工事を、平成18年度から20年度にかけて行いましたが、その期間中に、校舎のほうの耐震2次診断を行うことができたのではないのでしょうか?お答え下さい。
(3)今後、耐震1次診断のIs値が0.3以上0.75未満の校舎についても2次診断を行うのでしょうか?行う場合、いつからいつまで行う予定なのでしょうか?お答えください。
(4)「公共建築物の耐震化基本計画」では、小中学校の校舎の耐震診断については平成22年度中に終えることになっています。しかし、今日現在において、すべての校舎について耐震2次診断が完了していませんので、計画より遅れていると考えられます。計画と実際の差異は具体的にどの程度発生しているのでしょうか?また、校舎を含む公共建築物の耐震化については、今後どうするのでしょうか?何か計画を立てているのでしょうか?いつまでに公共建築物の耐震化は完了するのでしょうか?お答え下さい。
(5)高槻島本夜間休日応急診療所と三島救命救急センター、市役所本館、市民会館については、Is値はどれだけで、いつまでにどのような耐震化工事あるいは建て替えを行う計画なのでしょうか?お答え下さい。
<答弁・1回目>
(1)
まず、校舎の2次診断についてですが、議員仰せの手法で診断した場合、どの程度の作業日数が掛かるかについては、そのような想定をいたておりませんでしたことから、作業日数をお示しすることはできませんので、ご了承ください。なお、今回実施した2次診断は契約期日を平成23年3月15日としておりましたが、8月に全て完了し、早期に診断が行えたものと考えております。
(2)
次に、校舎の2次診断の実施時期についてですが、本市では「公共建築物の耐震化基本計画」に基づき、公共建築物の耐震化に取り組んでおり、耐震化整備計画の作成にあたって、小中学校については、平成15年度から平成17年度に行った診断の結果を用いることとされています。この基本計画では、校舎は優先度をBランクに位置付けており、平成23年度以降に耐震化に取り組む予定としておりましたので、体育館の耐震化工事に併せて校舎の2次診断は行っておりません。校舎の2次診断については、平成20年11月19日に、文部科学省・一万棟耐震化プロジェクトチームが来高し、2次診断のIS値が0.3未満となる可能性のある1次診断のIS値0.3未満の施設について平成21年度までに2次診断を実施するよう要請され、これを受けて行ったものです。
(3)
次に、1次診断で、今後2次診断を実施しなければならない校舎等につきましては、診断棟数も多いことから平成23・24年度の2ヵ年でもって実施してまいりたいと考えております。
(4)
次に、校舎の耐震診断の実施時期と計画との相違についてですが、2点目でお答えしたとおりでございますので、計画と相違はございません。
また、公共建築物の耐震化を今後どのような計画で、いつまでに完了するのかというご質問でございますが、現在、優先度A施設の耐震化がほぼ順調に進捗しており、これらと平行して、学校校舎も含めた優先度Bさらには優先度C施設の耐震化を進めていく予定であり、今後につきましても公共建築物の耐震化基本計画に基づき、国庫補助金等の的確な把握と活用を図るとともに、市全体の財政状況を勘案しながら計画的、効果的に推進してまいりたいと考えております。
(5)
次に、高槻島本夜間休日応急診療所と三島救命救急センター、市役所本館、市民会館の耐震化についてのご質問でございますが、優先度Aの高槻島本夜間休日応急診療所、優先度Bの市役所本館につきましては、2次診断の結果、耐震基準を満たしていないことが判明しておりますが、市民会館につきましては、優先度Cであるため、現在のところ耐震診断を実施しておりません。
今後、市民会館の耐震化等への課題、また、高槻島本夜間休日応急診療所につきましては、合築されている財団設置の三島救命救急センターの狭隘化の問題や、365日、24時間体制で医療を確保しなければならない事情などを勘案した対応を検討していく必要があります。
次に、市役所本館につきましても、通常業務を継続しながらの工事実施の可否等、様々な問題を全庁的に検討していく必要があると考えておりますのでよろしくお願いいたします。
<質問・2回目>
(1)校舎の耐震診断の順を真逆にした場合の作業日数の違いについては「お示しすることができません」・・・ということですが、耐震診断は、1棟1棟行うわけですから、順番を逆にしても、作業日数はさほど変わらないはずです。高槻市教育委員会が、校舎の耐震2次診断を実施した結果、Is値0.3未満のものは、21年度は0だったのに、22年度は10棟見つかったわけですけれども、真逆の順に2次診断を行っていれば、この結果は、逆に、21年度が10棟で、22年度は0棟となっていたのではないかと思われます。そうすると、1年早く、倒壊崩壊のおそれの高い校舎が発見でき、耐震工事も1年間は早められたのではないのでしょうか。
文部科学省の「一万棟耐震化プロジェクトチーム」が高槻市に来て、1次診断のIs値が0.3未満の施設について、平成21年度までに2次診断を実施するよう要請したとのことです。そこまでして国も校舎の耐震化に力を入れているのであれば、なおさら、1次診断で数値の低かった校舎を優先して2次診断を行うべきだったのではないのでしょうか?なぜ1次診断で数値の低かった校舎の多くの診断を、2次診断では後回しにしたのでしょうか。
また、校舎の耐震化工事にあたっては、2次診断が必要であるということを、担当職員の方は認識されていましたので、子供達の命を守るために、一刻も早く、校舎の耐震化工事を行おうと考えていたのであれば、体育館の耐震化工事を行っていた平成18〜20年度の間に、校舎の2次診断を実施できたはずです。その期間を併せると、4年間は校舎の耐震化工事を早められたのではないでしょうか。お答え下さい。
(2)「公共建築物の耐震化基本計画」に基づいて、耐震化に取り組んでいるとのことですが、その基本計画を見ると、校舎の耐震化をいつまでに完了させるかが書かれていません。校舎の耐震改修工事については「平成28年度以降」という欄の中の、後ろの方に矢印があって、これを見る限りでは、いつ耐震化工事に取り掛かるのかも分からないし、いつまでに完了させるかも分からないんですよ。命を守るための耐震化基本計画なのに、こんな無責任な時期の示し方でよいのでしょうか。校舎の耐震化工事には、いつ取りかかり、いつまでに完成させるのか、お答え下さい。校舎の建て替えの予定があるのであれば、それについても併せてお答え下さい。
(3)耐震2次診断の結果を見ると、非常に数値の低い校舎があります。Is値0.3未満だと、大規模な地震が起きれば倒壊もしくは崩壊する危険性が高いとされていますが、五領小学校の北棟2という校舎は0.11ですし、第三中学校の北棟1は0.07しかありません。Is値が0.11とか0.07というのは、どれだけの震度に耐えられるのでしょうか?どれだけの震度の地震で倒壊崩壊するのでしょうか?お答え下さい。
(4)2次診断の結果、1次診断よりもIs値が低い校舎がありました。1次診断で0.75以上であっても、2次診断で0.75未満になる校舎が存在する可能性があると考えられますが、それについての対応は何か考えているのでしょうか?
(5)「公共建築物の耐震化基本計画」を見ると、小中学校の校舎を含む優先度Bの施設については、耐震化整備計画を、平成23年度から27年度の5年間もかけて策定するというふうになっています。耐震化整備計画には、5年間も必要なのでしょうか?そんなに必要とは考えられないのですが、なぜこのような5年間もの期間を定めているのか、その理由をお答え下さい。
(6)高槻島本夜間休日応急診療所と三島救命救急センター、市役所本館、市民会館については、具体的に耐震化工事や建て替えをどうするのか結論が出ていないようですが、いつまでに結論を出すのでしょうか?お答え下さい。
(7)包括外部監査でも指摘されていますが、高槻島本夜間休日応急診療所と三島救命救急センターについては、耐震化工事を行うのは、実際上は不可能なので、建て替えしか選択肢がないようですが、建て替える場合には、厚生労働省などから補助金をいただくことはできないのでしょうか?お答え下さい。
<答弁・2回目>
校舎の耐震化についてのお尋ねにお答えいたします。
(1−1)
まず、診断の順番を変えた場合、「耐震化工事が早められたのでは」とのことですが、授業への影響を考慮し、騒音粉塵の発生する工事は夏休み中に実施する必要がございます。このことから、21年度分で「Is値0.3未満」の校舎が判明し耐震改修への取り組みを進めたとしても、実施設計等の準備期間が必要なことから、今年度の夏休みを利用して、工事を行うことは出来ず、結果として平成23年度の施工となります。
(1−2)
次に、2か年で実施した2次診断については、1問目でもお答えしたように、文部科学省からの要請を受け、2次診断でIS値が0.3未満となる可能性のある1次診断のIS値0.3未満の施設について行ったもので、この2次診断結果を早期に得るよう、診断を進めてきたところでございます。
(1−3)
次に、「体育館の耐震化工事と同時に2次診断を実施できたのでは」とのことですが、本市では、「公共建築物の耐震化基本計画」に基づき、公共施設全般の耐震化に取り組んでおり、1問目でもお答えしたように、校舎の耐震化については、「耐震化基本計画」をもとに取り組みを進めてきたところでございます。
(2)
次に、校舎の耐震化工事についてですが、現在、第八中学校校舎の耐震改修工事を実施しており、今後、教育委員会としては、改修対象校舎が多くあることから、国庫補助制度を最大限に利用しながら、来年度以降10年程度で、耐震改修工事を行ってまいりたいと考えております。
なお、校舎の建替え予定については、6月議会でお答えした通り、現在、建替えの予定はございません。
(3)
次に、2次診断のIs値についてですが、一般的には、Is値が高くなるとともに被災度が小さくなる傾向が見て取れる、と言われています。
(4)
次に、1次診断でのIs値0.75以上の校舎の2次診断についてですが、本市では、1次診断のIs値が0.75以上1.0未満の建物についても、2次診断を行ってまいりたいと考えております。
(5)
公共建築物の耐震化基本計画における、小中学校の校舎を含む優先度B施設の耐震化整備計画の策定期間を5年間としていることについてのお尋ねですが、地盤の状況や、阪神淡路大震災で被害の大きかった地域、地震被害想定により被害が大きいと予想される地域、利用形態などを総合的に勘案し、改修目標レベル、改修工事方法、工事期間等、様々な項目について検討を重ね、耐震化整備計画を策定する必要があると考えたため、全体の施設及び棟数も考慮した中で、この期間を目標としているものでございます。
(6・7)【保健福祉部長】
高槻島本夜間休日応急診療所、及び三島救命救急センターの耐震化についてでございますが、ご案内のように、今日「初期救急」から「三次救急」まで、「救急医療」全般において、医師の確保など体制の確保が厳しい状況となっております。
そのような状況のなか、現在、大阪府が主催する「三島保健医療協議会」を中心に、三島地域の3市・1町の医療関係者によって、「救急医療」全般の望ましいあり方について、種々議論をされております。
高槻島本夜間休日応急診療所につきましては、市民の安心・安全の確保の観点から、救急医療の諸課題を総合的に検討する中で、お尋ねの耐震化や建て替えにつきましても、検討する課題であると考えております。
なお、三島救命救急センターにつきましては、設置主体が財団法人・大阪府三島救急医療センターであることから、市といたしましては、必要に応じて協議を進めてまいりますので宜しくお願いいたします。
(6)【総務部長】
市役所本館につきましては、全庁的な体制による検討部会を立ち上げ、耐震化の手法等について検討していく予定でございます。
(6)【市民参画部長】
市民会館につきましては、周辺の整備計画とあわせて課題の整理を行い検討してまいりますので、よろしくお願いいたします。
<質問・3回目>
(期間について)
これまでの耐震2次診断の経緯を遡ってみます。今年の8月17日に、最終的に10棟の校舎が耐震2次診断でIs値が0.3未満だと判明したという報告がありました。5月末日には、Is値が0.3未満は7棟ということでしたから、その最後の約2ヶ月半で、3棟が新たに耐震性の低い危険な校舎であると判明したわけです。同じく、3月5日には、4棟の校舎しか、Is値0.3未満とは報告されていませんでしたから、それまでの3か月間に3棟が判明したわけです。3月5日に報告のあった4棟についても、22年度分の速報値ということでしたから、22年度の直前の短い期間に判明したものと思われます。
ですので、耐震2次診断の順を真逆にして、平成21年の4月から診断を開始したとすると、2ヵ月半後の6月中旬には3棟、その3か月後の9月中旬にはさらに3棟、そしてその後ほどなくして4棟が、Is値0.3未満であると判明していたということになります。耐震実施設計に1年もかかるとは思えませんから、平成22年、つまり今年の8月には、少なくともいくつかの校舎について、耐震工事が行えたものと考えられます。
平成20年11月19日に、文部科学省の一万棟耐震化プロジェクトチームが高槻に来て、2次診断の実施を要請したということですから、その後速やかに2次診断に取りかかっていれば、もっと早く耐震化工事ができたでしょうし、平成18年度からの体育館の耐震改修工事の期間に校舎の2次診断をやっていれば、さらにもっと早く耐震化を進められたはずです。
Is値が0.3未満だと、大規模な地震で倒壊もしくは崩壊する危険性が高いとされています。1次診断でIs値が0.3未満だった校舎について、2次診断を行うといことは、一刻も早く危険な校舎を見つけて、耐震化工事を行うと、そういう趣旨のはずです。どの校舎が危険なのか、どの校舎から耐震化工事をすべきかを調べるための2次診断なのに、数値の低い校舎の多くを後回しにするというのは趣旨に反した矛盾した行為です。子供達の命を軽視するにもほどがあります。
お金がないというなら仕方ないと思いますが、耐震化のための基金として現在約44億円もあります。10棟くらいの校舎なら十分耐震化工事ができるだけのお金はあるわけです。一刻も早く耐震化工事を行ってください。強く要求します。
(計画性のない計画)
また、ご答弁では「公共建築物の耐震化基本計画」に基づいて取り組んでいるとのことですが、この基本計画は、耐震アクションプランや、平成21年度の包括外部監査報告書でも引用されているので、高槻市のホームページで探したんですが、ありませんでした。そこで、担当課の職員の方からいただいたんですが、2回目の質問でも述べたとおり、校舎を含む優先度Bの建物については、耐震改修工事の開始時期が、平成28年度以降としか書いていないんです。
いつまでに完成させるかということだけではなく、いつまでに開始するのかすら書いていないので、「計画性がない計画やなあ」と驚きました。基本計画というわりには、非常に大雑把な感じで、綿密さが感じられない。整備計画についても5年もかけるとしている。もしかしたら、耐震化工事の開始や見料の時期を明言しなくて済むようにするために、言い訳のために用意した計画なのかもしれないなとも思いました。
計画を策定した当時は、各建物の耐震性能などが分からなかったので、綿密な計画が立てられなかったのかもしれませんが、この基本計画自体そのものの作成をやり直して、もっと緻密な、工事の完成の時期も明記したものにするべきだと考えますので、その点を要望します。
時間があるようなので、5点質問します。
(1)2次診断でIs値0.3未満の校舎12棟のIs値は、何月何日に判明したのでしょうか?それぞれお答えください。
(2)8中の耐震実施計画にかかった日数は正味何日なのでしょうか?
(3)「文部科学省からの要請」というのは、「いつまでに耐震化工事をやればよい」というような猶予を認めているのでしょうか?
(4)「Is値が高くなるとともに被災度が小さくなる傾向が見て取れる、といわれている」とのことですが、それは、Is値が低ければ被災度が高いということです。Is値0.07はどの程度の震度で倒壊・崩壊するのでしょうか?しっかりとお答えください。
(5)Is値0.3未満の校舎で学ぶ生徒・児童やその保護者は、どのような注意をすればいいのでしょうか?阪神大震災のような大規模な地震がくれば、子供達は何も出来ずに瓦礫の下敷きになるのではないかと思いますが、何かできるのでしょうか?お答えください。
<答弁要旨・3回目>
(1)2次診断でIs値が0.3未満であると判明した日は・・・
1月21日 第三中学校・北棟1(西) 第三中学校・南棟1(西)
2月25日 如是小学校・北棟1 真上小学校・北棟
3月25日 第四中学校・中棟 第六中学校・南棟1(西)
4月30日 川西小学校・南棟2(中)
5月27日 川西小学校・南棟1(東)
6月24日 五領小学校・北棟2(東)
7月29日 第四中学校・南棟
川西小学校の木造校舎2棟については、平成21年11月25日に精密診断の結果が出て、耐震化工事の必要ありとなったとのこと。
(2)8中の耐震実施設計の期間については5カ月だった。
(3)文部科学省からは、できるだけ早くとの要請があった。
(4)具体的な資料を持ち合わせておりませんので、お答えできません。
(5)次に、児童・生徒への対応についてでございますが、文部科学省の「学校等の防災体制の充実についての報告」にも示されているとおり、一般的には、地震発生時には、机の下に身を隠すよう指導すると共に(ここで議場から多数の失笑が漏れる)、避難訓練に努めるよう、ということで、訓練に努めているところでございますが、Is値0.3未満の校舎につきましては、先ほど来お答えしているように、文部科学省からの要請を受け、本市の喫緊の課題と認識し、児童・生徒の安全確保を図るため、現在、耐震化の取り組みを進めているところでございますので、ご理解くださいますよう、よろしくお願いします。
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