2010年11月18日

【行政委員月額報酬訴訟】国報酬限度額を超えるが合理性あると一審敗訴

本日13時15分、行政委員月額報酬訴訟の判決言渡しがありました。敗訴でした。

裁判所の判断は、下の判決文の「当裁判所の判断」のとおり。高槻市の行政委員の報酬は、日額に換算すると、国の報酬の限度額(日額3万5200円)より相当程度高いが(選挙管理委員を除く)、職務内容等に照らすと、月額制にも合理性があるといったもの。

行政委員の月額報酬に関しては、判例も割れており、裁判所の判断も様々・・・

【神戸新聞】二審も月額制認める 兵庫の行政委員報酬訴訟
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0003584103.shtml

 兵庫県が教育、公安、選挙管理委員会などの行政委員に毎月定額で報酬を支払うことの適否が争われた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は4日、「勤務日数だけで仕事は評価できず、月額制が適切な場合もある」として違法性を認めなかった一審神戸地裁判決を支持、原告側の控訴を棄却した。

(中略)

 大津地裁は昨年1月、「勤務実態を前提とすれば、地方自治法の趣旨に反する」として月額制は違法と判断。ことし4月の二審判決も支持した。


上記の記事のとおり、

大津地裁「滋賀県の行政委員の月額報酬は違法」→大阪高裁「違法
神戸地裁「兵庫県の行政委員の月額報酬は適法」→大阪高裁「適法

というふうに大阪高裁でも判断が分かれています(ただし、大津地裁判決と、その大阪高裁判決とは、判断基準が違っています)。最高裁はどう判断するのか・・・

一方で、自治体のほうでは、大津地裁判決以後、月額制から日額制に改める動きが広がっています。しかし、残念ながら、高槻市では見直しの動きはありません。

裁判所に違法と判断されないまでも、世間的に見て、報酬が高いのは明らか(時給に直すととんでもない額になります)。高槻市も、他の自治体のように、自らこれを改めるべきです。

控訴については、弁護士さんの意見も聞き、検討します。


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-以下は、裁判で最後に出した書面の一部です。

平成21年(行ウ)第88号 公金支出差止等(住民訴訟)請求事件
原告  北岡隆浩
被告  高槻市長


準備書面4

平成22年9月16日
大阪地方裁判所 第7民事部合議3B係 御中
原告  北岡隆浩

 御庁係属に係る頭書事件につき、原告は、以下のとおり弁論の準備をする。
 本準備書面の略語は、本準備書面によるもののほかは従前の例による。


第1 大阪高裁判決及び神戸地裁判決について

1 杜撰かつ不当な神戸地裁判決

被告は、第4準備書面において、本件大阪高裁判決(乙58)及び本件神戸地裁判決(乙59)について言及している。本件大阪高裁判決の原審判決は、甲2の判決(以下「本件大津地裁判決」という。)である。上記各判決で示された判断は、3者3様であり、それぞれ異なっている。
そのうち、本件神戸地裁判決については、地方自治法203条の2第2項の立法趣旨・立法経緯にまったく触れておらず、杜撰な審理がされた不当な判決といわざるをえないので、排すべきである。

2 大阪高裁判決の「特別な事情」の判断基準からしても本件は違法

地方自治法203条の2第2項の趣旨については、本件大津地裁判決で判示されているとおりであり(甲2の28頁15行目乃至32頁6行目)、これを、同条ただし書を文字通りに解釈して、条例で定めさえすれば、非常勤職員の報酬を勤務日数によらないで月額で支給できると解したのであれば、同条の本文はまったく意味をもたず、同条の前後の条項(議員報酬を定めた同法203条、並びに常勤職員の給料及び手当について定めた204条)の趣旨とも整合性がとれなくなってしまう(法が、議員及び常勤同様の職員以外の者に、特別に月額報酬を支給できるような裁量を、地方自治体に与えているとは考えられない)。

大阪高裁判決は、この点、法203条の2第2項について、「同条1項所定の非常勤職員に対する報酬はその勤務日数(勤務量)に応じて支給するとの同条2項本文の原則は堅持しつつ」、「本件ただし書を適用して条例で特別な定めをするかどうかは、地方公共団体の議会が、本件ただし書の趣旨目的を踏まえて、対象となる非常勤職員の職務内容及び勤務態様等の具体的事情を考慮し、月額報酬等をとるのを相当とするような特別な事情があるかどうかを判断して、裁量によりこれを決するものということになる」とし、その「特別な事情」として、少なくとも下記のような場合が該当すると考えられるとする(乙58の29頁10行目乃至30頁14行目)。



@当該非常勤職員の役所における勤務量が常勤の職員に比肩しあるいは準ずる場合。
A役所における勤務量が必ずしも多くはない場合でも、役所外の職務執行や、役所内外での勤務に備えての待機等が多いなどの事実上の拘束があって、月額で報酬を支払うのが相当と考えられる場合。
B勤務量を認識することが困難で、日額報酬制をとるのが不相応と判断され、月額報酬制をとらざるを得ない場合。
Cその他勤務や地方の実情に照らし、この原則によらずに月額報酬制を必要とする場合(職責が極めて重大で、生活に大きな制約が生じる場合等)

本件大阪高裁の上記基準を当てはめたとしても、本件は違法である。その理由は後述する。

なお、被告はこの点、「このような事情があるか否かの判断権者はあくまで議会であり・・・裁判所の判断は、あくまで当該議会の判断が裁量権の逸脱濫用にあたるかに限定されるとの姿勢は堅持されている」(被告第4準備書面6頁下から4行目乃至7頁1行目)と主張するが、裁判所に判断基準がなければ、議会の裁量の逸脱濫用を判断できないのであるから、上記大阪高裁の判断基準は、議会裁量に逸脱濫用があったか否かを判断する裁判所の尺度であることは明らかである(さらに大阪高裁は、この基準の外、社会情勢の変化や(甲9乃至14のとおり、多くの自治体が、行政委員の月額報酬を見直し、日額報酬に改めつつあるが)、相当期間内に違法な月額報酬が是正されているか否かによっても(高槻市はまったく是正しようとしないが)、違法性を「決すべき」としているし(甲58の30頁9乃至19行目)、「本件ただし書により特別の定めを設けるか否が議会の裁量に属することはそのとおりと考えるが・・・裁量の幅を極めて広く解した場合には、本文・ただし書の約束事項を逸脱し本文の原則を事実上没却する結果になりかねない」とあらためて述べている(乙58の31頁3乃至8行目)。)。

3 大阪高裁判決が判示するその他の判断基準

大阪高裁は、行政委員の研さんについて「そもそも、我が国社会におけるすべての仕事において自己研さんは必要であり、多くの人が日々そのような自己研さんに励んでいるものといえるが、社会通念上に照らし、そのようなものすべてを報酬算定の基礎にすべきであるとはいえない。」「行政委員会の委員としての研さんは必要ではあるが、その研さんも過去に蓄積した学識、教養があってこそ有効に行い得るものであり、通常は、勤務1回を1日として報酬を算定することで評価し得るものと解される。」とする。

また、「行政委員会の委員の職務内容は法廷されており、その内容、職責の重大さ等を前提とした上で、法は、各種行政委員会の委員のうち、常勤とすることができる者を定める一方で、多くの委員を非常勤としている。これは前記のような行政委員会の委員に任命される者の資質に着目し、これを生かして行政権を担うことが期待されるものの、その勤務の多くは非常勤で行うことが可能であり、原則としてそれで足りるとする考えによるものと解される。非常勤の行政委員会の委員につき、勤務の質及び量に相応する報酬を支給する必要はあるものの、その職責の重大さを強調して、勤務量等の実情を度外視して月額報酬制を法が許容しているものとは解されない。」としている。


第2 1日あたりの報酬額について

1 国の委員の場合

本件大阪高裁判決「第3 当裁判所の判断」(11頁)で引用されている大津地裁判決の「事実及び理由」中の「第4 当裁判所の判断」の1では、下記のとおり説示されている。



イ 国家公務員法2条に規定する一般職に属する職員の給与に関する事項については,一般職の職員の給与に関する法律(昭和25年法律第95号。以下「給与法」という。)が定められている。給与法は,いかなる給与も,法律又は人事院規則に基づかずに職員に対して支払い,又は支給してはならないとし(3条2項),公務について生じた実費の弁償は,給与には含まれないとし(同条3項),6条1項及び別表において俸給表の種類及び各俸給表を定め,6条1項の俸給表は,22条及び附則3項に規定する職員以外のすべての職員に適用するものとしている(6条2項)。そして,同法22条は,非常勤の職員の給与について,委員,顧問若しくは参与の職にある者又は人事院の指定するこれらに準ずる職にある者で,常勤を要しない職員(再任用短時間勤務職員を除く。以下同じ。)については,勤務1日につき,3万5300円(その額により難い特別の事情があるものとして人事院規則で定める場合にあっては,10万円)を超えない範囲内において,各庁の長が人事院の承認を得て手当を支給することができるものとし(1項),同項に定める職員以外の常勤を要しない職員については,各庁の長は,常勤の職員の給与との権衡を考慮し,予算の範囲内で,給与を支給するものとし(2項),1項及び2項の常勤を要しない職員には,他の法律に別段の定めがない限り,これらの項に定める給与を除く外,他のいかなる給与も支給しない旨規定している(3項)。
上記のとおり、国家公務員の非常勤の委員の日額の最高額は、原則として3万5300円である。

また,その報酬の性質は、大津地裁判決と同様に、「いわばその学識,経験等を拝借するという委員等の職務及び勤務の特殊性に照らすと・・・給与というよりは本質的にはむしろ謝金に近い性格のものと考えるのが適当であり・・・その勤務時間を基礎に金額を評価するのではなく,委員会等への出席1回(すなわち勤務1日)につきいくらという形での手当で処遇していくことが最も適当である」と判示されている(乙58の14頁12乃至17行目)。

2 国と地方との格差ならびに高槻市の報酬基準額

本件大阪高裁判決は、前項の最高日額3万5300円を基準に、滋賀県の行政委員会の委員の月額報酬の多寡を論じているが、最高日額については、各地方自治体の実情・事務の煩雑さ・高度な専門知識の必要性等を考慮すべきである。

例えば、行政規模の小さな村の行政委員に、国の上記の基準を当てはめて報酬を算定することは、議会の裁量の範囲だとしても、社会通念上、適切公平ではない。

そもそも、委員等の報酬を決定する裁量権を有する議会の議員自身が、自らの議員報酬について、国や他の地方自治体との間の格差を認めているのである。

例えば、国会議員の報酬の月額は129万7000円(国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律)であるのに対して、高槻市議会の議員の月額報酬は、66万円である(甲15)。

以下の表は、国と高槻市、そして、参考として、高槻市の隣にある大阪府三島郡島本町の、議長、副議長、議員それぞれの報酬月額を列挙したものである(甲16)。

役職  国  高槻市(人口約36万人) 島本町(人口約3万人)
議長 217万5000円 75万0000円 39万5000円
副議長 158万8000円 71万0000円 35万0000円
議員 129万7000円 66万0000円 33万0000円

国の各役職の報酬を1とすると、高槻市議会議員の報酬は、議長が0.345、副議長が0.447、議員が0.509となる。

一番格差の低い(つまり比率の高い)議員の0.508の比率を、国の委員の最高日額3万5300円に当てはめると、1万7932円となる。これが高槻市議会の裁量の範囲の限度の額といえる。仮に、高槻市の本件委員らの報酬について、適切な基準が必要なのであれば、この1万7932円を基準とし、判断すべきである。

3 高槻市の本件委員らの比率

被告は第4準備書面14頁において、上記国最高限度額と、本件委員らの1日当たりの金額の比較を行っている。しかし、高槻市の本件委員らと、国の委員を比較することは、適切公平ではなく、仮に用いるとすれば、前項で原告が算定した1万7932円を最高日額として採用すべきである。

そこで、被告算定による本件委員らの1日当たりの報酬金額と、1万7932円を用いて、下記のとおり、比率を算出した。



教育委員長・・・・・・・・・2.11(金3万7791円)
教育委員・・・・・・・・・・3.40(金6万0923円)
選挙管理委員長・・・・・・・1.27(金2万2839円)
選挙管理委員・・・・・・・・1.36(金2万4321円)
公平委員長・・・・・・・・・1.72(金3万0857円)
公平委員・・・・・・・・・・2.36(金4万2353円)
農業委員会会長・・・・・・・3.05(金5万4750円)
農業委員会副会長・・・・・・2.47(金4万4250円)
農業委員会常任委員・・・・・2.58(金4万6345円)
農業委員・・・・・・・・・・2.57(金4万6012円)

被告主張のとおり、本件大阪高裁判決は、選挙管理委員会の委員長については、実労働日数1日当たりの報酬が国の報酬限度額の1.36倍(4万8085円)程度にとどまることのみをもって、他の事情を適示することなく、「違法であると直ちに認定することはできない」としている(もしかすると、地方自治法203条の2第2項の改正時に「月額報酬制をとるのが妥当だと思われる選挙管理委員会や人事委員会など一部の委員会について実際に月額報酬制をとることができるようにしたい」という事情があったために(乙58の25頁13乃至15行目)、この立法経緯を尊重したという側面があるのかもしれない)。

上記のとおり、1.36倍までが適法としても、選挙管理委員長及び選挙管理委員以外の本件委員らについては、違法と評価できる。また、大阪高裁に違法と認定されたうちで最低の比率であった労働委員会会長の2.22倍と比較しても、教育委員、公平委員、農業委員会会長、農業委員会会長、農業委員会常任委員及び農業委員は、違法となる。

しかし、そもそも、なぜ国の限度額を超える場合でも、適法と判断されるのか、大阪高裁は適示していない。国の限度額を超える場合は、当然に違法と評価されるべきである。

また、前項で述べたとおり、高槻市においては、限度額を1万7932円とすべきなのであるから、これを超える場合は違法である。上記比率のとおり、全ての本件委員らの1日当たりの報酬相当額は、被告の算定においても、1万7932円をこえるのであるから、全部の本件委員らの報酬について、違法といわざるをえない。


第3 本件委員らの勤務の実情について

(後略)
posted by 北岡隆浩 at 23:21| 大阪 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 高槻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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