まず「出生・死亡の推移」ですが、

16年度版では、出生数は年々減少し、逆に死亡数は増加して、将来的には逆転すると予測していたのですが、
↓

17年度版では、出生数も死亡数もほとんど変わらないとしています。
どうして1年でこんなあからさまに予測値を変えたのでしょうか?
また「転入・転出の推移」も、

16年度版では、転出者数は転入者数より減少率が大きく、平成21年度ごろには逆転すると予測していたのですが、
↓

17年度版では、転出者数は将来的にも転入者数よりも若干上回るとしています。
つまり、16年度版では、出生数が死亡数を下回るが、転入者が転出者を上回るので、高槻市全体の人口で見れば、人口減少がそれほど激しくは進行しないと予測していたということです。

ところが17年度版では、転出者数は将来的にも転入者を上回っているが、出生数が死亡数を下回ることはないので、高槻市の人口はほとんど増減しないとしたのです。

これはどう考えても、辻褄を合わせるために数字を操作しているとしか思えないのですが・・・これまで本当に真剣に人口を予測してきたのでしょうか?

実は仕事で人口推計を検討したことがあるので、
参考までに。
仰る通り、人口の推計は自然動態(人の出生、死亡)と
社会動態(転入・転出)の差で推計します。
なので、人口推計は自然体で行なえば、
自然動態・社会動態が共にマイナスならば、絶対に人口増にはなりません。
で、ここからは私の体験談なのですが・・・
(役所の論理では)
市町村の将来推計は、あくまでも目標値であるため、
人口減の現実論は、「あまりよろしくない」そうです。
人口減を食い止めるために、企業誘致や定住促進策などを推進した結果、
将来、どの程度の人口になるのかを推計(というより水増しですね)してくれ、
と依頼された記憶があります。
つまり、自然・社会動態以外のパラメーターを組み入れる訳ですね。
このパラメーターは、ご想像の通り、説明が付かない代物ですので、
えいや、です。
(例えば、定住促進により、流出数が現在の半分になった、とか、
子育て支援策で出生率が10年前ほどの値に改善した、とか、根拠のない希望値をぶち込む訳です)
上述の通り、あくまで「ある程度の結論ありき」で話が進むので、
予測、という意味は成していないと思います。
恐らく、高槻市もそのような背景があったのではないか?と推測します。
努力目標、という位置づけをとるならば
それもある意味アリなのかもしれませんが、
将来予測、というのならば、いかがなものか・・・と思いますね。
一番恐ろしいのは、この将来予測(人口増)に基づいて、
税収や起債額が決定されることです。
年金問題なんかは、まさにコレですよね。
将来の財政破綻に直結する問題ですので、
特に予算制を採用している地方自治体ならばこそ、
ある程度シビアな結果でも、安全側(人口減側)で財政設計を行なうべきだと思います。
余裕ができれば、それはラッキー、で片づければいい話だと思いますので。
以上、長々と失礼しました。