2011年07月21日

関大アイスアリーナに毎年最高350万円の補助!これが高槻ブランド戦略?

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6月議会で可決された補正予算の中に、次のものがありました。

高槻ブランド戦略検討事業

<平成23年度6月補正分> 予算額3,500千円
関西大学アイスアリーナ運営補助金

 関西大学アイスアリーナは、平成22年度に実施した高槻ブランド意識調査(全国WEB調査)において市内施設の中で全国的な認知度が一番高いなど、本市の貴重な地域資源である。このため、これまでの市民開放の実績を踏まえ、運営に対する補助を行うことにより、更なる市民利用を促進し、ひいては高槻の都市イメージの向上を図るものである。(5年間のサンセット)
 補助金の額については、年間維持管理経費のうち市民開放の実施に係る額の二分の一を基準として予算の範囲内とし、加えて、地域貢献の実績も勘案して行う予定である。


5年前の建設時にも、高槻市は、2500万円の補助金を出しましたが、今回は、「高槻ブランド戦略」の一環として、毎年最高350万円の補助金を出すというのです。

「高槻ブランド意識調査(全国WEB調査)」は、どんな調査で、結果はどうだったかというと・・・

高槻ブランド意識調査(全国WEB調査)

・・・といったものでした。高槻市以外の方の認知度が高いのは、関西大学アイスアリーナ(18.5%)、高槻まつり(12.3%)、高槻ジャズストリート(8.5%)、こいのぼりフェスタ1000(5.8%)・・・と続きます。

2番目に知られているのが高槻まつりで12.3%・・・そりゃまあ、高槻市民以外の方が「高槻まつり」を知ってるか、というと、私達高槻市民だって、祇園祭やねぶた祭等全国的に有名な祭はともかく、他市の祭のことはほとんど知らないはずですから、認知度が低いだろうことは容易に想像がつきます。

関大アイスアリーナの認知度が高いのは、ひとえに、高橋大輔選手と織田信成選手の活躍によるものではないのでしょうか?それ以外の要因は小さいのではないかと考えられます。

ですので、この調査の結果を安易に用いるというのはいかがなものかと思います。

そもそも高槻ブランド戦略とは何なのか、ということですが、高槻の知名度を高めつつ、高槻に良いイメージをもってもらい、定住人口と交流人口を増加させることを目的とする、といったもののようです。

では、関西大学アイスアリーナへの補助は、この目的とどうつながっていくのか?それを、6月議会の総務消防委員会で尋ねたところ・・・

定住人口や交流人口の増加に寄与することを目的として高槻ブランドの取組を行なっておりますが、この目的を達成する為に、先ずは本市の認知度を高めることが必要であると考えております。このアイスアリーナへの助成で、さらに多くの市民の利用を促進するとともに、魅力ある地域資源として全国に発信することが一層期待できると考えており、結果的に交流人口の増加等につながるものと考えております。


ブランド戦略に関する部分でいえば、「市の認知度を高めることが必要で」、「魅力ある地域資源として全国に発信することが一層期待できる」というのが市の見解です。

しかし、果たしてそうなるでしょうか?

浅田真央選手や安藤美姫選手を輩出した中京大学にも、中京大学アイスアリーナ「オーロラリンク」という素晴らしいスケートリンクのがあるのですが、皆さん、何市にあるか、ご存知でしょうか?

というか、各大学が何市にあるか、ご存知でしょうか?例えば、箱根駅伝に出場していた亜細亜大学や平成国際大学、上武大学は、何市にあるか、ご存知でしょうか?

大学に限らず、有名なものが何市にあるか、皆さん意識しているでしょうか?例えば、世界遺産に登録された「石見銀山」は、何市にあるか、皆さんご存知でしょうか?

世界遺産でさえ、どこにあるか知られていない。大学が何市にあるのか、ほとんど誰も意識しない。ということは、関西大学アイスアリーナのことは知っていても、それが高槻市にあるとまで知っている人は少ないのではないでしょうか?

関西大学が有名だから、織田信成君や高橋大輔選手が有名だから、関西大学アイスアリーナがよく知られるようになっただけで、それを多少市民が利用できるようにしても、高槻市の知名度アップには、ほとんど関係がないと考えられます。

ですので、高槻市の認知度を上げるという目的を、アイスアリーナに補助金を出すことによって、達成できるとは考えにくい。

「関西大学アイスアリーナが、何市にあるか知っていますか?」というふうに尋ねるような調査を、高槻市はしなかったそうですが、大方の人が「関西大学アイスアリーナは高槻にある」と認識していない限り、上記の調査の結果に基づいて、関大アイスアリーナに補助金を出すというのは、戦略を誤っているといえます。

そもそも、高槻市には、高槻ブランド戦略の補助金の交付について、明文化された基準は何もないのです。これも総務消防委員会で確認しました。補助金の基準がないということは、イコール、戦略がないということではないのでしょうか?

イメージ調査についてですが、調査するなら、まずは、高槻市に対して、国民がどのようなイメージを抱いているのかを、まず調べて現状を把握しないといけないのではないのでしょうか?高槻といえば何が思い浮かぶのか、どんなイメージなのか、高槻の良いところ・悪いところはどこか。そういう調査をして、良い点を伸ばし、何らかの悪いイメージをもたれているならば、それを払拭する努力が必要ではないかと思います。

国民が高槻市に対して抱く悪印象・・・それは、教育等のことではないかと思いますが・・・

そもそも、イメージより、中身が大事で、中身が良ければ、おのずと認知度も好感度も上がってくるはずです。そのためには、やはり、住んでみたい・訪れてみたい街に、コツコツと創造・改革していくよりほかはありません。

まずは、高槻市役所自身から変えればいいじゃないかと思うんですけどね。

訳の分からない、無意味なブランド戦略よりも、そうした努力をすべきでしょう。



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posted by 北岡隆浩 at 23:24| 大阪 ☁| Comment(4) | TrackBack(0) | 高槻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
そのまちのブランドというなら、まず立派な行政、高槻市役所自体が他市の模範となるようなブランドになることじゃ。

Posted by そのとおりじゃ at 2011年07月24日 22:45
関西大学アイスアリーナを前面に出しても定住人口が増えるとは思えません。悪いと思うのは教育。差別に敏感で配慮ばかり。町を歩けば違和感を覚えることばかり。
Posted by 関東からの移住者 at 2011年07月27日 22:33
高槻市の知名度は悪い例として「幽霊運転手」を雇っている高槻市バス。悪いイメージしか出てこない。
あとは「ガンバ大阪のサッカー場」を誘致するという現実味のない選挙公約を掲げた市長がいたことかな?
Posted by 高槻市の知名度? at 2011年07月27日 23:24
ブランドの意味するものとはなんぞや。

有名スポーツ選手がそこで練習しているからといって、高槻市のブランドと思う人はいない。

ブランドづくりは高槻市政のブランド化が一番。周りから一番尊敬される存在になること。

他に高槻市の値打ちある歴史を企画力でうまくまとめ発信すること。

また高槻市民による、ブランドと呼ばれるにふさわしいあらたな創造物、または新たな知的創造物など、の創出。

他市がうらやみ、参考にしたくなるような具体的企画力、発送力がいる。

金ばかり投入したからといって成功するものではない。

他市の先駆的模範とかるような市政への具体的提案をこの場をお借りして1つ提案申しあげる。
高槻市は市が関与し完成させた建物、その他もろもろの事業、たとえば1億円以上の事業など「かけた費用の額」の永久表示看板を設置することだ。

これいいだろう?

たとえは、今城塚古墳工事に完成までにいくらかけたのか表示看板を立てる。
歴史館建設の費用もいくらかけたのか表示看板を立てる。
あわせて100億円も投入した事業とは来訪者はとても思わんだろう。

駅前ユアサ跡地にいくら費用をかけたのか表示看板を立てる。
補助金をだしているところには毎年いくら補助金を出しているかも表示看板を立てる。
たとえば高槻市バスにも毎年いくら補助金を出しているか各バスに表示看板取り付ける。

こんな表示看板がいたるところにあるまち。素晴らしい先駆的なまちと思わないか?

市民も市政により関心を持つし、市政の方向性への良し悪しも判断がつきやすい。

それは怪しげな不必要な事業への抑止にもなる。

市政に自信があれば現市長もすぐに提案し具体化すれば良いいい案だろう?

ほとんど金かけずとも市民への信頼感も増すし、高槻市政をアピールするブランドの一つになるはずだ。

私が市長なら直ぐに実践し市民の反応、是非を確かめるがな。
市もブランド作戦には金使う前にもっと頭使え。

頭はいくら使ってもただや。





Posted by ブランドの意味するものはなんぞや at 2011年07月28日 16:16
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