2011年10月31日

東日本大震災のがれき受入れについて高槻市は「対応を慎重に検討中」と回答

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環境省は、全国の各自治体に対して、東日本大震災によって生じたがれき(災害廃棄物)の処分をしてもらえるのかどうか調査を実施しました。

震災直後の4月に行った調査では、多数の自治体が受け入れる旨の回答をしたのですが、放射性物質による汚染が言われ出してから、慎重な姿勢に転ずる自治体が大半を占めるようになったようです。報道を見ると、現在がれきを受け入れているのは東京都だけです。

市民の方から、高槻市は環境庁に対してどんな回答をしたのか等の声がありましたので、情報公開請求したところ、本日公開されました。

まず、環境省から大阪府を通じて高槻市に来た「東日本大震災により生じた災害廃棄物の受入れ状況調査要領」は、次の画像のものでした。

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「@検討状況」の選択肢が3つありますが、いずれも受入れが前提で、拒否の選択肢は用意されていません。

これについては、10月22日付の朝日新聞宮崎版でも、

 そもそも、調査の回答欄に「受け入れ不可」という選択肢はなく、(1)既に受け入れ(2)職員派遣などの具体的な検討をしている(3)受け入れに向けた検討をしている――の三つだったことも市町村などを戸惑わせた。


と批判されています。

これに対して高槻市は、検討状況を「C」の「・・・受入れに向けた検討を行っている」としながらも、「A検討内容等」で、「議会等から、災害廃棄物の放射能汚染を危惧する意見があり対応を慎重に検討中」としています。

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10月28日付の産経新聞によると、

★【産経新聞】「説明足りない」怒る自治体 がれき処理、環境庁が受け入れ調査 回答期限を延期 

 東日本大震災で発生したがれきの広域処理が可能か尋ねるため、環境省が全国の自治体に配布した調査書に対し、説明不足のため自治体が反発している。自治体からあまりに問い合わせが多いため、同省は回答期限を延期せざる得なくなったほか、急遽(きゅうきょ)、がれき処理のためのQ&Aを作成するなど対応に追われている。

 「環境省は無責任で、無能ぶりにあきれる。あまりに地方任せ。処理方針が明確でない。県として意見をまとめてぶつけなくてはいけない」。愛知県の大村秀章知事は17日の定例会見で怒りを爆発させた。

 震災のがれきは宮城、岩手、福島の3県で計約2300万トン発生したと推計されている。同省は震災直後の4月、被災地以外の自治体に受け入れ可能か照会したところ、572市町村から可能とする回答を得ていたが、放射能汚染の不安が高まると、前言を翻す自治体が続出。このため、同省は今月7日、改めて受け入れ意思を聴く調査書を配布した。

 調査書には、(1)受け入れを検討しているか(2)その進捗(しんちょく)状況(3)受け入れ可能な廃棄物の種類(4)1日の処理可能量(5)年間最大受け入れ可能量−などを記入する。

 ところが、「放射能汚染濃度を具体的な数字で示してほしい」「放射能に汚染された焼却灰を安全に処分できるという根拠は何か」など、自治体から問い合わせが相次いだ。(後略)


被災地の復興支援のために、瓦礫の処分は各自治体で分担してやらなければならないと思いますが、放射性物質の影響について、国からちゃんとした説明がなければ、受け入れを認めることはできないといわざるをえません。


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posted by 北岡隆浩 at 23:48| 大阪 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 高槻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
現地の状況にも心痛むが、放射能汚染の実態が明確に示され安全性が確保できないかぎり、安易に放射能汚染を全国にまき散らすことは国を滅ぼすことにもつながりかねない。

もし全国的に汚染が広がり、米、野菜、家畜などに広がり、どうしようもなくなったときに、「想定外でした。」などと頭を下げられても、そんなことでは到底すまされない。

国が滅ぶからだ!

放射能汚染との戦いは、戦争と同じだ。汚染物質を敵兵にみたててみればよくわかる。

先日も汚染水が大量に流出した。戦争で言えば防衛ラインを突破されたのと同じだ。

また国、東電が悪い情報を積極的に国民に知らせようとしない構図は、戦争中の大本営発表と同じだ。

人に銃口を向けている可能性のある敵兵を全国向け輸送することはこれほど危険なことはない。
放射能汚染には、用心に用心を重ねるぐらいが、丁度良い。

今回の原発放射能汚染は全国的な視野がいることはわかっている。

しかしそれはイコール、痛みを共に分かち合うというような感情論で全国に汚染物質を拡散させることではない。

まず汚染されていない地域の、安全確保を徹底すべきだ。

汚染地域では、いかに汚染を封じ込めていくか。

膨大な処理が必要なら、汚染地域の一部に、広大な処理施設と広大な汚染物質の保管所を建設すべきと考える。

膨大だからといって全国に拡散させるのは、危険すぎる。

一国の存亡を賭けるべきではない。

長期の援助も汚染地域以外が健全に機能していてこそ成り立つのである。

決して、自分だけがよければいい、被災地に手を差し伸べないというような発想からの慎重論ではないのだ。

現時点での汚染可能性のあるがれきの拡散は要注意だ。

北岡議員のおっしゃるとおりだと私も思う。

Posted by 放射能は見えない敵 at 2011年12月11日 00:15
今日は2012年4月14日だ。がれき処理に政府民主党は全国にがれき処理要請をしているが、一向に進んでいる気配はない。

私は、全国に拡散させるべきではないと思っている。

危険性、輸送費用、など考慮すると、そのわりに効果は非常に薄いと考える。

近くに処理施設を作るには2年はかかるから、あと1年で処理完了するには全国でやってくれということらしいのですが、
なぜあと1年でと決めてかかる?

現地に酷なようだが、あれだけ広範囲、かつ放射能汚染が危惧されているがれきを1年間ごときで、撤去できるとは到底思えない。

10年以上かかるかもしれない

人口密度の少ない、東北(現地の近郊)にこそ2年以上かけてでも大規模な処理施設を建設し現地に雇用提供をしたらいい。
この覧のコメントとしては少し横道にはそれますが、

福島第一原発4号機が、今日の時点でもまだ大変危険な状況にあります。

使用済み核燃料が1500本以上、存在し、現在プールの水に浸かっている状態ですが、今後の余震などで壁面に亀裂が入り、水が抜けるようなことになれば、1500本が溶け出し、おびただしい放射能を撒き散らすことになります。
またそのすぐ近くには6000本ほどの核燃料棒があるそうで、6000本に影響がでたら、と考えると、身の毛がよだちます。
がれき処理や、日本の原発再可動がどうのこうのという次元の話ではありません。

ある学者によると、4号機のプールになんらかの亀裂が入り冷却水が漏れなくなると、日本はもう終わりと…。

もし使用済み核燃料を安全な場所に移動するとしても、大変な工程作業を要し、何年もかかると…。

その間にたかがプールに亀裂が入り水が抜けるだけで、人類史上初めて経験するような大変な悲惨な状況が、おとずれると…。
放射能の放出はチェルノブイリの85倍とか言われていますが、実態が想像できません。見当もつきません。

日本は終わりと言われても、東京はまずアウトなんでしょうが高槻市は?九州鹿児島は?沖縄は?

知りたいところです。

高槻市も対岸の火事と思わず、4号機が最悪シナリオの場合の高槻市への影響をどのように考え、対策を講じているのか、知りたいところです。

想定外などと昼行灯のようなことでは絶対にあきません。

4号機の最悪シナリオの可能性はかなりの高い確率で近い将来起こりそうな状況なのです。

Posted by もう日本は滅亡なのか? at 2012年04月14日 22:37
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