2013年02月11日

ラスパイレス指数の比較だけでは国と地方の本当の給与格差は見えない

2月8日に発表された総務省の資料によると、高槻市のラスパイレス指数は107.3・・・国家公務員の給与水準を100としたときに、地方公務員がどれだけなのかを示すのがラスパイレス指数ですが、昨年4月に国が7.8%も給与を下げたために、地方の水準が上昇しました。

ちなみに大阪府は101.4、大阪市は103.8ですので、それらと比べると高槻市は高いということにはなります。

国が官僚らの給与を引き下げたのは、東日本大震災の復興財源を捻出するためなのですが、国は、地方公務員の給与も引き下げるよう、各自治体に要請し、国から地方に交付する地方交付税の額もその分を減らすとしています。地方は反発しています。

確かに国のやり方は強引です。しかし、地方公務員の給与は、国の職員の給与も考慮しなければならないと、地方公務員法で定められていますので、一定の引き下げはやむを得ないと思います。

ただ、国の示す国家公務員の給与水準は、実際とは違う可能性が高い。以前、「寄り道型天下り」というのをブログで以下のように指摘しました。

★2009年06月04日 寄り道型の天下り?そんなに官僚が優秀なら高槻市職員の給料を下げよ。
(中略)
たとえば高槻市の場合、副市長と政策統括監(部長級職)のポストに、それぞれ国土交通省と総務省から現役官僚がやってきて、一定期間過ぎると、国に帰っていき、また別の現役官僚がやってくる、ということがされています。

やってくるのは30代の官僚で、国では約700〜800万円の年収をもらっていると思われます。ところがこれが、高槻市の副市長なら年収約1500万、部長級なら約1000万となります。
(中略)
議会事務局の調査官に府下や中核市の状況を調べてもらったところ、大阪府池田市では、総務省から出向してきた29歳という若い女性官僚が総合政策部の部長になっていました。岡山市では、国からの出向者が8人も、部長級以上の職についていました。異例な感じがしますが、何かメリットがあるのでしょうか?

総務省の資料によると、平成20年8月15日現在、国から地方公共団体の部長級以上の出向者は318人。一方、地方公共団体から国の室長級以上への出向者はわずか17人となっていました。平等とは決していえない構図です。

さらに不平等と思われることが。高槻市は、総務省に市職員を出向させているのですが、「研修」という名目で、その職員の給料を高槻市が負担しているのです。国の仕事をしているのに。このように、地方自治体が「研修」名目で出向職員の給料を負担しているケースはかなりあるようです。


こうした「寄り道型天下り」の際の高い給与・報酬は、ラスパイレス指数には反映されていないようです。

大阪市は、ラスパイレス指数の矛盾について、問題点を網羅的に指摘しており、大変参考になります。

■比較対象の違い
 まず、国の示すラスは、多くの国家公務員に適用される「行政職俸給表(一)」(以下、「行(一)」とします。)の適用者とそれに相当する地方公務員とで比較することを前提としています。そのため、地方側は1年目の係員からトップである局長(部長)に至るまでが比較対象であるのに、国では本省課長級までが比較対象となり、その上位の事務次官や局長、審議官など800人を超える本省次長以上の幹部職員は「指定職俸給表」というより高い給与水準の俸給表が適用されるにもかかわらず比較の対象とされません。
(中略)
■早期勧奨退職の慣行
 さらに、国では長年にわたり幹部職員に対する早期勧奨退職の慣行があります。各府省のあっせんによる民間企業や特殊法人などへの再就職(いわゆる「天下り」)が行われてきた結果、これら幹部職員は定年を待たずして勧奨退職し、その後も高い所得水準を維持、上昇させているにもかかわらず、当然のことながら地方との比較対象からは外れているわけです。
(中略)
■特殊法人等への現役出向
 また、縮小傾向にある早期勧奨退職に代わり、国では特殊法人等への現役出向などが増加しているものと考えられますが、これについても役員出向者には指定職並みの給与が支払われていることを考え合わせれば、ここもラスに入れる対象と言えるのではないでしょうか。


国は、地方に給与削減を要請するのであれば、国家公務員の実質的な給与・報酬のすべてをオープンにすべきです。


また、総務省の資料によると、高槻市は、相変わらず「わたり」があると認定されています。

ちなみに「わたり」というのは、総務省の資料に詳細な定義がありますが、ごく簡単にいうと、市の係長のほうが、国の係長より給与が高いといったものです。いい加減に「わたり」をやめればいいのに、何故、高槻市は改めないんでしょうか?

「わたり」のやり方によっては、国と地方の同等の役職の給与と人数を基礎に算定するラスパイレス指数にも、狂いが生じてくるのではないでしょうか?

総務省も、「わたり」を是正させたいのなら、なぜ法律で明確な基準を規定しないのか。高槻市を含め、未だに「わたり」を残している自治体があるのは、あいまいな解釈ができる現行の地方公務員法のせいだと思います。


そして、再任用職員の給与の比較といのも、私は是非やるべきだと考えています。

再任用職員というのは、60歳で定年退職した後、再び同じ官庁に採用されて、65歳まで仕事をされている方のことなのですが、高槻市では、部長級だった方は課長級で再任用というふうに、2階級下げた形での再任用が多いようです。

ところが、他市では、現役の時にいくら偉くても、再任用されればヒラの職員になる例があるとのことでした。

再任用職員もかなり多いのですから、再任用職員だけを対象とした平均給与の比較・ラスパイレス指数の比較というのも、必要ではないでしょうか?


抜け道を許さず、公正な算定と比較を、新政権と国会議員の皆さんには期待したいと思います。



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posted by 北岡隆浩 at 13:34| 大阪 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | 高槻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
国家公務員の給与ベースを基準に地方公務員も給与ベースが決まる仕組み自体に無理があるのではないかと思います。
地方には地方の事情があるでしょうし、地域ごとに物価指数も違います。
それに北岡先生が指摘されているように国の示す国家公務員の給与水準は、実際とは違う可能性が高いのは事実です。
また、わたり問題。これもぜひとも是正というのか現状に即した形式にするべきだと感じます。
Posted by 情報はオープンに at 2013年02月12日 20:56
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