
高槻市と茨木市の年少人口(14歳以下)、生産年齢人口(15〜64歳)、老年人口(65歳以上)を比較してみました。両方平成18年9月30日現在の数字です。
人口区分 | 合 計 | 率 | 茨木市 | 差 | 倍率 | 大阪府 |
年少人口(14歳以下) | 48,806 | 13.59% | 15.06% | -1.47% | 1.11 | 13.7% |
生産年齢人口(15〜64歳) | 240,854 | 67.07% | 68.92% | -1.85% | 1.03 | 67.1% |
老年人口(65歳以上) | 69,426 | 19.33% | 16.02% | 3.31% | 0.83 | 18.5% |
総人口 | 359,086 | 100% | (265,515 人) |
やはり、茨木市のほうが、年少人口の比率が高い。以前「子ども達が消えてゆく街・高槻市」で書いたとおりで、子どもをもった家庭が、高槻市から茨木市などへ転出しているために、年少人口と生産年齢人口が減り、そのため老年人口の率が増えているのでしょう。
ちなみに平成17年度の国勢調査の結果によれば、大阪府の年少人口の率は、13.7%。13.59%の高槻市は、大阪府の平均よりも低い。逆に、老年人口は、高槻市のほうが高率に。由々しき問題です。
写真は、高槻市のサイトの「統計情報(人口・統計書)」というページです。ここには今、平成18年12月末現在の人口しか表示されておらず、毎月の推移が分からないのですが、平成18年12月の状況を見てみると、
出生:280人 死亡:205人 自然増減:+75人
転入:930人 転出:1109人 社会増減:−179人
増減総数:−104人
となっており、出生は死亡を上回っているものの、転出する人達が多いため、結局トータルで見ると人口は減少しています。
高槻市長選挙に立候補を表明した吉田康人さんの「やすとログ」に、以前、次の記事がありました。
★【やすとログ】高槻・茨木、スポーツ度比較
高槻市と茨木市はいろんな意味で比較対照されます。より良い都市間競争につながればいいんやけど・・。
「野いばら」という地域情報誌が茨木にあります。同誌紙面で先日、高槻市と茨木市の「スポーツ施設」、「図書館」が比較されていました。見出しは「高槻市と比較、スポーツ度、読書度は? 身体も、頭もよく使っている茨木市民」。
スポーツ施設に関連して、この比較記事の「スポーツ施設数・利用者数」の部分のみ抜粋すると次のようになります。
(1)グラウンド
施設数・・高槻市が7、茨木市が14
使用者数・・高槻市が人口の136%、茨木市が人口の317%
(2)テニスコート
施設数・・高槻市が24面、茨木市が28面
利用者数・・高槻市が人口の47%、茨木市が人口の94%
(3)プール
施設数・・高槻市が4(+学校)、茨木市が5
利用者数・・高槻市が人口の75%、茨木市が人口の95%
(4)体育館
施設数・・高槻市が1、茨木市が3
利用者数・・高槻市が人口の50%、茨木市が人口の88%
小見出しで「スポーツ施設数、利用者で高槻市を圧倒」とされちゃってる。地域事情の違いもあるのでこのように単純に比較するのはどうか?という議論もあるとは思います。ただ、具体的に数字で示されてしまうと、また、そのことによって「高槻市のスポーツ度は茨木市より低い」というイメージが広がってしまうと、都市間競争に勝ち残ることはますます難しくなりますね。★
★【やすとログ】高槻・茨木、読書度比較
昨日のログの続編です。
「野いばら」では図書館の蔵書数と利用者数なども比較しています。この部分の小見出しは「読書家が多い茨木市民」。そして、こんな書き出しで始まっています。<<図書館の蔵書数、利用者数ともに高槻市よりも多く、茨木市民の知的な一面がキラリ。比較した結果は別表のとおりでした。蔵書数の多さのみならず、貸し出し人数、貸し出し総数の圧倒的な差には驚きます>>。エッライ言われかたやなぁ〜(笑)。
具体的なデータはというと次のようになっています。
(1)蔵書数・・人口1人あたり高槻市が3.37冊・点、茨木市が4.82冊・点
(2)貸出人数・・高槻市が人口の187%、茨木市が人口の375%
(3)貸出総数・・人口1人あたり高槻市が7.74冊・点、茨木市が14.26冊・点
(4)登録者数・・高槻市が人口の11.64%、茨木市が人口の29.50%
「単純に比較するのは・・」と昨日の台詞を繰り返すのはもはや空しい(笑)。ただ、データを詳しく見れば見るほど、市長のリーダーシップ、行政の工夫で市民の「スポーツ度」も「読書度」もアップできるはずと確信しています。★
読書がダメでも、スポーツでは、と思うのが普通かもしれませんが、スポーツでも茨木市に負けているとは・・・生徒の学力も、茨木市に劣っているのではないでしょうか。そのあたりは、小学6年生と中学3年生の全児童生徒を対象に「大阪府学力等実態調査」というものを行ったにもかかわらず、大阪府教育委員会がその結果を公表しないので、詳しくは分かりませんが・・・
読書については、親の影響もあると思いますが、教師の指導の仕方も大きいと思います。高槻・茨木で、学校での指導の差はどれくらいのものなのでしょう。
茨木市には、旧第2学区で一番偏差値の高い茨木高校と、3番手の春日丘高校があって、2校ともLハイスクールに指定されました。しかし、高槻市では、私の母校の三島高校でさえも、Lハイスクールにはなっていません。そういったものから来る意識への影響の違いもあるかもしれません。
なので、他市に先駆け、高槻市独自で、公立の小中高一貫の進学校を創って、教育改革のシンボルマークにすべきだと私は考えています。そして、高槻市民に対しては、受験料や入学金を減免することで優遇する・・・それがおそらく内外に「高槻市の教育は、本当に変わろうとしている」とアピールする最善の方法です。2学期制なんかやったって、あまり意味はありません。奥本市長が教員出身だから、思い切った改革ができないのでしょうか。
教育改革に真剣に取り組まない地方自治体は、年少人口を流出させ、老年化指数が増大し、社会保障費の負担に苦しむことになる・・・大胆な教育改革が、高槻市を良くするための答えだと、私は考えています。
