2007年01月28日

1億人維持?とらぬ狸の皮算用では?

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「2055年 1億人を維持 少子化対策で出生率回復 厚労省試算」という記事が。ただし、国民の結婚や出産に関する希望が叶えられた場合の試算とのこと。

【産経新聞】1億人の大台維持 仮定人口試算、2055年総人口

 厚生労働省は26日、国民の結婚や出産に関する希望がかなった場合の仮定人口試算に基づき、人口減少をどの程度緩和できるかの見通しをまとめ、社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)の人口構造変化部会に示した。それによると、2055年の総人口は最大で1億391万人となり、1億人の大台を維持できる。さらに、年齢構成も14歳以下人口が現水準の「8人に1人」程度となることも分かった。

 2055年の人口見通しに関して、少子化対策の効果を織り込んでいない将来人口推計(中位推計)では、総人口を8993万人、14歳以下の年少人口は752万人になると予測していた。

 仮定人口は、今後政府が有効な少子化対策を打ち出し、国民の結婚や出産に関する希望の実現度合いに応じて出生率が最高で1.76、最低で1.41にまで回復するとの仮定で試算。総人口は2055年時点で1億391万〜9393万人になる。(後略)★


この厚労省試算は、少子化対策を具体的に行って、それが功を奏し始めてから出すべきではないでしょうか。現在、有効な対策が何も行われていない状況で出しても、「とらぬ狸の皮算用」だと思うのですが。

こんな楽観的な数字を公表して、国民が安心してしまったら、少子化対策に悪い影響が出るような気もします。

少子化・人口減少は、我が国にとって大変深刻な問題であるし、また個々人にとっても、子どもがなければ老後は大変苦労するとか、そういう悲観論を出して、国民に危機感を抱かせ、各々が対策を講じるように仕向けることも必要かと思います。

子どもがいなければ将来こんなふうな危機に直面するだとか、全力で子どもを安心して産み育てることができる日本にするだとか、そういう気持ち・心理に働きかけるメッセージを発信することも、政府には必要ではないでしょうか。

達成すべき数字だけを示されても・・・人間は機械ではありませんし(笑)。

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【産経新聞】女性は「産む機械」 柳沢厚労相

 柳沢伯夫厚生労働相は27日、松江市で開かれた自民県議の決起集会で、「産む機械、装置の数は決まっているから、あとは一人頭で頑張ってもらうしかない」と女性を機械に例えて少子化問題を解説した。

 柳沢氏は「これからの年金・福祉・医療の展望について」と題し約30分間講演。出生率の低下に言及し「機械って言っちゃ申し訳ないけど」「機械って言ってごめんなさいね」との言葉を挟みながら、「15−50歳の女性の数は決まっている。産む機械、装置の数は決まっているから、あとは一人頭で頑張ってもらうしかない」と述べた。

 厚労省は昨年12月、人口推計を下方修正。この時、柳沢氏は「子供を持ちたいという若い人たちは多い。その希望に応えられるよう、できる限りの努力をしていきたい」と話していた。★


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posted by 北岡隆浩 at 22:52| 大阪 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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