遡ること9か月前の平成25年6月18日の総務消防委員会協議会で、私は以下の質問をしました。
○(新美総務部長) 案件6 市役所本館耐震診断結果について、ご説明申し上げます。
(中略)本日は、平成24年度に実施いたしました診断結果と今後のスケジュールについて、ご説明申し上げます。
資料6の1ページをごらんください。まず、1点目の、昨年度に実施いたしました診断結果、耐震診断結果についてでございますが、今回の診断ではGIsという手法を採用いたしております。
(中略)
震度6強以上の地震が発生した場合、GIs値が1.0以上であれば、建物が現行の建築基準法により設計された建物と同程度であるとし、0.5未満で崩壊または倒壊する危険性が高いとされております。(中略)本館の重要度係数は(中略)1.5として算出しております。GIs値による本館の診断結果といたしましては(中略)南北方向を示すX方向、東西方向を示すY方向とともに、各階における数値は、崩壊または倒壊する危険性が高いとされております0.5を大きく下回っており、耐震改修の必要性が認められる結果となっております。
(中略)
○(北岡委員) 評価報告書を見ると、X方向のGIs値、本館2階の部分、X方向が0.04という数字ですし、Y方向も0.09で、重要度係数の1.5と比べるとはるかに小さい数字で、耐震化工事は待ったなしだなと思うんですけれども、建てかえということは検討されないんでしょうか。
○(楠総務課長) 建てかえにつきましては、この本館につきましては、昭和45年に建築されまして、耐用年数は65年でございます。現在平成25年ですので、残り平成47年まで22年、耐用年数残っておりますので、経済的な面を考えましても、今回耐震改修するほうが的確かと考えております。
0.5で崩壊または倒壊する危険性が高い・・・市長室や議会の本会議場のある本館2階が、0.04とか0.09というのは、どれだけ弱いのか非常に心配なのですが、平成26年度の予算にこの耐震化の工事のためのものが計上されているわけです。
耐震工法についてはいろいろあるようなのですが、発注方式を「設計施工一括発注方式」とすることで、市は入札に応札する企業に提案してもらおうとしています。
私は、先日の総務消防委員会で、
万が一、設計に問題があった場合は、「基本的には・・・受注者が責任をもって設計の変更を行うなど、適切な対応を行うことが求められます。」とのご答弁ですが、もし設計費や工事費の増額が必要になった場合、受注者がその費用を負担するのでしょうか?それとも高槻市が負担するのでしょうか?
・・・と質問しました。すると・・・
基本的には、受注者が負担すべきものと考えますが、当初から想定できないような重大な問題が生じた場合等においては、費用負担について受注者と協議を行います。
・・・との答えでしたので・・・
「当初から想定できないような重大な問題が生じた場合等」とは、具体的にはどういう場合等なのでしょうか?
・・・と重ねて質問しました。市の担当者は・・・
事前に想定できないような事案という意味ですので、具体的な事例を挙げることは困難と考えます。
・・・と答弁。この答えに、市の職員の方々は、どっと笑いました。
そこで私は・・・
先日、学校の校舎の鉄筋の数が、設計よりも少ない、あるいは設計よりも間隔が広かったということがありました。市役所本館でも、同様のことがあった場合には、「当初から想定できないような重大な問題が生じた場合等」に該当するのでしょうか?それとも、これは校舎で実際にあったことですから、当初から想定ができたということで、想定内の事態ということになるのでしょうか?
・・・と質問しました。笑った市職員たちは、この校舎の問題を忘れていたのかもしれません。
市の担当者は・・・
学校校舎の事例そのものが、想定外の問題に該当すると考えられますので、市役所本館において、仮に同様の事例が発生した場合についても想定外に該当するものと考えます。
・・・と答えました。私は・・・
市役所本館が建設されたのは昭和45年とのことですが(市のホームページには46年との記載あり)、同じ年代・同じ時期に時期に建てられた校舎の鉄筋に問題があったわけです。本館にも同様の問題があるのではないかと考えて、事前に非破壊検査で鉄筋の状況など設計との違いを調査するようなことはされないのでしょうか?
・・・と質問しましたが、市の答えは・・・
事前に非破壊検査での調査を行う予定はございません。
・・・とのことでした。
事前に非破壊検査などはしないということですが、実際に起きた校舎の手抜き工事のように、工事中に、壁を削ってみたら鉄筋が足りなかった、設計図とは違っていたということになる可能性もあるわけです。
単に一部の工事の変更とそのための工事費の増額で済むならいいかもしれませんが、工法を根本からやり直さなければいけないとか、耐震改修が非常に困難だから、耐震改修工事よりも建物を建て直したほうがよいというようなことになれば、莫大な費用が無駄になってしまうかもしれません。
あくまで可能性の話ですが、それが杞憂に終わらないように祈るばかりです。
以下はそのやり取りです。原稿・メモ・記憶に基づいているので不正確な部分があることをお許しください。
■平成26年度一般会計予算・市役所本館耐震改修
<質問1>
1.予算とスケジュールの詳細をお教えください。
2.発注方式を「設計施工一括発注方式」とするとのことですが、なぜこの方式をとるのでしょうか?また、入札の手続きは一般のものとどのように違うのでしょうか?具体的にお答えください。
3.設計については委任契約、施工については請負契約となるかと思いますが、「設計施工一括発注方式」の場合には、どのような形の契約になるのでしょうか?
4.万が一、設計に問題があった場合はどうされるのでしょうか?
5.施工の監督や検査はどのようにされるのでしょうか?
<答弁>
・設計費と工事費の合計で32億円を見込んでいます。
・平成26年度は、767万9千円を計上しています。
・平成27年度以降の事業費につきましては、平成29年度まで継続費を設定します。
・国からの交付金「住宅・建築物安全ストック形成事業補助金」を活用し、総額で約9億5千万円の交付を受ける予定です。
・平成26年9月議会で議決いただいた後、15ヶ月をかけて、実施設計を行い、平成27年12月頃に工事着工、24ヶ月の工期を経て、完成は平成29年12月頃を想定しています。
・今回の耐震改修は、長期にわたる居ながら工事となるので、市民への影響等も考慮したうえで、施工者の意見を反映した設計を行い、設計施工の責任一元化を図ることで、スムーズな工事を実施するため、「設計施工一括方式」を採用します。
・従来の分離発注との違いはありません。
・設計・施工をあわせた「請負契約」として契約するものと考えます。
・基本的には、発生した問題に対しては、受注者が責任をもって設計の変更を行うなど、適切な対応を行うことが求められます。
・従来の工事と同様に、基本的には、建築課において適正に工事監理、検査を行います。
<質問2>
1.入札は、設計・施工の総額で行われるのでしょうか?
2.万が一、設計に問題があった場合は、「基本的には・・・受注者が責任をもって設計の変更を行うなど、適切な対応を行うことが求められます。」とのご答弁ですが、もし設計費や工事費の増額が必要になった場合、受注者がその費用を負担するのでしょうか?それとも高槻市が負担するのでしょうか?
<答弁>
・入札は設計・施工の総額でおこないます。
・基本的には、受注者が負担すべきものと考えますが、当初から想定できないような重大な問題が生じた場合等においては、費用負担について受注者と協議を行います。
<質問3>
「当初から想定できないような重大な問題が生じた場合等」とは、具体的にはどういう場合等なのでしょうか?
<答弁>
・事前に想定できないような事案という意味ですので、具体的な事例を挙げることは困難と考えます。
<質問4>
1.先日、学校の校舎の鉄筋の数が、設計よりも少ない、あるいは設計よりも間隔が広かったということがありました。市役所本館でも、同様のことがあった場合には、「当初から想定できないような重大な問題が生じた場合等」に該当するのでしょうか?それとも、これは校舎で実際にあったことですから、当初から想定ができたということで、想定内の事態ということになるのでしょうか?お答えください。
2.市民会館ではコンクリートの老朽化・劣化が進んでいて、耐震改修が非常に困難であるということももいわれています。市役所本館については、このようなコンクリートの劣化や、耐震改修工事の困難性・非現実性といった問題はないのでしょうか?お答えください。
<答弁>
・学校校舎の事例そのものが、想定外の問題に該当すると考えられますので、市役所本館において、仮に同様の事例が発生した場合についても想定外に該当するものと考えます。
・昨年度実施しました耐震診断結果において、コンクリートの大きな劣化等はないものと診断されており、耐震改修工事に支障はないものと判断しています。
<質問5>
市役所本館が建設されたのは昭和45年とのことですが(市のホームページには46年との記載あり)、同じ年代・同じ時期に時期に建てられた校舎の鉄筋に問題があったわけです。本館にも同様の問題があるのではないかと考えて、事前に非破壊検査で鉄筋の状況など設計との違いを調査するようなことはされないのでしょうか?
・事前に非破壊検査での調査を行う予定はございません。
<意見>
事前に非破壊検査などはしないということです。ということは、先日の校舎の手抜き工事のように、工事中に、壁を削ってみたら鉄筋が足りなかった、設計図とは違っていたということになる可能性もあるわけです。
単に一部の工事の変更とそのための工事費の増額で済むならいいかもしれませんが、工法を根本からやり直さなければいけないとか、耐震改修が非常に困難だから、耐震改修工事よりも建物を建て直したほうがよいというようなことになれば、莫大な費用が無駄になってしまうかもしれません。
そういうことがないように、慎重に検討していただくことを要望して、この件については終わります。
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