2014年03月18日

【京大農場】移転補償費等について住民監査請求

高槻市が京都大学に移転補償費等を支払うことのおかしさについては昨年の9月議会で取り上げたのですが、その約3か月後の平成25年12月18日付で、高槻市と京都大学とが、補償金額を1億4811万円とする物件移転等補償契約を締結していたことが分かったので、3月13日付で住民監査請求を行いました。

高槻市は、京都大学は自ら移転を決定したとしています。移転補償費というのは、要は引っ越し代といえると思うのですが、自分で決めた引っ越しならば、その費用は自己負担が原則のはず。皆さんだって会社の命令で転勤するなら引っ越し費用は会社負担でしょうけれども、家族が増えたから新居に移るといった場合には自己負担のはずです。

また、「補償」というのは、立ち退き等の特別の犠牲が強いられる場合にされるもの。手狭になった所から広い場所へと自らの事情で引っ越される場合にはお支払する必要はありません。必要がないものを高槻市役所・高槻市教育委員会が支払うのであれば、これは税金・公金の無駄遣いということになります。

高槻市は何故払うのでしょうか?何か事前に約束事でもあったのでしょうか?

以下が住民監査請求の請求書の一部です。

高槻市職員措置請求書

第1 高槻市長濱田剛史氏及び高槻市教育委員会に関する措置請求の要旨

1 事案の内容

(1)高槻市と京都大学との物件移転等補償契約

 高槻市と国立大学法人京都大学とは、別紙のとおり、平成25年12月18日付で、高槻市が公有化を行う京大農場のうち史跡安満遺跡に当たる部分の一部にある物件の移転等について、補償金額を1億4811万円とする物件移転等補償契約(以下「本件契約」という。)を締結した。
 なお、1億4811万円の内訳は、同契約書3条によると下記のとおりである。
    記
  <物件移転補償>
  地上物件補償費 9679万0400円
  動産移転料     22万6000円
  移転雑費     690万0400円
  <物件補償>
  地上物件補償費 4419万3200円

(2)京大農場移転は京都大学の自主的な決定に基づくものであること

 高槻市のホームページの政策財政部長の「こちら部長室」の「京大農場跡地を緑豊かな公園に」という記事には、「・・・一方、農場側では、遺跡上に立地しているため、開設時の主要な建物や施設が老朽化しても建て替えができないことに加え、実習学生も倍増して手狭になるなど、長年さまざま苦労をしてこられました。こうした中、京都大学として、この農場を京都府木津川市の関西文化学術研究都市(けいはんな学研都市)に移転することを決定され、去る7月30日には、市と京都大学、UR都市機構の3者により同農場の移転に関する協定書を結びました。」との記載がある。
 すなわち、京都大学は、京都大学の事情で自主的に移転を決定したということである。

2 違法性等

(1)憲法29条3項にいう「補償」の解釈

  日本国憲法第29条第3項では、「私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用いることができる。」と規定されているところ、この補償とは、通常の受忍の範囲を超え、かつ、特別の犠牲を課す場合にのみ適用されると一般に解されている。

(2)国土交通省の「公共用地の取得に伴う損失補償基準」

 平成25年9月10日の第5回高槻市議会定例会において上田昌彦教育管理部長は、「・・・補償金につきましては、対象物件の概数に対し、公共用地の取得に伴う損失補償基準に基づき算定した概算額を計上・・・」、「・・・補償金の考え方についてでございますが、・・・公共用地の取得の手続に沿った移転の補償を行うものでございます。」等と答弁している。
 「公共用地の取得に伴う損失補償基準」を定めた国土交通省が発行する「用地交渉ハンドブック」によれば、「公共用地取得」とは、任意取得を原則としつつも、公共用地交渉が妥結に至らない場合は、一般的には、土地収用法に基づく強制取得の手続に移行することが予定されているものとされている。

(3)覚書等に移転補償の記載がないこと

 平成25年9月10日の第5回高槻市議会定例会において上田昌彦教育管理部長は、「・・・(高槻市と京都大学との間で締結された)覚書等に移転補償の記載がないとの重ねてのお尋ねでございますが、用地取得に際して、土地に定着する物件がある場合は、書面で交わすまでもなく移転補償費を支払うのは当然のことと考えております。」と、これまで交わされてきた覚書等に移転補償の記載がないことを認めている。
 なお、書面にないものを勝手に公金で支払うのは裁量の範囲の逸脱・濫用である。

(4)京大への補償は不必要であること

 1(2)のとおり、京大農場の移転は、京都大学の事情で、京都大学が自主的に決定したものであるから、「通常の受忍の範囲を超え、かつ、特別の犠牲を課す場合」には該当しない。したがって、憲法29条3項規定の補償の必要はない。
 また、仮に、京都大学が土地の譲渡について高槻市と合意しなかった場合には、高槻市が強制取得することにはならないので、上記公共用地取得には該当せず、やはり補償を行う必要はない。
 これまで高槻市と京都大学との間で締結された覚書等には移転補償の記載がないのであるから、双方共、移転補償を不要と考えていたといわざるをえない。
 以上のとおり、京都大学への1(1)記載の補償は不要であり、これのために高槻市が公金を支出することは違法不当で、明らかに税金の無駄遣いである。

3 市の損害等

 前項の違法不当な補償のために本件契約が締結されたのであるが、当然、同契約3条記載の補償金額1億4811万円を支出することは違法不当である。これが支出されたか否かは不明であるが、仮に支出されたのであれば、その分だけ市は損害を被ったといえる。

4 故意・重過失

 上記補償が違法不当であることは、平成25年9月10日の第5回高槻市議会定例会において請求人・北岡が指摘し、これを、答弁した上田昌彦教育管理部長のみならず、同議会に出席していた濱田剛史市長、一瀬武教育長及び倉橋隆男副市長らも聞いている。したがって、本件契約及び支出等につき、専決・決裁した職員のみならず、これを指揮・監督すべき立場にある長・職員らにも故意又は重過失があるといわざるをえない。

第2 監査の請求

 第1記載のとおり、本件契約の締結は違法不当であり、それによって、高槻市は損害を被ることが明らかである。あるいは既に損害を被っている可能性もある。
 よって、請求人は、本件契約記載の補償金について、その詳細及び責任者を明らかにしたうえで、関係団体、関係人、関係職員、決裁権者、専決権者、その他の責任者に対し、不当利得返還請又は損害賠償請求すること、並びに本件契約に基づく支出の差止めを勧告することを求める。
 また、請求人は、上記の損害賠償請求権又は返還請求権の行使を怠る事実、並びに故意過失により時効消滅した債権につき当該責任者に対する損害賠償請求権の行使を怠る事実が違法不当であることの確認を求める。



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posted by 北岡隆浩 at 23:59| 大阪 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 高槻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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