2014年05月23日

【附属機関訴訟】判決言渡しは9月3日

今日までの3日間は臨時議会でした。議長をはじめとする役員・委員を選任するための、通称「役選議会」です。私は常任委員会(総務消防委員会)と特別委員会(史跡整備等特別委員会)の委員のみ。無所属なので、役員にはほぼなれません。私が監査委員になれば、徹底した監査をするのですが・・・

さて、本日、附属機関訴訟の第8回口頭弁論がありました。13時20分からだったので、議会で間に合わない可能性があり、弁護士さんに無理を言って代理人となってもらいました。議会のほうが昼前に終わったので、なんとか法廷にはぎりぎり間に合いました。

今回は準備書面を提出。これで結審となり、判決言渡しの期日が、9月3日13時15分からとされました。法廷は大阪地裁1007号です。

準備書面では、あらためて、評価しない「評価会」、調査しなかった「特別調査員」などについて主張しました。以下の画像は高槻市側の準備書面の抜粋、文書は私の今回の準備書面の抜粋です。

評価しない「評価会」

1 評価しない「評価会」に変更したのは、成果はどうでもよく、開催すること自体が目的、すなわち政治的パフォーマンスが目的であること

 原告準備書面4第2記載のとおり、当初、高槻市事業公開評価会は「事務事業の評価を行う機関」であった。評価の実施は、公開の場において、評価者と職員との質疑並びに評価者間の議論を踏まえた評価をコーディネーターのもとで行うものとされ、コーディネーターは評価者各自の意見の総括を行うこととされていた。これにより、市長が対象事業を選定するにあたり助言等をするというのである。(甲A−4・4頁)。
 しかし、被告は、平成24年6月1日に施行された高槻市事業公開評価会実施要綱を、平成24年10月3日に改正し、同評価会を、名称はそのままで、評価を行わない組織に変更した(平成25年5月27日付被告準備書面(1)10頁、乙B−2)。変更後の同評価会においては、「・・・評価者の意見の列挙をするのみ」であるという(平成25年5月27日付被告準備書面(1)9頁15行目)。
 すなわち、同評価会は、設立当初の目的が変更されたのである。
 会の名称ともなっている「評価」という核心の目的を失ったのであるから、組織を維持しても意味がない。解散するのが普通である。「評価者の意見の列挙をするのみ」では、結局は、被告が意見を判断することになるのだから、列挙された意見それ自体をもって市政に資するということもできない。
 ところが被告は、この評価をしない「評価会」を維持し、あまつさえ開催までしてしまった。
 つまり、この評価会の真の目的は、評価をすることではなく、開催すること自体だったのである。
 評価会は、濱田が「高槻版事業仕分け」と位置付けていたものであり、彼の目玉的な政策である。開催することで、あたかも事業仕分けがなされたように、有権者にアピールすることが、真の狙いだったのだ。


調査しない「特別調査員」

2 調査しない「調査員」について、議会でも法廷でも嘘を吐く被告

 被告は「高槻市営パス営業所売上金不明事案特別調査員は、・・・調査を行い(乙C3)」としているが(平成25年5月27日付被告準備書面(1)10頁下から1行目乃至11頁2行目)、この主張を翻し、実際には「指導及び助言又はその準備行為」をしていたとする。
 濱田は、平成24年6月27日の高槻市議会本会議において、「市営バス営業所売上金不明事案につきまして、特別調査員による特別調査が終了いたしましたので、ご報告申し上げます。」と行政報告を行った(甲C−2)。実際には市職員が調査したのに、それについてまったく言及せず、濱田自身が、議会で、特別調査員が特別調査を行ったと、故意に、嘘の報告を行ったのである。
 被告は、6月22日に、特別調査員2名の連名で、「高槻市営バス営業所売上金不明事案特別調査業務に関する結果報告書」が提出されたとしているが(平成25年5月27日付被告準備書面(1)11頁2乃至4行目)、原告が被告に対し、法廷で尋ねても、情報公開請求しても、そのような特別調査員連署の結果報告書は存在しないということであった(甲C−4乃至7)。被告は法廷においても嘘を吐いているのである。実際には調査は市職員が行い、特別調査員は調査をせず、指導等をしていたというのであるから、特別調査員による結果報告書など作成のしようもないのであるが、このような成果物が存在しない以上、やはり、公金の支出は違法といわざるをえない。
 被告がこうして嘘に嘘を重ねるのは、「調査であれば計124万3千円もの高額の支出もやむをえまい」と錯誤させるためであると考えられる。
 被告は、特別調査員らは、指導や助言を行ったという。特別調査員らの指導・助言の状況を見ると、連日のように2時間から6時間も指導や助言を行っており、過半が4時間を超えているということである(乙C3−2・2頁)。指導や助言のためだけに、これだけの時間を費やすことは常識的には考えられない。その詳細についても箇条書きがされているだけで、具体的には何を行ったのかが分からない(乙C3−1及び2)。上記の議会での虚偽報告や結果報告書を作成したとする嘘を併せて考えれば、指導や助言が実際にされたのかどうかも疑わしい。
 被告は、特別調査員らに対し、計124万3千円もの支給をしたが、以上からすれば、過大な支出であり、被告の裁量の逸脱・濫用という点からも、違法といわざるをえない。
 なお、被告は、特別調査員らとは、臨時的・一時的に、私法上の準委任契約をしたというのであるが、そのような説明は議会では一切されていないし、契約書もない。あくまで要綱で設置されており、他の附属機関同様、名称、趣旨、期間、報酬、庶務担当部署などが定められている。「附属機関」の定めが地方自治法にある以上、被告の裁量で「私法上の準委任契約」などすることはできず、条例で設置しなければ違法である。もしこうしたことを許せば、被告の裁量で際限なく「特別○○」が作られ公費が浪費されてしまうことになる。
 「特別調査員」との名称を付す以上は、調査を行う者と考えるのが当たり前である。調査をしないのに「特別調査員」との特別な名称を付けたのは、議会や市民を騙す意図が被告にあったと見做さざるをえない。
 やはり、濱田の政治的パフォーマンスか、特別調査員らへの利益供与を隠す目的でされたものと考えられる。


無意味な「特別顧問」

3 不要な「特別顧問」は選挙応援の見返り

 高槻市特別顧問のうち、■■■■及び■■■■は(乙D5)、濱田が市長選挙に立候補した際、濱田を応援するとして、選挙公報に名を連ねている(甲D−3)。
 高槻市特別顧問は、要綱によって、設置目的を、「市長が市の重要な政策課題の解決及び行財政改革の一層の推進を図り、もって市政のさらなる発展と活性化に資するため」とされている(甲D−1)。
 一方で、高槻市には、条例により設置された「高槻市行財政改革推進委員会」があり、この担任事務は「行財政改革の大綱の策定及び推進についての調査審議に関する事務」とされている(乙A3)。
 両者は行財政改革の推進という点で重複しているのである。
 特別顧問に対して意見が求められたのは、平成24年4月23日の1回だけであり、時間もわずか1時間半で、内容も、A4の紙の半分に箇条書きされているだけの、それほど高度なものとはいえないものなのであるから(乙D3)、特別顧問は不要といわざるをえない。
 特別顧問は、「市の重要な政策課題の解決」も設置目的としているが、具体的に重要な政策課題が解決されたわけでもないから、やはり不要である。
 以上からすれば、高槻市特別顧問は、不要であり、実質的には、高槻市の有力者や、あるいは濱田の知人に、高槻市の「特別顧問」という名誉ある肩書きと金銭を与えるために設けられたものとしか考えられない。
 したがって、被告の裁量の逸脱・濫用という点からも、違法といわざるをえない。


ちなみに特別顧問の意見などは以下の画像のとおりです。
特別顧問からの意見.jpg


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平成24年(行ウ)第262号、第264号〜第279号
公金支出差止等請求事件(住民訴訟)
原告 北岡隆浩
被告 高槻市長 濱田剛史

準備書面5

平成26年5月20日
大阪地方裁判所 第2民事部合議2係 御中
原告 北岡 隆浩

第1 故意・過失について

1 被告が少なくとも平成23年度に違法性を認識しえたこと

 被告は、法令に基づく附属機関、並びに、法令上設置根拠はないが、実質的な附属機関について、平成23年度に一覧表を作成している(甲A−12)。同一覧表は、「平成23年7月1日現在」とされていることから、同日以降かつ1か月以内程度で作成されたものであることが分かる(たとえば一覧表の作成が8月に跨れば、8月1日現在と表記されたであろう)。
 この一覧表については、原告が、住民監査請求の意見陳述において、下記のとおり指摘している(甲A−6・3頁16乃至23行目)。



・・・高槻市は、「平成23年度 附属機関等一覧表」というものを作成しています。これも提出しておりますけれども、その一覧表で、法律や条例に根拠をもつ組織とそれ以外のものを同列に扱って、一覧に取りまとめています。「附属機関」ということばは地方自治法上の用語ですから、地方自治法の規定を高槻市は知っていたものと考えざるを得ません。つまり、「附属機関」のようなものの設置には、法律や条例あるいは政令が必要だとの認識が高槻市にあったといわざるを得ないわけです。つまり、高槻市は故意に設置条例の制定を怠っていたわけです。

 被告は、この指摘のとおり、故意、あるいは重過失により、設置条例の制定を怠り、違法行為を是正しなかったものといわざるをえない。
 なお、市長の濱田は、平成23年5月に就任しているから、濱田の在任中にこの一覧表は作成されているわけである。

 したがって、被告は、23年度中に、本件訴訟の各組織について、条例により設置されていないという違法性を、十分に認識することが可能だったのである。
 また、濱田の在任中に作成されていることからすれば、少なくとも濱田に管理監督責任があったといわざるをえない(甲A−5)。

2 濱田のツイッターでの発言(甲A−5)について

 被告は「濱田市長のツイッターでの発言は、市長としての職責に対する思いを述べたものであるが、この発言により、専決によってなされた行為すべてについて無条件に責任を負うかのような原告の主張には論理の飛躍があるといわざるを得ない。」と主張する(平成26年3月27日付被告準備書面(5)12頁10乃至13行目)。
 思いを述べただけで実際には責任を負わないのだとすれば、仕事を部下に任せきりにせず、予算数万円の話から100億円単位の案件まで、自ら判断している旨の濱田の公言は、嘘か、あるいは無責任なものということになる。濱田は、政治的な意図があるのかどうか分からないが、故意に嘘を吐いて、あるいは無責任な公言をして、有権者を騙しているのだ。
 しかし、これが嘘だとしても、仕事を部下に任せきりにしていないと言った以上は、市役所の代表者として、その責任を負うべきである。被告の主張からすれば、濱田をこの責任から逃したいようであるが、市長は市の市長部局の業務全般について本来的に責任を負うべき立場であり、その市長である濱田がこの発言をしたのだから、部下に専決させたものについても責任を放棄することはできない。
 仮に、濱田が、専決についての責任を負わないのだとしても、やはり管理監督責任は負わねばならない。

第2 違法性と損害について

1 被告が平成24年12月には違法性を治癒しえたこと

 平成24年12月の高槻市議会(会期11月30日乃至12月19日)に、議案第88号として、「附属機関に関する条例全部改正について」が上程された。改正内容は、これまで要綱等で設置していた組織のうち、高槻市行財政改革推進委員会ほか17組織について新たに条例で定めるほか、各組織の委員の定数、構成、任期についても条例で定めるというものである(甲A−13)。
 しかし、本件訴訟の各組織については、この条例改正案には含まれなかった。仮に含まれていれば、違法性が遡及的に治癒された可能性もある。
 被告は、現在においても、本件訴訟の各組織を条例設置する必要はないとしているのであるから、違法性が治癒されることはないのであり、やはり、市に本件委員らへの報酬相当額の損害が発生しているといえる。

2 さいたま地裁平成14年1月30日判決の基準に照らしても違法性と損害があること

 被告は、「・・・報奨金の支出が違法であったとしても、そのような違法状態のない適法な状態においても同種の公金支出を免れなかったとすれば、現実の支出額とそれに要すべき支出額との差額のみが損害となり、その差額がない以上、高槻市に損害は生じていないものというべきである(さいたま地裁平成14年1月30日判決(乙A11))。」と主張する(平成26年3月27日付被告準備書面(5)11頁13乃至17行目)。
 さいたま地裁平成14年1月30日判決(乙A11)は、違法性について、下記のとおり判示している。



第3 当裁判所の判断
(中略)
2 争点2(本件懇話会の附属機関該当性)について
(中略)
(2) 法138条の4第3項は,「普通地方公共団体は,法律又は条例の定めるところにより,執行機関の附属機関として自治紛争調停委員,審査会,審議会,調査会その他の調停,審査,諮問又は調査のための機関を置くことができる。」と規定している。
 この規定にいう「附属機関」とは,執行機関の要請により,行政執行のために必要な資料の提供等行政執行の前提として必要な審査,諮問,調査等を行うことを職務とする機関を総称するものであって,その名称は問わないものであり,また,そこにいう「審査」とは,特定の事項について判定ないし結論を導き出すために内容を調べること,「諮問」とは,特定の事項について意見を求めることを指す比較的広い外延を有する概念である。
 更に,この規定は,附属機関は法律又は条例の定めるところにより設置することを要し,地方公共団体の長のそれより下位の行政の内部規律,例えば決裁により制定される要綱などで設置することを許さない趣旨を含むものと解される。附属機関の設置は,法令に特別の定めがない限り,各執行機関において規則,規程その他の内部規律に基づいて任意に行うことができるものとされていた従来の取扱いを改め,今後は,行政組織の一環をなす附属機関の設置は,すべて条例に定めなければならないこととする趣旨で本条が新設された経緯(昭和27年8月法律第306号)からみても,このように解するのが相当である。
(中略)
 そうすると,本件懇話会が条例に基づかず,越谷市の内部規律にすぎない本件要綱によって設置,運営されたことは,前記規定に違反したものというべきである。
(中略)
(4)・・・法138条の4第3項には,審査ないし諮問の目的や機関の存続期間についても何の限定もされていない以上,一定の事項についての提言をするまでの臨時的,一時的な住民参加型会議組織であるからといって,本件懇話会が附属機関に当たると解する妨げとはならないものというべきであるから,被告の主張は採用の限りではない。
 なお,このように附属機関の意義を解することについては,行政に対しては,随時,専門的,科学的あるいは民主的意見を反映させることが必要であり,そのためには,弾力的に行政を運用することができなければならないとする近時の要請に適合しないとする非難が予想される。このような社会的要請にそれなりの合理性があることは否定できないけれども(もっとも,前記の事実関係のもとにおいては,本件懇話会の設置条例を制定する時間的いとまがなかったとは想定しにくい。),法138条の4第3項の規定の制度趣旨は前記のとおりであり,これに合理性が肯定できる以上,上記の社会的要請も,この法の趣旨に反しない程度で実現されるほかないものというべきである。

 すなわち、臨時的、一時的な組織であっても、要綱で設置されたものは違法であるとしているのである。
 さいたま地裁平成14年1月30日判決(乙A11)は、損害について、下記のとおり判示している。



第3 当裁判所の判断
(中略)
3 争点3(越谷市の被った損害)について
(中略)
(2) 各支出と越谷市の損害との関係
ア・・・本件懇話会は,法138条の4第3項所定の「附属機関」に該当すると解すべきことは前記のとおりであるから,その委員に対する報酬等は,いわゆる給与条例主義の原則に照らし,その名目を問わず,条例に基づいて支給されることを要するというべきである。そうすると,本件懇話会委員に対する報酬等を給与条例に基づくことなく,これと異なる報償費として支出したことは,違法な公金の支出に当たるとの評価を受けることを否定することはできない(法138条の4第3項,202条の3第2項,203条,204条の2,242条1項)。
(中略)
(3)・・・一定の公金の支出が違法であったとしても,そのような違法状態のない適法な状態においても同種の公金の支出を免れなかったとすれば,現実の支出額とそれに要すべき支出額との差額のみが損害となり,その差額が認定できなければ,越谷市に損害は生じていないものと解すべきである。
(中略)
(4) ところで,前記の認定事実に基づいて本件懇話会発足当時の情勢をみるに,当時,情報公開制度の策定は越谷市における懸案事項であって,早晩一般住民及び学識経験者等の意見を踏まえた上で条例を制定する作業を具体化する必要があり,そのため附属機関としての審議会の設置に関する条例制定の提言があれば,市議会はこれに応じていたであろうことは高度の蓋然性をもって推認することができるものというべきである。
 そして,その場合における条例の内容は,本件要綱の内容に格別不合理な点が見当たらないことからして,これと大差ないものとされたことも同様に推認できる。
 更に,本件懇話会の現実の活動については,前記認定のとおりであって,本件懇話会の委員は,事実上,適法に設置された附属機関の委員と同様の活動をしたものと評価することができ,また,本件懇話会委員に支出された報償費についても,越谷市非常勤特別職のうち審議会等の委員に支払う報酬及び費用弁償の額と同額(1日1人当たり7500円)であって,適法に設置された附属機関の委員と同額であることが明らかである。
 そうすると,適法に設置された附属機関たる審議会委員に対して支出されたと推認される報酬等の額は,本件懇話会の委員に対して支出された報償費等と同額であったと推認することができるものというべきであるから,前記の説示に照らし,前記認定の報償費に相当する支出については,越谷市に損害は生じていないものというべきである。

 すなわち、条例制定が懸案事項として存在し、附属機関を設置して条例策定作業を具体的に進める必要性等があった場合に限り、報償費等が損害とはいえないというのである。
 一方で、高槻市の本件各組織の場合、そのような必要性はないのであるから、やはり高槻市に損害が発生しているといわざるをえない。
 なお、広島高裁岡山支部平成21年6月4日判決は、平成14年に要綱違法解釈の判例が3件出ていたことに鑑みれば、市長個人に公金違法支出にかかる過失が認められてしかるべきであるとしているから、仮に上記のような附属機関を設置して条例策定作業を具体的に進める必要性等があった場合でも、本件各組織の委員らに対する支出は、高槻市の損害であり、濱田個人に責任があるといわざるをえない。
 上記のとおり、少なくとも平成23年度に本件の違法性を認識しえた被告は、遅くとも平成24年12月議会で違法性を治癒しえたのであるから、さいたま地裁平成14年1月30日判決のような事情を酌量する余地はない。

3 意見を述べるだけでは適法な附属機関と同等の報酬は認められない

 被告は、高槻市事業公開評価会について「・・・同評価会では、評価者の意見の列挙をするのみ」(平成25年5月27日付被告準備書面(1)9頁15行目)、高槻市行財政改革懇話会等について「・・・各委員から意見が述べられているに過ぎ」ない等としている(平成25年7月30日付被告準備書面(2)2頁3乃至4行目)。
 さいたま地裁平成14年1月30日判決(乙A11)の前項の判断基準からすれば、喫緊の課題の解決のための具体的作業に対し支給する報酬等であれば、違法であっても損害が生じていないといえるが、単に意見を述べるだけでは、そのような具体的作業とはいえないので、委員らへ支出した公金は市の損害といえる。

第3 最高裁判例が存在しないことについて

 被告は、原告の「被告の地方自治体側あるいは相手方の首長等が上告を断念するほどに、違法性が明確であったと考えられる。」との主張に対し、「原告の憶測の域を出ない」、「一般論として、上告棄却あるいは上告不受理決定の際には、判例集に掲載されないことが多く、上告されているか否かも不明である・・・原告の主張は極めて短絡的」と反論するが(平成26年3月27日付被告準備書面(5)11頁13乃至17行目)、法律・条例に基づかず設置された「附属機関」に係る支出の違法性について判断した最高裁判例は存在しないと主張したのは被告である(平成26年1月23日付被告準備書面(4)8頁3乃至5行目)。
 被告は、何故「最高裁判例は存在しないと主張」と主張したのか。また、これと矛盾するような主張を今回行ったのか。
 被告は、「高槻市営パス営業所売上金不明事案特別調査員は、・・・調査を行い(乙C3)」としていたのに(平成25年5月27日付被告準備書面(1)10頁下から1行目乃至11頁2行目)、これを「調査の指導及び助言又はその準備行為を行い」と訂正すると言い出した(平成26年3月27日付被告準備書面(5)5頁2乃至5行目)。
 被告は故意に誤った主張をしているのではないのか。

第4 原告が条例制定の提案をすれば良い等との被告主張について

 被告は、下記の主張をする(平成26年3月27日付被告準備書面(5)16頁2乃至6行目)。



・・・原告は、「行政・議会が、附属機関とも一定考えうる組織の設置のために条例を制定することは、学説の決着を待つよりははるかに容易である」と主張するが、仮にそうであるならば、高槻市議会議員である原告こそが、そのような条例制定の提案をすれば良いのであるが、原告はそのような活動を一切行っていない。

 原告は、原告準備書面4記載のとおり、「そのほうが、議会も納得の上なのだから、行政が人知れず単独で要綱等を制定し組織をつくるよりも、むしろ住民にとっては透明性が高いといえる。地方自治法の規定も、そのような透明性を確保させるために、条例で附属機関を設置するよう求めているのではないのか。」と提案しているだけである。
 原告は、平成24年12月4日の高槻市議会本会議において、本件の問題について取り上げ、「・・・附属機関と、それ以外の組織との区別が不明確になってきているから8月から整理に着手したというご答弁ですが、こうしたことが違法であるとする裁判所の判決は既に平成14年ごろには出ています。なぜ、これまで放置してきたんでしょうか。・・・議会として、この違法、不当に支出された公金の相当額の賠償返還を責任者等に求めるべきだと思います。議員各位の賢明なご判断を期待して、質問を終わります。」と述べた。同月7日の総務消防委員会でも質問したが、被告が本件各組織の違法性を認めず、また条例改正案に本件各組織を入れなかったこともあり、「・・・特に、私が問題だと思うのは、特別顧問、特別調査員、特別改革検討員です。こういうほかの委員と比べて高い報酬の特別ほにゃらかというのを、法律や条例に基づかず、市長が勝手に設置するというのは、これは裁量権の逸脱、濫用ではないのでしょうか。こういうことを議会として許してはいけないと思います。 ですので、この条例改正案には反対です」と述べた。
 議会でこうした主張をした原告が、被告が言うような条例制定の提案などするはずがない。被告は原告のこうした議会での主張を知りながら、何故訳の分からない主張をするのか、理解に苦しむ。
 また被告は、原告の「学者同士で論じてもきりがなく、決着は極めて困難と思われる。」との主張は,学者に対する冒涜としかいいようがないというのであるが(平成26年3月27日付被告準備書面(5)16頁最終行乃至17頁1行目)、学説が複数あり、それらが対立することは往々にしてあることである。それを冒涜などというのは失当である。

第5 評価しない「評価会」、調査しない「調査員」等についての追加主張

 これらについてはこれまでの原告訴状及び準備書面に記載のとおりであるが、上記判例等を踏まえ、さらに補充する。

1 評価しない「評価会」に変更したのは、成果はどうでもよく、開催すること自体が目的、すなわち政治的パフォーマンスが目的であること

 原告準備書面4第2記載のとおり、当初、高槻市事業公開評価会は「事務事業の評価を行う機関」であった。評価の実施は、公開の場において、評価者と職員との質疑並びに評価者間の議論を踏まえた評価をコーディネーターのもとで行うものとされ、コーディネーターは評価者各自の意見の総括を行うこととされていた。これにより、市長が対象事業を選定するにあたり助言等をするというのである。(甲A−4・4頁)。
 しかし、被告は、平成24年6月1日に施行された高槻市事業公開評価会実施要綱を、平成24年10月3日に改正し、同評価会を、名称はそのままで、評価を行わない組織に変更した(平成25年5月27日付被告準備書面(1)10頁、乙B−2)。変更後の同評価会においては、「・・・評価者の意見の列挙をするのみ」であるという(平成25年5月27日付被告準備書面(1)9頁15行目)。
 すなわち、同評価会は、設立当初の目的が変更されたのである。
 会の名称ともなっている「評価」という核心の目的を失ったのであるから、組織を維持しても意味がない。解散するのが普通である。「評価者の意見の列挙をするのみ」では、結局は、被告が意見を判断することになるのだから、列挙された意見それ自体をもって市政に資するということもできない。
 ところが被告は、この評価をしない「評価会」を維持し、あまつさえ開催までしてしまった。
 つまり、この評価会の真の目的は、評価をすることではなく、開催すること自体だったのである。
 評価会は、濱田が「高槻版事業仕分け」と位置付けていたものであり、彼の目玉的な政策である。開催することで、あたかも事業仕分けがなされたように、有権者にアピールすることが、真の狙いだったのだ。
 以上のとおり、評価会の開催は、さいたま地裁平成14年1月30日判決が示すような喫緊の課題の解決のための具体的作業ではない。
 したがって、評価会の評価者及びコーディネーターへの公金支出は、被告の裁量の逸脱・濫用という点からも、違法といわざるをえない。
 なお、被告は「高槻市事業公開評価会は,平成24年10月7日に1回限りで開催された,臨時的・一時的なものである。」というのであるが(平成25年5月27日付被告準備書面(1)10頁下から11乃至10行目)、さいたま地裁平成14年1月30日判決は、上記のとおり、臨時的、一時的な組織であっても、要綱で設置されたものは違法であるとしている。

2 調査しない「調査員」について、議会でも法廷でも嘘を吐く被告

 被告は「高槻市営パス営業所売上金不明事案特別調査員は、・・・調査を行い(乙C3)」としているが(平成25年5月27日付被告準備書面(1)10頁下から1行目乃至11頁2行目)、この主張を翻し、実際には「指導及び助言又はその準備行為」をしていたとする。
 濱田は、平成24年6月27日の高槻市議会本会議において、「市営バス営業所売上金不明事案につきまして、特別調査員による特別調査が終了いたしましたので、ご報告申し上げます。」と行政報告を行った(甲C−2)。実際には市職員が調査したのに、それについてまったく言及せず、濱田自身が、議会で、特別調査員が特別調査を行ったと、故意に、嘘の報告を行ったのである。
 被告は、6月22日に、特別調査員2名の連名で、「高槻市営バス営業所売上金不明事案特別調査業務に関する結果報告書」が提出されたとしているが(平成25年5月27日付被告準備書面(1)11頁2乃至4行目)、原告が被告に対し、法廷で尋ねても、情報公開請求しても、そのような特別調査員連署の結果報告書は存在しないということであった(甲C−4乃至7)。被告は法廷においても嘘を吐いているのである。実際には調査は市職員が行い、特別調査員は調査をせず、指導等をしていたというのであるから、特別調査員による結果報告書など作成のしようもないのであるが、このような成果物が存在しない以上、やはり、公金の支出は違法といわざるをえない。
 被告がこうして嘘に嘘を重ねるのは、「調査であれば計124万3千円もの高額の支出もやむをえまい」と錯誤させるためであると考えられる。
 被告は、特別調査員らは、指導や助言を行ったという。特別調査員らの指導・助言の状況を見ると、連日のように2時間から6時間も指導や助言を行っており、過半が4時間を超えているということである(乙C3−2・2頁)。指導や助言のためだけに、これだけの時間を費やすことは常識的には考えられない。その詳細についても箇条書きがされているだけで、具体的には何を行ったのかが分からない(乙C3−1及び2)。上記の議会での虚偽報告や結果報告書を作成したとする嘘を併せて考えれば、指導や助言が実際にされたのかどうかも疑わしい。
 被告は、特別調査員らに対し、計124万3千円もの支給をしたが、以上からすれば、過大な支出であり、被告の裁量の逸脱・濫用という点からも、違法といわざるをえない。
 なお、被告は、特別調査員らとは、臨時的・一時的に、私法上の準委任契約をしたというのであるが、そのような説明は議会では一切されていないし、契約書もない。あくまで要綱で設置されており、他の附属機関同様、名称、趣旨、期間、報酬、庶務担当部署などが定められている。「附属機関」の定めが地方自治法にある以上、被告の裁量で「私法上の準委任契約」などすることはできず、条例で設置しなければ違法である。もしこうしたことを許せば、被告の裁量で際限なく「特別○○」が作られ公費が浪費されてしまうことになる。
 「特別調査員」との名称を付す以上は、調査を行う者と考えるのが当たり前である。調査をしないのに「特別調査員」との特別な名称を付けたのは、議会や市民を騙す意図が被告にあったと見做さざるをえない。
 やはり、濱田の政治的パフォーマンスか、特別調査員らへの利益供与を隠す目的でされたものと考えられる。

3 不要な「特別顧問」は選挙応援の見返り

 高槻市特別顧問のうち、■■■■及び■■■■は(乙D5)、濱田が市長選挙に立候補した際、濱田を応援するとして、選挙公報に名を連ねている(甲D−3)。
 高槻市特別顧問は、要綱によって、設置目的を、「市長が市の重要な政策課題の解決及び行財政改革の一層の推進を図り、もって市政のさらなる発展と活性化に資するため」とされている(甲D−1)。
 一方で、高槻市には、条例により設置された「高槻市行財政改革推進委員会」があり、この担任事務は「行財政改革の大綱の策定及び推進についての調査審議に関する事務」とされている(乙A3)。
 両者は行財政改革の推進という点で重複しているのである。
 特別顧問に対して意見が求められたのは、平成24年4月23日の1回だけであり、時間もわずか1時間半で、内容も、A4の紙の半分に箇条書きされているだけの、それほど高度なものとはいえないものなのであるから(乙D3)、特別顧問は不要といわざるをえない。
 特別顧問は、「市の重要な政策課題の解決」も設置目的としているが、具体的に重要な政策課題が解決されたわけでもないから、やはり不要である。
 以上からすれば、高槻市特別顧問は、不要であり、実質的には、高槻市の有力者や、あるいは濱田の知人に、高槻市の「特別顧問」という名誉ある肩書きと金銭を与えるために設けられたものとしか考えられない。
 したがって、被告の裁量の逸脱・濫用という点からも、違法といわざるをえない。

第6 松江地裁平成25年8月5日判決(乙A12)と被告主張の問題点

1 地方自治法138条の4第3項の独自解釈

 松江地裁平成25年8月5日判決は、昭和27年に新設された地方自治法138条の4第3項について「その立法者意思は明確ではない。」としながら、「・・・上記制度趣旨は・・・首長による附属機関の濫設置を防止すること、又は、議会の民主統制を及ぼす必要があること」とし、「濫設置に当たらず、かつ、議会による民主統制の必要のない機関であれば、首長の合理的な組織編制権限に委ねられているものと解すべき」と、独自の解釈を展開している(乙A12・21頁左段2乃至21行目)。
 しかし、この解釈は、さいたま地裁平成14年1月30日判決の「今後は,行政組織の一環をなす附属機関の設置は,すべて条例に定めなければならないこととする趣旨で本条が新設された経緯(昭和27年8月法律第306号)からみても,このように解するのが相当である。」といった判示に反するものであり、不当である。
 仮に、「濫設置に当たらず、かつ、議会による民主統制の必要のない機関」であれば、首長の裁量で設置できるというのなら、濫設置等についての基準を示すべきである。しかし、松江地裁判決には、いくつかの項目が示されているだけで、それぞれがどれだけの範囲を超えれば濫設置等なのかは記されていない。
 基準が示されていない以上、同判決の上記判示を本件に当てはめるのは、事例も異なるし、無理がある。
 被告は同判決の上記判示を強引に引用し、たとえば「高槻市採石等公害防止対策協議会」については、「・・・また,委員の人数は35人以内(甲Q1,第4条1項)とその組織の目的及び活動内容に鑑みると不必要に多いとはいえないし・・・組織編成権の濫用と評価されるような事情はない。」というのであるが(平成26年3月27日付被告準備書面(5)27頁)、さすがに35人は多いのではないかと思われる。
 また、「高槻市採石等公害防止対策協議会」について「関係地区住民代表・・・を選任し,外部の意見を取り入れることによって・・・組織自体が民意を反映させる実質を有しており,議会による民主的統制を及ぼす必要はない」としながら、「高槻市障害児就学指導委員会」については、「・・・委員の大半が内部職員により構成されており,実質的には市の内部組織であるというべきであり,濫用的設置を防止すべく,あえて議会による民主的統制を及ぼす必要はない」という(平成26年3月27日付被告準備書面(5)27頁)。
 被告は、一方では外部委員が多いから民意が反映され議会による民主的統制は必要ないといい、また一方では委員の大半が内部職員だから議会による民主的統制は必要ないのだというのである。自己矛盾をきたしているとしかいいようがない。
 このように、同判決を引用した被告自身が混乱した主張をしているのだから、議論にならない。

2 常設の組織でなければ附属機関でないとする誤り

 同判決は、常設的機関でなければ附属機関ではないとする(乙A12・21頁左段下から7行目)。
 しかし、地方自治法138条の4第3項に附属機関として規定されている自治紛争処理委員は、事件の都度任命され(甲A−9)、事件が終われば失職するのであって(甲A−10)、常設的機関といえないから、同判決の上記判断は誤りである。
 そもそも地方自治法138条の4第3項は、「普通地方公共団体は、法律又は条例の定めるところにより、執行機関の附属機関として自治紛争処理委員、審査会、審議会、調査会その他の調停、審査、諮問又は調査のための機関を置くことができる。・・・」と定めているだけで、常設的設置であるとか、合議制であるとかの規定は一切ない。
 なお、被告は、合議制でなければ附属機関ではないと主張しているが、同判決では、「合議制の機関か否かは、附属機関条例主義の制度趣旨との関係では、その具体的要素として重要ではない。」とし(乙A12・21頁左段最下行乃至右段2行目)、合議制でなくとも附属機関であるとしている。

第7 被告準備書面(5)第5に対する反論

 被告は、上記のとおり、松江地裁平成25年8月5日判決(乙A12)を強引に引用し、失当な論を展開している。
 被告は、「高槻市営バス営業所売上金不明事案特別調査員」、「高槻市特別顧問」、「高槻市交通部に関する特別改革検討員」については、「私法上の準委任契約」がされているというのであるが、契約書は存在せず、他の本件各組織同様、要綱で設置されているだけである。
 同判決は、附属機関か否かを判断する具体的要素として、a.当該機関の設置の目的、b.委員構成、c.委員の任期・設置期間を考慮すべきであるとしている(乙A12・21頁左段最下段落。)
 このうち「a.当該機関の設置の目的」については「諮問事項」との付記があるが、本件の場合は、地方自治法138条の4第3項の規定からすれば、「調停、審査、諮問又は調査の事項」と言い換えることができるだろう。
 本件各組織は、すべて、要綱にこれらの項目が含まれており、かつ、外部委員に対する報酬の類の規定もあるから、やはり附属機関であり、条例設置されていないから違法で、これに係る公金支出は高槻市の損害である。

第8 高槻市事業公開評価会が要綱なしで存続していること

 被告準備書面(5)第1第9項(1)では、高槻市事業公開評価会について、平成25年度は、行財政改革推進委員会の分科会により実施し、要綱は既に廃止されているというのであるが、原告が検索しても、条例や規則には「高槻市事業公開評価会」の名称が一切出てこない。
 要綱で設置された「高槻市事業公開評価会」が、要綱が廃止された後も、以前と同じ形式で行われているのであれば、要綱すらない状態で、実質的な附属機関が設置されているといわざるをえない。
 「高槻市事業公開評価会」が、条例に基づき適法に設置されたものというためには、条例上に「高槻市事業公開評価会」の名称と共に、a.当該機関の設置の目的、b.委員構成、c.委員の任期・設置期間を明記する必要があるから、現時点でもやはり違法であり、評価者やコーディネーターへ支出された公金は高槻市の損害であるといわざるをえない。

以上



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posted by 北岡隆浩 at 22:46| 大阪 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 高槻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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