2014年12月16日

【雨水貯留施設】過大な被害想定が生む税金の無駄遣い

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京大農場跡地の公園(安満遺跡公園)の地下に雨水貯留施設を設置することでどれだけ被害が軽減できるのか、高槻市が浸水シミュレーション等を行って被害軽減額を算出したのですが、それがとても過大で、算出根拠がおかしいということを以前書きました。

どのようにして高槻市がそんな過大な被害額を算出したのか。情報公開請求をしたところ、平成25年11月14日付の「高槻東排水分区((仮称)安満遺跡公園内雨水貯留施設)費用効果分析検討書」というものが出てきました。

この費用効果分析検討書を見ると、以前高槻市から示された毎時110ミリの豪雨の浸水シミュレーションとは違うやり方で、50年に1度の確率の76ミリ、30年に1度の確率の70ミリの浸水シミュレーションがされていて、しかも何故か76ミリのほうが110ミリよりも床上浸水の範囲が広いようになっていました。

被害額も50年分を積算しているし、とても説明がつかないようなやり方をしていました。

この12月議会では、雨水貯留施設の設置のため、26億円の債務負担行為を設定するというので、この費用効果分析検討書について質問しました。すると、平成24年8月の110ミリの豪雨でも浸水しなかった家屋やマンションの2階以上の資産も含めて被害額を出しているようだということが分かりました。

とても現実離れした被害額の算定方法ですが、これは「国が監修する手引きに基づき、マニュアルを活用」したからとのこと。実際の被害状況から被害額を算定できるはずですが、何故か高槻市はそれをしようとしません。

こんな算定を何故行ったのか。それは「被害額の算定を含め、費用効果の算出が国の交付金採択に必要であることから実施したもので、交付金採択に必要のないものは実施しておりません。」ということだそうです。

国は費用の半分を交付金で賄ってくれるというのですが、高槻市も半分を負担するわけです。

私は以下の意見を言って、質問を締めくくりました。

国が、雨水貯留施設の工事費の全額を負担してくれるのであれば、国の基準で費用対効果を算出すればいいと思うんですが、高槻市の税金・公金も使うわけです。だったら、高槻市として、本当に、費用対効果が高いのか、税金の無駄遣いにならないのか、市民のためになるのか、ちゃんと検証しなければならないはずです。

それをせずに、26億円もの債務負担行為を設定して、工事をするなんてことを、行政としてはやってはいけないはずです。それに、現実的な被害軽減額を考えると、110ミリの豪雨の被害額は、先ほど申し上げたとおり、5億円くらいと考えられますし、雨水貯留施設を設置したって、その何分の1しか軽減できないわけですから、被害軽減額を分子、工事費を分母として、費用対効果を出すわけですけれども、どう考えても、1を大きく下回る。つまり、現実的な費用対効果は乏しいと考えられるわけです。

ですので、私は、この補正予算案には賛成できません。そのことを表明して、質問を終わります。


以下は12月4日の本会議でのやり取りです。原稿とメモに基づいているので不正確な部分があることをお許しください。

■議案第149号 平成26年度高槻市公共下水道特別会計補正予算(第3号)

<質問1>
 安満遺跡公園内の雨水貯留施設整備事業について、期間を平成26年度から28年度まで、限度額を26億円とする債務負担行為を設定するということです。これについて13点伺います。
1.今年度は雨水貯留施設の設置に向けた実施設計を行うということでしたが、これの詳細・費用・進捗状況をお教えください。
2.債務負担行為の設定額を26億円としていますが、この金額の根拠をお答えください。
3.昨年12月議会の都市環境委員会協議会で配布された平成25年12月6日付の資料によると、この雨水貯留施設について、設置した場合の被害軽減額を「便益」として、その金額を54億3500万円、事業費を23億3000万円として、費用対効果を54億3500万円÷23億3000万円=2.33と算出していました。費用対効果が1を超えると国から交付金が出るということですが、高槻市としても、費用対効果が1を超えるから、この雨水貯留施設を設置するということなのでしょうか?費用対効果が低ければ設置はしないのでしょうか?費用対効果に関する市の見解をお聞かせください。
4.同じく平成25年12月6日付の資料には、「高槻東排水分区における浸水シミュレーションを実施するに当たり、前提として以下の設定を行った。」「対策前の降雨については、既往最大降雨である、昨年8月14日の時間当たり110mmを採用し、雨の降り方(降雨量と時間との関係)も当時のものを再現した。」という記載があり、雨水貯留施設設置前後の2パターンについて、時間当たり110mmの浸水シミュレーションを行ったとするカラーの図も添付されています。ところが私が情報公開請求で得た平成25年11月14日付の「高槻東排水分区((仮称)安満遺跡公園内雨水貯留施設)費用効果分析検討書」には、110mmのシミュレーションがありませんでした。また、この分析検討書の50年確率の溢水予測区域図のほうが、200年以上に1度の確率で起きる110mmのシミュレーションよりも、一般家屋で床上浸水が起きると想定されている45cm以上浸水する区域が多いように見えます。これはどういうことなんでしょうか?110mmのシミュレーションは本当にちゃんとされたのでしょうか?詳細をお教えください。
5.110mmの浸水シミュレーションの結果、その被害想定額はどれだけになったのでしょうか?お答えください。
6.平成25年12月6日付の資料には、貯留量が20000立米の場合だけでなく、22500立米の場合、25000立米の場合、27500立米の場合、30000立米の場合についても便益が算定されています。これらはどのように算定したのでしょうか?浸水シミュレーションの結果から算定されているのでしょうか?詳細をお教えください。
7.分析検討書では、被害額の算定根拠である資産額について、「京都府の平成24年評価額をそのまま用いた」と記載されています。なぜ京都府の評価額を用いたのでしょうか?
8.同じく、家屋の資産額については、床面積×1平米当たり16万5700円という算定式が示されていますが、床面積を何平米として計算したのでしょうか?また、この床面積には、戸建て住宅の2階以上や、マンションやビルの2階以上の部分も含まれているのでしょうか?
9.この算定根拠に基づくと、住宅1戸あたりの被害想定額は、30年に1度の確率の降雨と50年に1度の確率の降雨で、それぞれどれだけになるのでしょうか?また、床下浸水と、床上浸水とでは、それぞれどれだけになるのでしょうか?
10.事業所については「鉱業」というものがあるのですが、辞書で引くと、鉱業とは「石油・石炭や天然ガスなど、地中の鉱物資源を採掘する業種」とのことです。この鉱業をされている事業所は、東排水分区ではどれだけあるのでしょうか?また、その資産評価額や被害想定額については、分析検討書では、どれだけとしたのでしょうか?
11.被害想定にあたっては、30年確率と50年確率の雨量で算定していますが、なぜ30年と50年なのでしょうか?根拠をお教えください。
12.便益算定表という表では、1年間の被害軽減額を50年分積算して、その総和である54億3500万円を便益としていますが、なぜ50年分を足すのでしょうか?また、1年分の便益を算定するのに、現在価値化率というのをかけているのですが、毎年4%ずつ割り引いています。これは、雨水貯留施設の機能が毎年4%ずつ劣化していくということなのでしょうか?それともそうではないのでしょうか?詳細をお教えください。
13.平成25年8月2日の史跡整備等特別委員会の資料には、「高槻中排水分区から高槻東排水分区へのバイパス管渠を建設することにより、高槻中排水分区おいても浸水被害軽減効果が表れると考えている。」と記載されています。このバイパス管渠については、どうされるのでしょうか?お答えください。

<答弁>
1 実施設計については、本年5月に、2895万0480円で委託業者と契約し、現在、鋭意取り組んでおります。
2 債務負担行為の設定額は、安満遺跡公園内雨水貯留施設整備事業に要する限度額として設定しております。
3 本事業は安全・安心のまちづくりを推進するための取組であり、計画降雨を超える豪雨時に対し、浸水被害軽減のために実施するもので、費用対効果につきましては、あくまで、国の交付金の採択を受けるために必要となるものであります。
4 時間降雨110ミリの浸水シミュレーションは適切に実施しております。一方、費用効果の分析検討で必要とされる浸水シミュレーションにつきましては、「下水道事業における費用効果分析マニュアル」に基づき、10年、30年、50年確率降雨で行っております。また、シミュレーションと費用効果を分析するためのメッシュの取り方については、基準に基づき異なっております
5 被害想定額については、マニュアルに基づき50年確率降雨までで算出しており、時間降雨110ミリでの被害額は算出しておりません。
6 便益については、それぞれの貯留量に対して、シミュレーションを行い、算出しております。
7 報告書では「大阪府」と記載すべきところ「京都府」と記載しておりますが、算出につきましては大阪府の評価額を用いて行っております。
8 家屋の資産額については、マニュアルに基づき2階以上も含め総床面積として算出しております。
9 被害想定額については、マニュアルに基づき算出しているもので、住宅1戸あたりの算出をするものではございません。
10 「資産額の算出方法」で記載している業種ごとの資産評価額等については、「鉱業」をはじめ、東排水分区内で存在しない業種は対象としておらず、被害想定額にも含めておりません。
11 被害想定額の算定については、50年確率降雨までで算定することとなっている、マニュアルに基づき行っております。
12 便益算定については、下水道施設の耐用年数が50年であることから、50年間の総和として算定しております。また、4%の割引率については、被害軽減期待額を算出するにあたり、社会的割引率として反映しているもので、それぞれマニュアルに基づいて算出しているものです。
13 バイパスについては、現在、種々検討しております。

<質問2>
1.費用対効果の算出については「あくまで、国の交付金の採択を受けるためのもの」であるとのことですが、では、現実的な被害軽減額や費用対効果は、それぞれどれだけなのでしょうか?お答えください。
2.平成25年12月6日の都市環境委員会協議会の資料にある毎時110ミリの降雨を想定した浸水シミュレーションと、平成25年11月14日付の費用効果分析検討書に記載されている50メートルメッシュの浸水シミュレーションとでは、どちらがより現実に近いのでしょうか?
3.費用効果分析検討書には社団法人下水道協会発刊の「下水道事業における費用効果分析マニュアル(案)」などに基づいて費用効果分析を行ったとされていますが、なぜ、マニュアルには(案)と付いているのでしょうか?
4.このマニュアル(案)に基づいて費用対効果を算出しなければならない根拠は何なのでしょうか?法的な根拠などがあるのでしょうか?具体的にお答えください。
5.110ミリの浸水シミュレーションと同じ形で、30年に1度の確率とされる70ミリと、50年に1度の確率とされる76ミリの浸水シミュレーションは、行わなかったのでしょうか?行ったのであれば、どういう結果だったのか、浸水深が20cm未満、20cm以上45cm未満、45cm以上の面積は、30年確率と50年確率では、それぞれ、雨水貯留施設が未整備の状態と、整備した状態とでは、どれだけなのか、お答えください。
6.平成25年12月6日の都市環境委員会協議会の議事録を見てみましたが、被害軽減額については、110ミリの浸水シミュレーションに基づくものであるかのような説明がされています。当日の委員会協議会の資料も同じで、被害軽減額が、30年確率と50年確率に基づくものとは、どこにもまったく書かれていません。なぜ、そのような資料を配布し、説明を行ったのでしょうか?
7.「被害想定額については、マニュアルに基づき50年確率降雨までで算出しており、時間降雨110ミリでの被害額は算出していない」とのことですので、マニュアルに基づいて作成したという費用効果分析検討書での分析の考え方についておききします。分析検討書の記載によると、10年確率の毎時48ミリの降雨であれば、それに対応できるだけの下水施設が整備されているので、浸水が発生しないということになっています。ということは、30年確率の毎時70ミリの降雨であれば、70−48=22ミリの雨水が、50年確率の毎時76ミリの降雨であれば、76−48=28ミリの雨水が、平成24年8月の豪雨の毎時110ミリの降雨であれば、110−48=62ミリの雨水が、それぞれ、その地域に溜まるという考えでよろしいのでしょうか?
8.ご答弁では、委員会協議会の資料に示された各便益については、「それぞれの貯留量に対して、シミュレーションを行い、算出」したとのことです。そのシミュレーションというのは、具体的にどういうシミュレーションなのでしょうか?委員会協議会の資料に示されたシミュレーションなのでしょうか?それとも、分析検討書に示されたシミュレーションなのでしょうか?それとも、それらとは別のシミュレーションなのでしょうか?具体的にお答えください。
9.報告書では「大阪府」と記載すべきところ「京都府」と記載したとのことですが、それはどういうことなんでしょうか?間違っていたということなんでしょうか?明確にお答えください。
10.「家屋の資産額については、マニュアルに基づき2階以上も含め総床面積として算出」しているとのことですが、被害額の算定根拠には、2階以上の資産評価額も含まれているのでしょうか?例えば、10階建てのマンションであれば、2階から10階までの部屋の資産評価額も算定根拠に含まれているということでしょうか?具体的にお答えください。
11.それぞれの浸水シミュレーションでは、2階以上も浸水するという結果が出たのでしょうか?最大でどれだけの深さの浸水になったのか、それぞれの浸水シミュレーションでの数値をお答えください。
12.それぞれの浸水シミュレーションでは、床上浸水と床下浸水が、それぞれ、何軒の住宅で起きるという結果になったのでしょうか?
13.マニュアルでは50年確率の降雨までで被害額を算定することとなっているということです。高槻市は、110ミリの浸水シミュレーションを行いながら、何故、被害額の算定を110ミリでは行わなかったのか、不思議ですよね。雨水貯留施設を設置すれば、110ミリのゲリラ豪雨・集中豪雨が起きた場合、どれだけ被害の軽減ができるのか、誰もが気になるところだと思います。なぜ、110ミリの被害額の算定を行わなかったのか、具体的な理由をお答えください。
14.110ミリの浸水シミュレーションでは、何が得られたのでしょうか?110ミリの豪雨を想定しての被害額は出さなかったということですが、では、110ミリの浸水シミュレーションというのは、高槻市政・高槻市民にとって、どのように役に立つのでしょうか?具体的にお答えください。
15.110ミリの浸水シミュレーションは、誰が、いつ、どのように行ったのでしょうか?また、費用はどれだけかかったのでしょうか?
16.30年と50年確率降雨の被害額の算出や浸水シミュレーションは、誰が、いつ、どのように行ったのでしょうか?また、費用はどれだけかかったのでしょうか?
17.便益の算定において、毎年の被害軽減額を50年間分積算して総和を出す際に、前年度の被害軽減額から毎年4%ずつを割引することについてお聞きしたところ、その4%というのは「社会的割引率」だということでした。この「社会的割引率」とは具体的に何なのでしょうか?分析検討書によると、便益の現在価値は、毎年4%ずつ減っていって、初年度2億4300万円が、50年目には3600万円になるとされています。率にすると、初年度の14%に最終的にはなるわけです。つまり86%も減るということです。雨水貯留施設の性能が50年経つとそれだけになってしまうんでしょうか?この差がよく分かりません。「社会的割引率」について、解りやすい解説をお願いします。
18.中排水分区から東排水分区へのバイパス管渠については、現在、種々検討しているとのことですが、具体的にどのような検討をされているのでしょうか?また同じような浸水シミュレーションや被害額の算定をされるのでしょうか?
19.中排水分区と東排水分区をバイパスでつないだ場合、両方の地域に集中豪雨が降ったとき、中排水分区から下水を通じて流れ込む雨水のために、雨水貯留施設が想定よりも早くいっぱいになってしまって、東排水分区の浸水被害が大きくなるということも考えられるのでしょうか?お答えください。

<答弁>
1 費用効果分析については、あくまで国の交付金の採択を受けるために実施したもので、それ以外の算出はしておりません。
2 それぞれのシミュレーションは、対象とする降雨が異なるため、比較できるものではありません。
3 日本下水道協会が発刊しているため、本市では分かりかねます。
4 国の交付金の採択を受けて下水道事業を実施するにあたっては、国が監修する手引きに基づき、マニュアルを活用することとなっております。
5 30年及び50年確率降雨については、マニュアルに基づきシミュレーションを行っておりますが、費用効果を求めるために必要でないものは算出しておりません。
6 費用対効果の表については、2万立米の雨水貯留施設の費用対効果がもっとも高いことをご確認いただくためのものであります。
7 引き算で計算できるような単純なものではございませんので、コンピューターによる浸水シミュレーションを実施しております。
8 貯留量毎の便益を求めるため、マニュアルに基づきそれぞれシミュレーションを行っております。
9 1問目でお答えしたとおり誤って記載したものです。
10 家屋の資産額については、マニュアルに基づき2階以上も含め総床面積として算出しております。
11・12 浸水シミュレーションは、家屋ごとの浸水深や件数を算出するものではございません。
13 被害額の算定を含め、費用効果の算出が国の交付金採択に必要であることから実施したもので、交付金採択に必要のないものは実施しておりません。
14 110ミリの浸水シミュレーションは、雨水貯留施設の整備によって床上浸水を防ぎ、緊急交通路の機能を確保するという重要なハード整備の目標達成を確認するためのものであります。
15・16 浸水シミュレーションについては、平成25年度の委託業務において実施したもので、委託費は2100万円でございます。
17 社会的割引率とは、マニュアルによりますと、「費用効果分析において、将来の便益や費用を現在の価値として統一的に評価(現在価値化)する際に割り引くための比率である」となっております。
18・19 バイパス管渠につきましては、費用効果や実現可能性も含め検討しているところです。

 答弁は以上でございますが、ご質問の中で、平成25年12月6日の都市環境委員会協議会で提出した資料と説明について述べられましたが、当然のことながら、この資料は正しいもので、各説明は適切に行ったことを申し添えます。また、費用対効果についても適切に算出し、既に国に受理していただいております。

<質問3>
1.国の交付金は、どのような名目で、どれだけの割合あるいは金額が交付されるのでしょうか?
2.費用効果分析については、あくまで国の交付金の採択を受けるために実施したもので、110ミリの費用対効果の算出も行っていないということですが、高槻市として、現実的に、どれだけの被害軽減額が見込めるのか、どれだけ費用対効果があるのかを、算出するつもりは、最初からなかったということなのでしょうか?市の見解をお聞かせください。
3.「家屋の資産額については、マニュアルに基づき2階以上も含め総床面積として算出しております。」とのご答弁ですが、10階建てのマンションの2階から10階までの部屋の資産評価額も被害額の算定根拠に含むことについて、非現実的だとは考えなかったのでしょうか?市の見解をお聞かせください。

 あとは意見を述べます。
 マニュアル(案)に基づいて作成された費用対効果分析検討書によると、30年に1度の確率の1時間あたり70ミリの降雨のとき、雨水貯留施設を設置しなかった場合の被害額は104億3000万円、設置した場合の被害額は45億5300万円で、その差の58億7700万円が被害軽減額だと計算されています。
 50年確率の76ミリの降雨のときは、雨水貯留施設を設置しなかった場合の被害額は164億9400万円、設置した場合の被害額は71億2800万円、被害軽減額は93億6600万円。これは東排水分区だけの数字です。
 でも、そんな70ミリの雨で、100億円単位の被害が出るはずなんかないということは、ここ数年の豪雨を経験していれば、常識的に分かるはずです。この怪しげなマニュアル(案)に基づいて、200年以上に1回の確率の110ミリの降雨の被害を計算したら、もっととんでもなく現実離れした額が出るんじゃないでしょうか。
 ご答弁によると、家屋の資産額については、マニュアル(案)に基づき2階以上も含め総床面積として算出しているとのことです。110ミリの豪雨でも2階が水に浸かったという話を私は聞いたことがありませんが、マニュアル(案)に基づく計算では、やはり、2階以上も被害を受けたものとしているのでしょうか。そうだとすると、計算の前提が滅茶苦茶ですよね。
 我々は、110ミリの雨を経験しています。被害の状況も分かっています。マニュアルやシミュレーションに基づかなくても、現実の被害額を概算で出せるはずです。私は、3月議会の一般質問で、実際の被害状況や民間企業の補修費の相場、国土交通省の調査結果から、高槻市の全体の被害額は30億円程度で、東排水分区でだけで見ると5億円程度ではないかと指摘しました。だいたいそのくらいではないかなと思います。
 平成20年8月6日にも最大時間雨量82ミリの集中豪雨がありました。このときは、床上浸水45件、床下浸水102件などの被害が発生しました。被害額を先ほどの私のやり方で計算してみると、合計が市全体で約5億円になりました。東排水分区だけだと1億円くらいではないでしょうか。82ミリでこれだけなので、70ミリ台の雨で、とても100億なんて被害が出るとは考えられません。
 企業等の事業所の被害は別なのかもしれませんが、分析検討書によると、事業所の被害額は、雨水貯留施設を整備していない場合で、家屋や家庭用品の被害の約4分の1なので、それを併せても、やはり100億の規模になるとは考えられません。
 高槻市は、なぜ、こんなふうに、現実に起きた被害から、被害額を算出しようとしないのでしょうか?
 2100万円も使って浸水シミュレーションなどをしたということですが、過大に水増しした被害額が算定されただけで、現実的な数字は出されなかった。なぜ110ミリの浸水シミュレーションに基づく被害額が出さなかったのか。本当に失望を覚えます。税金の無駄遣いだったのではないのでしょうか。
 それだけではなく、平成25年12月6日の都市環境委員会協議会では、被害系減額として54億3500万円という数字を示して、あたかも110ミリの浸水シミュレーションの結果であるような資料を作成し、説明をした。私が議会で取り上げ、情報公開請求をしなければ、その算定根拠というのが30年確率と50年確率だったという、そういう真実は分からなかったと思います。議員を騙す意図で、高槻市はそういうことをしたのではないのでしょうか?
 国が、雨水貯留施設の工事費の全額を負担してくれるのであれば、国の基準で費用対効果を算出すればいいと思うんですが、高槻市の税金・公金も使うわけです。だったら、高槻市として、本当に、費用対効果が高いのか、税金の無駄遣いにならないのか、市民のためになるのか、ちゃんと検証しなければならないはずです。
 それをせずに、26億円もの債務負担行為を設定して、工事をするなんてことを、行政としてはやってはいけないはずです。
 それに、現実的な被害軽減額を考えると、110ミリの豪雨の被害額は、先ほど申し上げたとおり、5億円くらいと考えられますし、雨水貯留施設を設置したって、その何分の1しか軽減できないわけですから、被害軽減額を分子、工事費を分母として、費用対効果を出すわけですけれども、どう考えても、1を大きく下回る。つまり、現実的な費用対効果は乏しいと考えられるわけです。
 ですので、私は、この補正予算案には賛成できません。そのことを表明して、質問を終わります。

<答弁>
1.本事業は防災安全交付金の対象事業で、その国費率は2分の1であります。
2.費用対効果については、2問目でご答弁いたしたとおりです。
3.資産評価額については、マニュアルに基づき、適切に算出しております。

 答弁は以上でございますが、北岡議員が先ほどおっしゃられました発言の中で、議員を騙す意図、税金の無駄遣い、などといった発言をされましたが、甚だ遺憾であり、かつ非常に残念です。先ほどらい、繰り返し申し上げておりますように、費用対効果分析は、国の交付金採択を受けるために、国の指定するマニュアルに基づき適切に行ったもので、既に国に受理していただいております。これまで議会でも、設計等の厳正な予算審議等を通じまして、適切にご理解をいただいております。また、この雨水貯留施設については、平成24年8月豪雨で被害を受けられた市民の方々のご期待も非常に高いもので、一日も早い整備を望む声が寄せられていますことを申し添えさせていただいて、答弁を終えます。


以下は「高槻東排水分区((仮称)安満遺跡公園内雨水貯留施設)費用効果分析検討書」からの抜粋です。

検討書表紙.jpg

メッシュ分析50未整備

資産額の算定方法

資産額

被害率

被害額

便益

便益算定表


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posted by 北岡隆浩 at 23:30| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 高槻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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