2015年03月08日

【自転車レーン】「自動車の交通量」の基準がない!既に恣意的運用も・・・

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高槻市道路法施行条例中一部改正について

これも先日の本会議で質問したものなのですが、高槻市は、市独自の基準として、車の交通量の多い道路に、自転車レーンを設けるべく、条例改正したいと、議案を上程しています。

自転車が通行する空間を確保し、安全で快適な自転車の利用環境の創出を図るため、市道の構造の技術的基準について、本市独自のものとして次のとおり定める。

(1) 自動車の交通量が多い道路(自転車道を設けるものを除く。)には、その各側に自転車レーン(専ら自転車の通行の用に供するために設けられる帯状の道路の部分をいう。以下同じ。)を設けるものとし、その幅員は1.5メートル(やむを得ない場合においては、1メートル)以上とする。(後略)


一見すばらしいことのように思えますが、「自動車の交通量が多い」かどうか、どのような基準で判断するのかと尋ねたところ、具体的な基準はなく、市役所が「総合的に判断」するとの答弁。

まだこの条例案は審議中で、改正はされていないのですが、既に「総合的に判断」で、恣意的に運用されている実態が。防災公園化する京大農場への「避難路」とする(仮称)高槻駅高垣線に、自転車レーンを設置する計画になっているのです。

(仮称)高槻駅高垣線の八丁西町交差点付近の幅員

地元の方によると、現在、自動車の交通量は少ないそうなんですが、これについて尋ねると、

(仮称)高槻駅高垣線においても、交通量予測などを勘案し、総合的に判断した結果、自転車レーンは必要であると考えております。


・・・との答弁。もしかすると、この自転車レーンを設置したいために、高槻市独自の基準を条例に盛り込みたいのではないかとの疑念も湧きます。

そもそも、自転車レーンは自転車のためのものなのだから、自動車の交通量だけでなく、自転車の通行量も基準に入れるべきではないのでしょうか?自転車が通らないのに、レーンを造っても、道路用地が無駄になるだけです。

基準が不明で、恣意的な運用が既にされている。税金の無駄遣いになるかもしれない。ということで、私はこの議案には反対すると表明しました。

以下は先日の議会でのやり取りです。原稿とメモに基づいているので不正確な部分もあることをご了承ください。

■議案第20号 高槻市道路法施行条例中一部改正について

◆1回目
1.高槻市の独自のものとして「自動車の交通量が多い道路には、その各側に自転車レーンを設ける」という規定を条例に追加したいということですが、「自動車の交通量が多い」というのは、どれだけの交通量以上のことをいうのでしょうか?具体的な基準をお答えください。

自動車の交通量が多いという具体的な基準については、国等においても明確に規定されたものはなく、道路管理者が総合的に判断するものです。

2.道路を新設したり、あるいは拡幅したりする場合、交通量が分からないわけですが、その場合でも自転車レーンを設けなければならないのでしょうか?

道路の新設や拡幅の場合においては、交通量予測等を行ったうえで、総合的に判断をいたします。

3.その自転車レーンの幅員は原則1.5メートル以上で、やむを得ない場合は1メートル以上とするということですが、「やむを得ない場合」というのは、具体的にどういった場合があるのでしょうか?

やむを得ない場合とは、幅員を確保したくても、できない場合です。

◆2回目
1.自動車の交通量が多いかどうかというのは、何も基準がなく、道路管理者が総合的に判断するということです。道路管理者というのは誰になるのでしょうか?お答えください。また、総合的に判断するということなんですが、どのような要素・条件・基準等に基づいて、総合的に判断されるのでしょうか?具体的にお答えください。

道路管理者である高槻市が、道路を構成する車道や歩道の幅員・自動車の交通量や速度などを勘案し、総合的に判断いたします。

2.自転車レーンというのは、自転車の走行のためにあるわけですから、自動車の交通量よりも、自転車の交通量のほうが重要ではないのでしょうか?自動車は通っても、自転車はあまり通らないような道もあるでしょうし、その逆もありえます。イギリスのロンドンには自転車専用の高速道路「SkyCycle」というものがあるそうですが、そこには自動車が通らないわけです。自転車の交通量に関しては配慮されないのでしょうか?なぜ自動車の交通量のみを条例案に入れて、自転車の交通量に関する条項を設けなかったのでしょうか?市の考えをお聞かせください。

車道を通行する自転車の安全性確保の観点から、自動車の交通量を基準としております。

3.(仮称)高槻駅高垣線の整備のため拡幅するとしている八丁畷西町の交差点の東側ですが、地元の方によると、自動車の交通量は少ないそうです。自動車の交通量が多いとはいえないわけですが、それでもやはりここの両側に各1.5m、計3mの自転車レーンを設置するのでしょうか?

(仮称)高槻駅高垣線においても、交通量予測などを勘案し、総合的に判断した結果、自転車レーンは必要であると考えております。

◆3回目
 自動車の交通量が多いかどうかというのは、道路管理者である高槻市が、総合的に判断するということです。そういう判断をして、最終的に、自転車レーンの設置を決裁するのは具体的に誰になるのでしょうか?課長でしょうか?部長でしょうか?それとも市長なのでしょうか?お答えください。

(答弁要旨)決裁権が誰にあろうとも高槻市が判断する。

あとは意見です。
 どれだけの交通量がある道路が、「自動車の交通量が多い道路」といえるのか、その基準が、まったくないというおかしい。それを市役所が総合的に判断するというんですけれども、恣意的な運用がされる可能性が極めて高いと思います。ちゃんとした基準を設けて、明記すべきです。
 (仮称)高槻駅高垣線は、今のところ交通量が少ないのに、先ほどの答弁では、総合的に判断した結果、自転車レーンは必要だということです。何の基準もないのに、しかも条例の改正前から、そういうことを決めてしまっているわけです。もう既に恣意的な運用がされているということではないのでしょうか。
 自転車レーンの設置については、自転車の交通量は関係なく、自動車の交通量だけで判断するということですが、自転車が1台も通らなかったら、自転車レーンを設置したって、無意味ですよね。自転車レーン分の土地代や舗装代が無駄になります。なぜ自転車の交通量を基準に入れないのでしょうか。
 基準が不明で、恣意的な運用がされる。税金の無駄遣いになるかもしれませんので、私はこの議案には反対いたします。



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posted by 北岡隆浩 at 23:45| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 高槻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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