2019年08月22日

【水利権補償金訴訟】一審は敗訴。控訴します。

水利権補償金訴訟大阪地裁判決主文

今日は大阪地方裁判所で、13時10分から水利権補償金訴訟の判決言渡しがありました。残念ながら、上の主文のとおり敗訴でした。

弁護団と相談し、控訴することにしました。

以下は大阪地裁の判断の一部です。証人の証言がそれほど信用できるとは私には思えなかったのですが・・・水利権補償についての記録がないのは不自然です。公有地である溜池の維持管理の方法として、埋め立てて畑にし、野菜等を収穫して自家消費するというのは適切なのでしょうか?

当裁判所の判断

(中略)

イ 清水池の埋立ての時点における水利の必要性について

 原告らは,清水池がその埋立ての時点において既に水利を必要としないため池となっていたことが推認され,したがって,清水池の埋立てによっても水利権補償の必要が生じることはなかった旨主張する。しかしながら,昭和19年以降,長年にわたり,農業協同組合又は補助参加人の職員として,旧富田町内における農業に携わってきた証人は,清水池の埋立ての時点においても,周囲には清水池から直接水を引いていた田があった旨,明確に証言しているところ,このことは,、清水池の埋立て後に,埋立て前には清水池からしか取水できなかった田に,平田水路から引水することができるようにするべく,水路の擁壁に取水口が設けられたり,隣接地との間に引水のためのU字溝が設けられたりしていることからも裏付けられているというのである。以上に加え,少なくとも,清水池埋立ての数年前である補助参加人設立の時点で,清水池がため池として利用されていたことは証拠上明らかである。ことからしても,証人の上記証言は,十分に信用することができる。
 原告らは,清水池は,宅地開発等に伴い,ため池としての必要がなくなり,埋め立てられたと考えるのが自然であるなどと主張するが,上記のとおり取水を必要とする耕作地が存在したことが認められるのであるから,原告らの上記主張は採用することができない。また,原告らは,清水池については水利権補償についての記録が残っていないとも主張するが,記録が残っていないことのみをもって上記認定を覆ずに足りる事情とはいえない。原告らの上記主張は,採用することができない。

ウ 水利権補償の合意について

 原告らは・・・合意の事実は立証がされていない旨主張する。しかしながら・・・旧富田町区域においては,昭和40年代に,清水池以外のため池についても,本件財産区がため池を売却するに当たり補助参加人に対し売却代金の20%に相当する水利権補償金を支払った例が複数あることが認められることからすれば,本件財産区と補助参加人との間で,将来,本件財産区が本件土地を処分したときに,その処分代金の20%に相当する金額の水利補償金を支払う旨の合意がされたことを前任者やその他の農業関係者から聞いていたとする証人の証言は信用することができる。したがって,証人の上記証言に基づき,上記合意の事実を認定することができる。

(中略)

イ これに対し,原告らは,本件財産区はため池である清水池の維持管理を委任したのであり,埋立て後の土地の維持管理まで委任する趣旨を含むものではなかった旨主張するが,仮に,当初の委任の時点においてはため池であることが前提とされていたとしても,本件財産区が清水池を埋め立てるに当たり,引き続き,補助参加人に本件土地の維持管理を委任することとしたとしても何ら不自然・不合理ではないから,原告らの上記主張は採用することができない。

ウ 原告らは,本件土地を耕作することは土地の維持管理を委任した趣旨を逸脱する旨主張する。
 しかしながら,上記認定事実によれば,本件土地は,平成7年以降,本件売却に至るまで,20年以上にわたり,補助参加人の組合員らによって耕作されていたにもかかわらず,その間,本件財産区がそのことについて異議を述べたといった事情はうかがわれず,かえって,平成21年に本件財産区の管理者たる高槻市長と協議した上で変更された補助参加人の維持管理計画書においては,補助参加人が本件土地を畑地として維持管理することが記載されているというのである。これらの事情に照らせば,本件財産区としては,補助参加人が本件土地を耕作する方法により維持管理することを認識・認容していたものと考えられる。そうすると,補助参加人の組合員らにおいて本件土地を耕作することが,本件財産区が本件土地の維持管理を委任した趣旨を逸脱するものであったということはできない。原告らは,維持管理委任契約に基づきできることは保存行為に限られるなどと主張するが,個別の委任契約において,受任者にどのような権限が与えられるかは,個別具体的な契約の解釈の問題であって,維持管理委任契約の下では一般的に保存行為しかすることができないなどということはできない。したがって,原告らの上記主張は,採用することができない。

(3) 本件土地を耕作することが補助参加人の目的の範囲内かについて
 既に認定・説示したところによれば,補助参加人は,土地改良施設であった清水池が埋め立てられ,土地改良施設でなくなった後も,引き続き,本件財産区からの委任に基づき,組合員に耕作をさせる方法により,本件土地の維持管理をしてきたこと,組合員は上記耕作により自家消費量程度の野菜等を収穫していたにすぎず,これにより補助参加人に経済的利益が生じたことはなかったこと,清水池の埋立て後も,補助参加人の定款には,補助参加人の行う事業として,清水池の維持管理事業が掲げられていたことが認められる。
 ところで,前記関係法令の定めのとおり,土地改良法15条は,土地改良区はその地区内の土地改良事業及びその附帯事業を行うことができる旨規定するのであるが,土地改良施設の廃止も土地改良事業に含まれること(同法2条2項1号)等に鑑みれば,同法が,土地改良施設の廃止後に,当該土地につき新たな使用目的に基づき使用が開始されるまでの間,引き続き,土地改良区において,所有者からの委任に基づき,同施設が設置されていた士地の維持管理を,上記認定のような方法により行うことを禁じる趣旨であるとは到底解されない。
 そうすると,補助参加人が本件財産区から委任を受けて上記認定の方法により本件土地を維持管理してきたことが,補助参加人の目的の範囲外であるということはできない。



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posted by 北岡隆浩 at 20:30| 大阪 ☀| Comment(0) | 高槻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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