2020年03月13日

【軽過失免責】高槻市長の賠償責任の上限額は民間の3分の1!だったら給料を3分の1にすれば?

今日は総務消防委員会があり、私もいくつか質問。

私が起こした住民訴訟では、市長の賠償責任が認定されたことも。有給職免訴訟では、当時の市長に約192万円の責任があるとされました。

国は、首長や職員の賠償責任について、軽過失(ちょっとしたうっかりという感じでしょうか)の場合には、あまりにも巨額の賠償をさせると首長や職員を委縮させてしまうと、賠償額に上限を設けるための法改正を行いました。

この法改正について日弁連は、首長等の損害賠償責任が認められづらくなり、違法な財務会計行為の是正・抑止といった住民訴訟の機能が失われるとして反対しましたが、残念ながら国会で可決されました。

高槻市では、これに基づき、この3月議会に、市長等の賠償の範囲を定めたいとして条例案を上程。今日の総務消防委員会でその審議がありました。

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上の図のとおり、民間企業では、会社法により、代表取締役等は年収の6倍を超える部分を免責されるので、国は、市長についても賠償額の上限を給与6年分とする基準を示しました。

しかし、高槻市の条例案では、市長は給与の2年分に。民間や国の基準の3分の1では、あまりにも低すぎます。なぜ3分の1にしたのか質問しましたが、まったく具体的な答弁はありませんでした。合理的な理由はないとしか考えられません。

市長の責任は、民間の経営者よりも軽いのでしょうか?給与6年分の賠償責任を負いたくないので、2年分だけにしてほしいというのであれば、給料のほうを3分の1に下げられたらどうでしょうか?

仮に住民訴訟で市長等の賠償責任が認められたとしても、他所では6年分などとされているのに、高槻市では、2年分や1年分しか賠償されないのであれば、高槻市民がその分損をすることになります。合理的な理由もなく、市民に損害を与えるようなことをしていいはずがありません。

私は議案に反対し、国の基準のとおりの条例案に作り直すよう要望しましたが、残念ながら賛成多数で委員会では可決されてしまいました。

以下は今日の総務消防委員会でのやり取りです。原稿とメモに基づいているので、不正確な部分もあることをお許しください。

■議案第18号 高槻市職員等の損害賠償責任の一部の免責に関する条例制定につい

<1回目>

 住民訴訟の対象となる損害賠償責任は、軽過失の場合においても、損害の全額を職員等が負う可能性があることから、法改正の趣旨を踏まえ、市長については給与の2年分を、副市長、公営企業管理者、行政員会の委員その他の職員については給与の1年分を、それぞれ損害賠償額から控除した額を免責することにしたいということです。
 つまり、仮に、市長が、何億円も、高槻市に損害を与えた場合でも、軽過失であれば、ちょっとうっかりしていたぐらいであれば、給与の2年分だけ払ってくれればいいですよ、2年分を超える分は免責ということで、払わなくていいですよ、ということですよね。
 まず2点伺います。

(1)国の示す参酌年数は、市長が給与の6年分、副市長や教育長、監査委員などが給与の4年分、公営企業管理者や消防長等が給与の2年分、その他の職員が給与の1年分となっています。高槻市は、市長や職員が負う賠償額の上限について、非常に甘い設定にしようとしていますが、何故なのでしょうか?理由をお答えください。

⇒1点目の条例で定める基準につきまして、国が示す参酌基準とは、地方自治体が条例等を制定する場合において参照することが求められているものであることから、参酌基準を精査した上で、本市といたしましては、地方自治法施行令で定められた遵守しなければならない基準である給与1年分を原則として取り扱うことで、国の示す基準に則って条例を制定しようとするものです。

(2)軽過失の場合は、一定額以上の賠償は免除されるようにしたいということです。軽過失というのは、「善意でかつ重大な過失がない場合」、「職員が違法な職務行為によって市に損害を及ぼすことを認識しておらず、かつ、認識しなかったことについて著しい不注意がない場合」だということです。
 首長や職員等の軽過失が認定されて、賠償請求が認められた判例には、どういうものがあるのでしょうか?あるのであれば、どういったものだったのでしょうか?本会議では、川口議員がポンポン山事件のことを例に出していましたが、その事件も軽過失による賠償責任が認められたものだったのでしょうか?お答えください。
 また、職員が違法性等を認識しなかった場合には、軽過失だということですが、議会で違法性や損害を指摘された場合や、住民から口頭や文書で情報が市に寄せられた場合には、軽過失ではなく、過失や故意になるのでしょうか?お答えください。

⇒2点目の過失の程度でございますが、京都市におけるゴルフ場開発を不許可処分とした開発事業者との民事調停に係る住民訴訟につきましては、用地買収の行為そのものの違法性ではなく用地買収代金が違法に高額である旨が判断されたもので、過失の重大性や予見可能性といった過失の程度を判断するものではなかったと認識しております。
 また、本条例の適用対象となる行為につきましては、本年4月1日に施行される改正地方自治法に基づくものであることから、今後、住民訴訟等における裁判所の審理においても、地方自治法が改正されたことを踏まえて判断されるものと考えております。
 なお、今回提案しております条例を制定した場合であっても、故意又は重大な過失がある場合には、損害額に応じて責任を負うことが原則でございます。

<2回目>

(1)国が示す参酌基準を、高槻市で精査をして、市長については給与の6年分と示されているものを2年分に、他の職員等については4年から1年分と示されているものを1年分にと、大きく賠償の上限額を引き下げています。何故こうしたのでしょうか?精査をされたということですが、その精査の中身を具体的にお答えください。
(2)これらの免責の範囲については、最終的には誰が決定したのでしょうか?お答えください。

【答弁】
 免責の範囲に関するご質問でございますが、今般の地方自治法の改正につきましては、総務省の第31次地方制度調査会の答申を基に行われたもので、本市としては、免責を定めるよう法が改正されるに至った経緯や趣旨を踏まえて、参酌基準を精査して参りました。この調査会におきましては、住民訴訟における最高裁判所の判決において、「損害賠償請求についての認容額が数千万円に至るものも多く散見され、更には数億円ないし数十億円に及ぶものも見られ、また、個人責任を負わせることが、柔軟な職務遂行を萎縮させるといった指摘も見られる」との裁判官の補足意見が付されていることなども示されているほか、答申では、住民訴訟制度等を巡る課題として、損害賠償責任の職員等への追及のあり方を見直すことが必要とされております。
 本市としては、調査会における議論の経過を踏まえた地方自治法改正の趣旨や、近隣市における動向を踏まえた上で、地方自治法施行令で定められた遵守しなければならない基準である給与1年分を原則とするものでございます。

<3回目>

(1)国ではそういった議論があり、市長については給与の6年分、副市長等は給与の4年分などとしたわけです。しかし、高槻市は、市長を2年分、副市長以下を1年分としたいということです。
 高槻市では、どういった精査をしたのでしょうか?高槻市における精査の中身を具体的にお答えください。
(2)繰り返しになりますが、高槻市における市長や職員等の免責の範囲については、最終的には誰が決定したのでしょうか?お答えください。

【答弁】
 参酌基準の取扱いに関するご質問でございますが、先ほど答弁申し上げました通り、第31次地方制度調査会の答申を参照しながら、損害賠償責任の免責について地方自治法に規定が設けられるに至った法改正の経緯や趣旨に照らして検討してきたほか、損害賠償責任のあり方、他法における責任軽減制度、参酌基準の位置付けなどを検証しながら、本市における免責の範囲の精査に努めてきたところでございます。
 また、繰り返しとなりますが、本市としては、地方自治法の改正趣旨なども踏まえながら、損害賠償責任の免責について示された地方自治法施行令の規定にのっとり、条例で免責の範囲を定めようとするものでございます。

<4回目>

 あとは意見を述べます。
 高槻市役所で精査をしたということですけれども、高槻市の市長等の賠償額の上限を、国の参酌基準から大幅に引き下げることについては、何も合理的な説明がありませんでした。ということは、合理的な理由がないとしか考えられません。
 本会議で川口議員も述べていましたが、国は、会社法における役員等の責任軽減制度等を参考にして、参酌年数を決めたということです。民間企業の代表取締役などは、年間報酬の6倍が上限なので、市長についても給与の6年分にしたわけです。
 けれども、高槻市では、市長の賠償額の上限を給与の2年分にしたいということです。民間の経営者よりも、市長の責任のほうが、軽いのでしょうか?民間企業や、民間企業の役員・従業員の皆さんが納めてくださった税金からも給与をいただいているのに、合理的な理由もなく、民間の3分の1などにするというのは、納得がいきません。
 市長等の免責の範囲を、最終的に誰が決定したのかとおききしましたが、具体的な答弁はありませんでした。議会に議案として上程されている以上、市長は承認されているのだと思いますが、虫が良すぎるような気がします。
 給与6年分の賠償責任を負いたくないので、2年分だけにしてほしいというのであれば、給料のほうを3分の1に下げられたらどうでしょうか?
 それから、仮に住民訴訟で市長等の賠償責任が認められたとしても、他所では6年分などとされているのに、高槻市では、2年分や1年分しか賠償されないのであれば、高槻市民がその分損をすることになります。市民の皆さんに納めていただいた税金からも給与をいただいているのに、合理的な理由もなく、市民に損害を与えるようなことをしていいはずがありません。
 ですので、私はこの議案には反対します。合理的な理由を説明できないわけですから、国の参酌基準のとおりの条例案に作り直してください。



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posted by 北岡隆浩 at 23:28| 大阪 ☀| Comment(0) | 高槻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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