協議会では、富田地区まちづくり基本構想の策定についての報告も。
構想の素案に関してパブリックコメントを実施し、それを受けて素案を一部修正して構想を策定したということなのですが、一部修正の中には・・・
「鉄道により地域が分断されていることや交通渋滞の発生に加え、安全で快適な歩行空間の確保など交通課題が残ります。」に一部修正します。
・・・といったものもありました。
市も鉄道による分断等の交通課題を認めているわけですが、この課題の解消の見込みを重ねて尋ねても、「要望を行っている」というだけで、具体的な見込みは示されませんでした。
交通課題の解消も見込めないのに、構想の対象地区を、「効果的なまちづくり」につながる「一定の範囲」だとして第四中学校区としているのです。無理があります。
構想の「今後の展開」を見ても・・・
・・・阪急以南のみに「魅力的な空間(居場所)」が広がっていくだけのようです。赤大路小学校区には広がらないのなら、やはり鉄道以北は構想から切り離すべきではないでしょうか。
なお、「新たな公共施設」の概要やスケジュールは以下のとおりです。
以下は今日の総務消防委員会協議会でのやり取りです。原稿とメモに基づいているので不正確な部分もあることをお許しください。
■案件1 富田地区まちづくり基本構想の策定について
<1回目>
「富田地区まちづくり基本構想(素案)」についてパブリックコメントを実施したところ、個人12人の方と4つの団体からご意見をいただいたということです。それをまとめた資料1−1の「富田地区まちづくり基本構想(素案)に対するご意見の要旨と市の対応一覧」と、ご意見に基づいて一部修正したという資料1−3の「富田地区まちづくり基本構想」について、まず4点伺います。
(1)ご意見のNo8を受けて、市の対応として、資料1−3の構想の17ページについて、「鉄道により地域が分断されていることや交通渋滞の発生に加え、安全で快適な歩行空間の確保など交通課題が残ります。」に一部修正したということです。
構想の6ページには「・・・歩行者が安全快適に回遊できる都市計画道路富田芝生線の整備を始め、地域の活性化につながる阪急京都線並びにJR東海道本線の立体交差化の実現に向け、検討を進めているところです。」という記載がありますが、@鉄道による地域の分断、A交通渋滞、B安全ではない歩行空間といった交通課題については、それぞれ、いつ頃、どのように解決される見込みなのでしょうか?具体的にお答えください。
⇒富田地区の交通課題に関するお尋ねですが、これまで市では、大阪府等関係者とともに、鉄道高架化の検討を行っており、事業化に向けた要望を、大阪府に行っているところです。
(2)ご意見のNo2は、「この構想における赤大路地区の位置づけに疑問を感じます。阪急以南の計画は進んでいますが赤大路地区で対象となっている公共施設は赤大路コミュニティセンターのみで、しかも長寿命化を図る計画です。赤大路地区はJRと阪急によってそれ以南と分断されていてパス路線もなく、徒歩で移動するには(特に高齢者には)距離が長く危険な踏切もある現状では富田地区まちづくり構想の中に赤大路地区を設定するのには問題があると思います。」というもので、私もまったく同感なんですが、それに対して、「市の考え方及び対応」の欄には「公共施設の再構築を軸としたまちづくりの考え方を検討する上で、一定の範囲で、各公共施設の現状把握や方向性を検討することが、効果的なまちづくりにつながると考えたため、当該範囲としています。」と記載されています。
この「一定の範囲」とは、どういった根拠や基準で設けられているのでしょうか?具体的にお答えください。
また、「効果的なまちづくりにつながると考えた」ということですが、どのように「効果的」なのでしょうか?詳しくご説明ください。
(3)ご意見のNo13では、東五百住町にお住いの方からのもので、「最寄り駅は高槻よりは富田です。富田地区は富田だけで文化を栄えさせることができるかもしれませんが、東五百住だけで何かするのはむずかしい面があります。東五百住のような、富田周辺の住宅地のことも忘れず、富田とともに人との交流が生まれるように働きかけていただけたらありがたいです。」といったものです。
先ほど申し上げたとおり、鉄道による地域の分断等の交通課題が存在していますし、幸か不幸か、今回の構想では、阪急以南の部分だけを「A敷地」と呼称して、新たな公共施設の候補地としているわけですから、赤大路小学校区は切り離して、東五百住や西五百住、如是、寿、栄、柳川等の、阪急以南の地域を「一定の範囲」として、構想を考えるべきではないでしょうか?見解をお聞かせください。
⇒2点目3点目の対象地区の範囲については、高槻市立地適正化計画において都市機能を誘導する区域として設定している富田駅周辺の都市拠点に加え、第四中学校区としたものです。
また、効果的なまちづくりについては、まちの将来像を踏まえ、老朽化する公共施設の再構築に取り組むことにより、まちの魅力を更に高め、生涯にわたって住み続けたいと誇れるまちの実現につながると考えたものです。
(4)ご意見のNo27の方は、「赤大路小学校や第四中学校へ統合されるなどして、富田小学校が廃校になるとJR・阪急以南の小学生は、踏切を渡る都度、危険に晒される」と危惧されています。
鉄道による地域の分断や安全ではない歩行空間といった交通課題が解消されない以上、小さいお子さんや、高齢者の方にとっては、鉄道を跨いで移動するのは危険だということは、誰の目からも明らかだと思います。
施設一体型小中一貫校の構想については、この構想から切り離されましたが、この構想において、小さいお子さんや、高齢者の方が、鉄道を跨いで移動するケースについては、どういったものが想定されるのでしょうか?具体的にお答えください。
⇒JR及び阪急以南の公共施設として、既存の富田支所や小寺池図書館等の公共施設に加え、現在検討中の新たな公共施設が想定されます。
<2回目>
(1)一部修正により構想に記載された、@鉄道による地域の分断、A交通渋滞、B安全ではない歩行空間といった交通課題については、それぞれ、いつ頃、どのように解決される見込みなのかとお訊きしたところ、「大阪府等関係者とともに、鉄道高架化の検討を行っており、事業化に向けた要望を、大阪府に行っている」というお答えでした。
ということは、これらの交通課題の解消については、まったく目途が立っていない、ということでよろしいでしょうか?お答えください。
⇒1問目で答弁しましたとおり、鉄道高架化の実現に向けて大阪府に要望しているところです。
(2)通学以外で、小さいお子さんや、高齢者の方が、鉄道を跨いで移動するケースについてお訊きしたところ、富田支所や小寺池図書館等や、現在検討中の新たな公共施設だということでした。
高槻市内には、この市内の西寄りにある富田支所のほか、南には三箇牧支所、北には樫田支所があります。支所はこの3つだけですが、富田支所をご利用の市民の皆さんは、どのあたりにお住いの方が多いのでしょうか?四中校区以外にお住いの方もご利用されているのでしょうか?具体的にお答えください。
(3)高槻市内には、小寺池図書館のほかに、中央図書館、芝生図書館、阿武山図書館、服部図書館の計5つの図書館があって、中央図書館の分室として、関西大学高槻ミューズキャンパス内に「ミューズ子ども分室」があると、市のHPに記載されています。
小寺池図書館をご利用の市民の皆さんは、どのあたりにお住いの方が多いのでしょうか?四中校区以外にお住いの方もご利用されているのでしょうか?具体的にお答えください。
⇒2点目3点目についてですが、広く市民の方々に利用されているものと認識しております。
(4)資料1−3の構想の85ページには、土地の利用イメージとして、「施設と屋外広場は一体利用できる設えとし、飲食ができる半屋外空間を設けて、多世代交流をはぐくみやすい計画とします」と書かれています。職員の方からお話を聞くと、大阪天王寺公園のエントランスエリアの「てんしば」のようなものにしたいということだったんですが、これが、現在検討中の新たな公共施設の一部となるということだと思います。
この「飲食ができる半屋外空間」の利用者については、どのあたりにお住いの方を想定されているのでしょうか?四中校区以外にお住いの方も利用されると見込んでいるのでしょうか?具体的にお答えください。
⇒本構想においては、新たな公共施設の考え方や施設イメージをお示ししています。また、利用については、地区内外からの利用を想定しています。
(5)先ほどの「てんしば」のような「飲食ができる半屋外空間」は、富田駅の北側には設けられないのでしょうか?そういった計画はないのでしょうか?具体的にお答えください。
⇒そのような計画はございません。
<3回目>
あとは意見です。
重ねてお訊きしましたが、鉄道による地域の分断や交通渋滞、安全な歩行空間が確保できていないという現状を解消することについては、大阪府に要望はしているけれども、まったく目途が立っていないわけです。
新しい公共施設は、阪急より南側に設置される計画で、構想の最終ページのイラストを見ると、建物だけではなく、芝生公園やキッチンカーなどもあって、非常に夢が膨らむものなんですが、一方で、鉄道の北側にお住いの、特にご高齢の方や小さいお子さんは、ご意見のNo2や27の方のご指摘のとおり、踏切等があって、徒歩で行くのは危険が伴いますし、富田駅の北側には、「飲食ができる半屋外空間」や「てんしば」のような公園等が造られる計画はないということなので、鉄道の北側もこの構想に組み入れられているものの、赤大路小学校区の皆さんにとっては、他人事のような感じがするのではないでしょうか。
この構想の対象地区の範囲については、効果的なまちづくりのために必要な「一定の範囲」だといった回答でしたが、富田支所や小寺池図書館については、「広く市民の方々に利用されている」ということで、この「一定の範囲」を超えたエリアにも利用者がおられるということですし、「飲食ができる半屋外空間」とか「てんしば」のような公園についても、地区内外からの利用を想定しているということです。これらの施設のあり方を、この「一定の範囲」の中で考えるというのも、無理があるのではないでしょうか?
支所や図書館については、鉄道の北側にお住まいの市民の方々も利用されるということなので、バスを利用すれば、あまり歩かなくてすむ、バスターミナルの近く、つまり、駅の近くに設置すべきだということは、明白だと思います。
逆に、新しい公共施設の候補地とされているA敷地のように、駅から南に少し離れた場所にしか土地が確保できないということであれば、鉄道による地域の分断があるわけですから、鉄道より北側の地域は構想から切り離して、逆に、鉄道より南の他の地域、先ほど申し上げた、東五百住や西五百住、如是、寿、栄、柳川等を、構想の範囲に入れるべきではないのでしょうか。
今回のパブリックコメントのご意見や、ご答弁からすると、そのようにしか考えられません。
構想の地域の範囲については、鉄道等の交通の状況や、施設の立地、利用者のいるエリアを考慮して、今一度、考え直すべきです。要望しておきます。
それから、あくまでも施設一体型小中一貫校を設置するという方針なのであれば、鉄道によって地域が分断されていて、安全な歩行空間が確保できていないわけですから、学校の校区についても、児童の通学の安全を確保するために、鉄道で切り分けて、再編すべきです。児童の安全が何よりも優先されるはずです。
以上です。
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高槻ご意見番 代表 北岡隆浩(高槻市議会議員)