2023年09月13日

【債権の管理】和解で請求できなくなる債権の賠償責任は誰に?

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今日は9月議会の総務消防委員会があり、私もいくつか質問しました。

高槻市大字唐崎財産区が、財産区の所有地を占拠している相手方に対して、土地の明渡しや、土地の使用料相当額損害金約450万円等の支払いを求めて、現在、裁判をしています

私が令和3年の12月議会でこの件について質問したところ、市は、土地の使用料相当額損害金の債権に関しては、時効期間が経過しているものもあると答弁したのですが、それは何円なのかと重ねて質問しても、答えませんでした。

ところが、その裁判の記録を閲覧したところ、財産区は、令和3年10月5日の時点で、相手方の消滅時効援用を認容し、土地の使用料相当額の債権が一部消滅したとして、請求額を、当初の催告時の446万4000円ではなく、催告日までの直近10年分である192万円だと公文書で認めていたのです。

そこで、私は、財産区が消滅を認めた債権の賠償責任を求めて、住民訴訟を提起し、現在係争中です。

和解案のとおりに和解すれば、平成15年2月8日からの使用料相当損害金を回収できることになりますが、それでも、平成10年4月1日からの約4年分の使用料相当損害金や、遅延損害金を回収できなくなってしまいます。また、その回収できなくなる責任について、今日の委員会で質問しましたが、何の答えもありませんでした。ですので、この議案には賛成しませんでした。

以下は今日の総務消防委員会でのやり取りです。原稿とメモに基づいているので不正確な部分もあることをお許しください。

■議案第73号 土地明渡等請求事件の和解について

<1回目>

(1)訴訟では、平成10年度からの使用料相当損害金の支払いを求めていたのに、和解案では、平成15年2月8日分から支払うとなっています。何故、平成15年2月8日からなのでしょうか?何故、平成10年度からに出来なかったのでしょうか?理由をお答えください。
(2)訴訟の記録を閲覧したところ、相手方は時効の援用を行い、財産区もそれを容認していました。つまり、財産区は、時効援用を容認した部分について、債権を放棄したともとれるのですが、それらについてはどうなったのでしょうか?時効の援用が撤回されたということなのでしょうか?詳細をお答えください。

⇒1点目及び2点目の使用料相当損害金についてですが、時効の成否について、司法判断に委ねるため、平成10年度以降の使用料相当損害金の支払いを求めて訴訟を提起していたものであり、大阪地方裁判所の意向により、同裁判所を通じて被告と協議を進めたところ、平成15年2月8日以降の使用料相当損害金を支払う内容にて協議が整ったものでございます。

(3)そもそも、何故、時効の期限である平成20年度までに、相手方に対して使用料相当損害金を請求しなかったのでしょうか?理由をお答えください。

⇒当該土地の課題解決として、適正な占有状態に是正するため対応を行っていたものでございます。

(4)和解案の使用料相当損害金の算定は、どういった計算で行ったのでしょうか?お答えください。

⇒行政財産使用料条例及び道路占用料徴収条例に基づき算定しております。

(5)和解案には、使用料相当損害金や鑑定料等に関する遅延損害金は含まれていないようです。遅延損害金が含まれていないのであれば、何故含まれていないのか、理由をお答えください。
 また、平成10年度からの使用料相当損害金の遅延損害金を算定すると、何円になるのでしょうか?お答えください。

⇒大阪地方裁判所の意向により、同裁判所を通じて、被告と協議を進めたところ、和解案の内容にて協議が整ったものでございます。

<2回目>

(1)時効の期限である平成20年度までに、相手方に対して使用料相当損害金を請求しなかった理由は、「当該土地の課題解決として、適正な占有状態に是正するため対応を行っていた」からだということです。そういった対応をすれば、時効の中断・更新等が可能なのでしょうか?本件の場合は、可能だったのでしょうか?お答えください。
(2)お答えがなかったので、あらためておききしますが、平成10年度からの使用料相当損害金の遅延損害金を算定すると、何円になるのでしょうか?金額をお答えください。

⇒1点目及び2点目についてですが、1問目でお答えしたとおり、当該土地の課題解決に向け、適正な占有状態に是正するため対応を行っていたもので、大阪地方裁判所の意向により、同裁判所を通じて、被告と協議を進めたところ、和解案の内容にて協議が整ったため、和解を行おうとするものございます。

(3)この和解が成立すると、結局、平成10年4月1日から平成15年2月7日までの分の使用料相当損害金や、遅延損害金を回収できなくなってしまいますが、その責任については、どうされるのでしょうか?時効期間を過ぎても請求しなかった当時の財産区管理者や決裁権者に賠償請求をすべきだと思いますが、請求しないのでしょうか?お答えください。

⇒北岡委員ご自身が提起されている、違法確認に関する住民訴訟とかかわる内容であり、係争中であることから答弁は差し控えさせていただきます。

<3回目>

 あとは意見を述べます。
 時効の期限である平成20年度までに、相手方に対して使用料相当損害金を請求しなかった理由をお聞きしましたが、まともな答弁をいただけませんでした。法的な請求権を逃したことについて、何の説明にもなっていません。
 この議案の内容で和解をしてしまうと、平成10年4月1日からの約4年分の使用料相当損害金や、遅延損害金を回収できなくなってしまいます。また、その責任について、何のお答えもありませんでした。ですので、この議案には賛成できません。
 時効の期限までに請求をするという、債権管理の基本中の基本ができていなかったことについて、財産区管理者である濱田市長以下、しっかりと反省して、二度とこういうことが起きないようにしてください。



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高槻ご意見番 代表 北岡隆浩(高槻市議会議員)
posted by 北岡隆浩 at 18:10| 大阪 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 高槻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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