
一昨日は将棋のまち推進事業についても質問しました。
親が離婚した子に、離婚の漫画を読ませるなんてことは、普通の人ならできないと思いますし、理解不能な理由で離婚を切り出したキャラクターを見せ続けるということも、普通ならやれないと思います。
しかし、そんなことを、高槻市はやろうとしています。

高槻市は、漫画「将棋の渡辺くん」について、「渡辺明九段の妻である伊奈めぐみ氏の作品」などということも随意契約の理由として、これまで1200万円以上を支払って、小学1〜3年生用のノート等に使用してきました。
しかし、渡辺明九段と伊奈めぐみ先生は離婚。今後、どういう理由で「将棋の渡辺くん」を使用し続けるのかと、事前の議案の説明の際に訊くと、「作者の伊奈先生のお兄さんもプロ棋士で、現在、高槻市に住んでいる」といった回答が担当者からありました。
そんな薄くて強引な理由で使い続けるのはおかしいとも考えて、一昨日、議会で質問し、最後に以下の意見を述べました。
高槻市は、「将棋の渡辺くん」の著作権の使用について、「渡辺明九段の妻である伊奈めぐみ氏の作品」だという個人的な事情も、随意契約の理由にして、1200万円以上を支出してきたわけです。なのに、先ほどの質問に対して、個人的な事情だといって、答弁しないというのは、おかしな話だと思います。
私は、よそ様の離婚に関して、他人がとやかく言うべきではないと思っています。また、伊奈めぐみ先生が、ご自身の漫画の「将棋の渡辺くん」の主人公である渡辺明九段と離婚したことについて、漫画に描かれたことは、ノンフィクション作家として、説明責任を果たされていて、立派だとも思っています。
けれども、市民の皆さん、特にお子さんへの影響を考えると、この「将棋の渡辺くん」を、高槻市役所が、行政として、何百万円も税金を渡して、使い続けるべきではないと考えています。
今は、3組に1組以上が離婚をする時代ですけれども、法務省のサイトに掲載されている令和3年1月付の「未成年期に父母の離婚を経験した子の養育に関する実態についての調査・分析業務 報告書」には、父母が別居した当時の子の気持ちを尋ねたアンケート調査の結果も掲載されていまして、それによりますと、「悲しかった」が37.4%、「ショックだった」が29.9%、「将来に不安を感じた」が16.1%などでした。中には、「ホッとした」、「状況が変わることが嬉しかった」と答えた人もいたんですが、全体的に見れば、ネガティブなものが大半を占めています。
アマゾンでの「将棋の渡辺くん」の書評を見ると、「ご家族のおはなしが楽しく読める」「ほっこりした気持ちになれる」といった意見も書かれていまして、こうしたイメージだからこそ、高槻市役所は、小学校低学年向けのノートのデザインに採用したり、デザインマンホール蓋のキャラクターに利用したりしてきたのだと思います。
けれども、この主人公の「渡辺くん」である渡辺明九段が、離婚をした、しかも「結婚して長い」からという一般的には理解しがたい理由で離婚したとなると、「家族でほっこりした気持ち」にはなりにくいんじゃないでしょうか。
この「将棋の渡辺くん」は、ノンフィクションで描かれた、実在の人物ですので、いくら親しみやすい画風で描かれた、かわいらしいキャラクターのものでも、この離婚のいきさつを知った方は、この絵を見るたびに、離婚のことを、思い出してしまうんじゃないでしょうか?リアルに、離婚を、想起させられるんじゃないでしょうか。
そうすると、ご自身やご家族の離婚を経験した人は、悲しく、ショックだった当時の気持ちを思い出してしまう、フラッシュバックさせられてしまうかもしれませんし、特にお子さんの場合は、心の傷を深くするかもしれません。
伊奈先生は、離婚は悪いことではないと、漫画に描かれておられますが、そのとおりで、お二人は悪いことをしたわけではありません。しかし、イメージというものがあります。恋愛は悪いことではないけれども、アイドルが恋愛をすれば、そのイメージを損ねてしまうわけです。離婚は悪いことではないけれども、そういう漫画・キャラクターを、行政が何百万円も支払って、小学生向けのノートなどに、使うべきでしょうか?普通の行政なら、使わないんじゃないでしょうか?
「将棋の渡辺くん」の渡辺明九段の離婚については、作中で作者が述べているとおり、多くの方に理解されないと思います。そうすると、離婚は面白いといった、作者の態度も、特に離婚で傷ついた方々には、共感が得られないのではないでしょうか?理解も共感も得られにくいキャラクターや作品を、何故わざわざ300万円も出して、使わないといけないのか、大いに疑問です。
また、先ほど申しあげたとおり、「将棋の渡辺くん」には、渡辺明九段が、紫綬褒章の受章について、賞金がないことを残念がって、金一封が欲しかった旨述べたと描かれています。これは紫綬褒章に対して失礼じゃないでしょうか?こういう態度は、あまり子どもには見せたくないなと思いました。
以上のとおりで、「将棋の渡辺くん」の著作権の使用に公金を支出することには反対です。マンホールの蓋も、別のものに替えてください。要望しておきます。
それから、次の「高槻将棋まつり」でも、伊奈めぐみ先生のサイン会をするのかどうか分かりませんが、想像してみてください。低学年の子が、離婚のいきさつが描かれた「将棋の渡辺くん」のコミックを買って、それに、離婚の当事者の伊奈先生がサインするなんて、ちょっと、見てられないでしょう。そういうこともやめてください。
要望しておきます。
以下は一昨日の議会でのやり取りです。原稿とメモに基づいているので不正確な部分もあることをお許しください。
■議案第29号 令和7年度高槻市一般会計予算
3.将棋のまち推進事業
<1回目>
(1)資料によると、令和7年度の当初予算の中には、「将棋の渡辺くん」著作権使用料として、300万円が計上されています。
ある市民の方から、高槻市の随意契約の起案の文書などを送っていただいたのですが、それを見ると、高槻市は、「月刊少年マガジンで連載中の漫画『将棋の渡辺くん』は・・・渡辺明九段の妻である伊奈めぐみ氏の作品であり、将棋の魅力や現在の将棋界についてわかりやすく伝える唯一のノンフィクション漫画である」などということを随意契約の理由として、令和5年度の広告宣伝使用については400万円、令和6年度の広告宣伝使用については720万円、令和6年度から令和17年度までのデザインマンホール蓋のキャラクター利用については154万円、計1274万円を支出したということです。
先日、報道されましたが、渡辺明九段と伊奈めぐみ先生は、離婚されたということでした。
これまで、「渡辺明九段の妻である伊奈めぐみ氏の作品」だということも、随意契約の理由にあったわけですが、令和7年度は、どういった理由で、この著作権の使用について、契約するのでしょうか?お答えください。
また、令和7年度も、契約期間に含まれているものがありますが、伊奈めぐみ先生の離婚について、市は、いつ、どのように知ったのでしょうか?契約の相手方である講談社や伊奈先生ご自身から連絡があったのでしょうか?お答えください。
(2)オリジナル将棋ノート、PR冊子などの印刷製本費として161万2千円が計上されています。高槻市は、「将棋の渡辺くん」とコラボした「将棋ノート」を、小学1年生から3年生に配付していましたが、令和7年度も、同じように、「将棋の渡辺くん」が描かれた「将棋ノート」を小学校の低学年の児童に配布するのでしょうか?お答えください。
また、高槻市が、低学年向けのノートのデザインに「将棋の渡辺くん」を採用した理由をお答えください。
⇒1点目、2点目について、本作品が将棋の魅力や現在の将棋界について親しみやすく描かれている漫画であること等から使用しております。
(3)「高槻将棋まつり」の開催などの委託料4886万2千円も計上されています。「高槻将棋まつり」の費用の内訳はどのようになっているのでしょうか?出演料の類については、単価はどれだけなのでしょうか?誰に、おいくら支払う予定なのでしょうか?お答えください。
また、「たかつきDAYS」令和6年11月号では、「高槻将棋まつり」の「漫画家・伊奈めぐみさんサイン会」について、「コミック『将棋の渡辺くん』を持参または当日購入した人にサイン会を実施・・・『将棋の渡辺くん』塗り絵コーナーもあります」と説明されています。こうした伊奈めぐみ先生のサイン会や塗り絵コーナーを、令和7年度も実施するのでしょうか?お答えください。
⇒高槻将棋まつりの費用については、2200万円を計上しており、その中に司会や出演者に係る経費を見込んでおります。また、企画内容については、今後検討してまいります。
(4)今年2月7日発売の別冊少年マガジン2025年3月号に掲載されている「将棋の渡辺くん」には、渡辺明九段が、「結婚して長いし、そろそろお互い自由にってのもアリじゃない?」と言ったのに対して、伊奈めぐみ先生は、「ん?離婚ってこと?んー・・・アリだね。人は皆、好きなように生きるべきだ」と答えたと描かれています。
「将棋の渡辺くん」には、このようなやり取りが描かれていますが、高槻市としては、結婚して長い人は離婚して自由に生きるべきだという価値観を推奨するわけではないということで、よろしいでしょうか?お答えください。
⇒個人の価値観に関する事案であるため、市としてはお答えできません。
(5)同じく「将棋の渡辺くん」では、渡辺明九段が紫綬褒章を受章したことについて、渡辺明九段は、賞金がないことを残念がって、金一封が欲しかった旨述べています。
高槻市では、令和7年度に、棋士の方を表彰する予定はあるのでしょうか?その表彰の際には、賞金や副賞も贈られるのでしょうか?お答えください。
⇒表彰対象者の選定も含め、規定に則り対応してまいります。
(6)棋士による出前授業の報償費として67万8千円が計上されています。この算定根拠を具体的にお答えください。
⇒過去の実績に基づき算出しております。
(7)債務負担行為として、タイトル戦運営業務について限度額1500万円の設定がされています。この1500万円の内訳は何なのでしょうか?何の費用が、何円必要なのでしょうか?お答えください。
⇒会場設営や関連イベントにかかる費用等を計上しております。
<2回目>
(1)「将棋の渡辺くん」は、親しみやすい画風の漫画ですけれども、高槻市が随意契約の理由に記載しているとおり、ノンフィクションです。その主人公の渡辺明九段が、結婚して長いからという理由で離婚をしたこと等が、ノンフィクションとして描かれているわけですが、これを、低学年向けのノートのデザインに採用することについては、どのようにお考えでしょうか?お答えください。
(2)お答えがありませんでしたが、伊奈めぐみ先生の離婚について、市は、いつ、どのように知ったのでしょうか?契約の相手方である講談社や伊奈先生ご自身から連絡があったのでしょうか?お答えください。
(3)別冊少年マガジン2025年3月号に掲載されている「将棋の渡辺くん」には、伊奈めぐみ先生が、自身の離婚に関して、カジノのような場所で、離婚を「面白そうなほう」だとして、大量のコインを離婚に賭けるような描写もあるのですが、高槻市としては、離婚は面白いという価値観を推奨するわけではないということで、よろしいでしょうか?お答えください。
(4)離婚によって、辛い思いをされた方もおられると思いますし、親の離婚でショックを受け、悲しい気持ちになったお子さんもおられると思いますが、そういった方々への影響については、どのようにお考えでしょうか?お答えください。
⇒1点目から4点目についてですが、個人的な事情に関する事であるため、市としてはお答えできません。
(5)タイトル戦運営業務の1500万円については、会場設営や関連イベントにかかる費用等だということです。それぞれについて、何に、何円、必要なのでしょうか?内訳をお答えください。
⇒開催されるタイトル戦により費用の内訳は異なりますが、関連イベントとしては、前夜祭や大盤解説会等を想定しております。
<3回目>
あとは意見を述べます。
高槻市は、「将棋の渡辺くん」の著作権の使用について、「渡辺明九段の妻である伊奈めぐみ氏の作品」だという個人的な事情も、随意契約の理由にして、1200万円以上を支出してきたわけです。なのに、先ほどの質問に対して、個人的な事情だといって、答弁しないというのは、おかしな話だと思います。
私は、よそ様の離婚に関して、他人がとやかく言うべきではないと思っています。また、伊奈めぐみ先生が、ご自身の漫画の「将棋の渡辺くん」の主人公である渡辺明九段と離婚したことについて、漫画に描かれたことは、ノンフィクション作家として、説明責任を果たされていて、立派だとも思っています。
けれども、市民の皆さん、特にお子さんへの影響を考えると、この「将棋の渡辺くん」を、高槻市役所が、行政として、何百万円も税金を渡して、使い続けるべきではないと考えています。
今は、3組に1組以上が離婚をする時代ですけれども、法務省のサイトに掲載されている令和3年1月付の「未成年期に父母の離婚を経験した子の養育に関する実態についての調査・分析業務 報告書」には、父母が別居した当時の子の気持ちを尋ねたアンケート調査の結果も掲載されていまして、それによりますと、「悲しかった」が37.4%、「ショックだった」が29.9%、「将来に不安を感じた」が16.1%などでした。中には、「ホッとした」、「状況が変わることが嬉しかった」と答えた人もいたんですが、全体的に見れば、ネガティブなものが大半を占めています。
アマゾンでの「将棋の渡辺くん」の書評を見ると、「ご家族のおはなしが楽しく読める」「ほっこりした気持ちになれる」といった意見も書かれていまして、こうしたイメージだからこそ、高槻市役所は、小学校低学年向けのノートのデザインに採用したり、デザインマンホール蓋のキャラクターに利用したりしてきたのだと思います。
けれども、この主人公の「渡辺くん」である渡辺明九段が、離婚をした、しかも「結婚して長い」からという一般的には理解しがたい理由で離婚したとなると、「家族でほっこりした気持ち」にはなりにくいんじゃないでしょうか。
この「将棋の渡辺くん」は、ノンフィクションで描かれた、実在の人物ですので、いくら親しみやすい画風で描かれた、かわいらしいキャラクターのものでも、この離婚のいきさつを知った方は、この絵を見るたびに、離婚のことを、思い出してしまうんじゃないでしょうか?リアルに、離婚を、想起させられるんじゃないでしょうか。
そうすると、ご自身やご家族の離婚を経験した人は、悲しく、ショックだった当時の気持ちを思い出してしまう、フラッシュバックさせられてしまうかもしれませんし、特にお子さんの場合は、心の傷を深くするかもしれません。
伊奈先生は、離婚は悪いことではないと、漫画に描かれておられますが、そのとおりで、お二人は悪いことをしたわけではありません。しかし、イメージというものがあります。恋愛は悪いことではないけれども、アイドルが恋愛をすれば、そのイメージを損ねてしまうわけです。離婚は悪いことではないけれども、そういう漫画・キャラクターを、行政が何百万円も支払って、小学生向けのノートなどに、使うべきでしょうか?普通の行政なら、使わないんじゃないでしょうか?
「将棋の渡辺くん」の渡辺明九段の離婚については、作中で作者が述べているとおり、多くの方に理解されないと思います。そうすると、離婚は面白いといった、作者の態度も、特に離婚で傷ついた方々には、共感が得られないのではないでしょうか?理解も共感も得られにくいキャラクターや作品を、何故わざわざ300万円も出して、使わないといけないのか、大いに疑問です。
また、先ほど申しあげたとおり、「将棋の渡辺くん」には、渡辺明九段が、紫綬褒章の受章について、賞金がないことを残念がって、金一封が欲しかった旨述べたと描かれています。これは紫綬褒章に対して失礼じゃないでしょうか?こういう態度は、あまり子どもには見せたくないなと思いました。
以上のとおりで、「将棋の渡辺くん」の著作権の使用に公金を支出することには反対です。マンホールの蓋も、別のものに替えてください。要望しておきます。
それから、次の「高槻将棋まつり」でも、伊奈めぐみ先生のサイン会をするのかどうか分かりませんが、想像してみてください。低学年の子が、離婚のいきさつが描かれた「将棋の渡辺くん」のコミックを買って、それに、離婚の当事者の伊奈先生がサインするなんて、ちょっと、見てられないでしょう。そういうこともやめてください。
要望しておきます。
↓人気ブログランキングに参加中!

クリックに感謝!
-
高槻ご意見番 代表 北岡隆浩(高槻市議会議員)
