2007年11月26日

【市バス】調査委報告=交通部の意見?

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本日、高槻市営バス「幽霊運転手」事件を調査するために奥本市長が任命した委員で構成された「高槻市交通部事務処理調査委員会」が最終報告をまとめました。

一読して、私は「どこかで見たことがある内容だな」と感じました。先週の水曜日に、「幽霊運転手」等に関する住民監査において「意見陳述」というものが行われ、高槻市庁舎にある監査委員事務局で、請求人の私と関係職員である交通部の職員がそれぞれの意見を監査人に対して述べたのですが、よく考えると、そこで交通部側が述べた意見とそっくりです。

例えば、「代走」に関して「過去の労働者の権利を重視する時代背景の下」黙認してきた、とか、労組幹部優遇ダイヤに関する「公共輸送機関として欠便は許されないので・・・」のくだりとか、法律や条令の引用のしかたとか・・・つまり、調査委員会は、交通部のいうことを鵜呑みにして、交通部の言うままに調査報告書を書いたとしか考えられません。本当にしっかりとした調査をしたのか疑問です。

また、「違法」という言葉を一切使わず、「不適切」とのみ表すのも、非常に生ぬるく、市民の感覚からはかけ離れているように思います。

公文書の改ざんについても意見を述べていますが、高槻市の主張をそのまま書いているだけ。

今年5月23〜24日に有給職免でいったん許可したものを、有給休暇に書き換えた件に関しては、「事後的な遡及取り消しは可能と考える」とのみ意見するだけで、私が情報公開請求をした後に、公開の対象であった公文書の改ざんが行われ、非公開扱いになるようにして開示を免れ情報公開制度を踏みにじったという核心部分については一切言及していません。調査委が「事後的な遡及取り消しは可能」とする、その根拠をぜひ教えてほしいものです。そんなことを可能とする法令等はないはずです。

ちなみに私は調査委員会には一度も呼ばれたことはありません。事務局には意見を述べる機会を設けてほしいと言っておいたのですが。つまり、調査委は、加害者側だけの意見しか聞いていないことになります。

とにもかくにも調査委が出した結論を端的に書くと、

・不当利得の返還総額は9,042,689円。
・代走は「不適切」であり、資料が出てきた平成16年度にさかのぼって、この分の不当利得を返還すべし。
・労組幹部優遇ダイヤについては、待機であり「問題はない」。ただし、その時間中に「職場離脱」した時間分については不当利得を返還すべし。
・しかし、「職場離脱」については、労組幹部の自己申告を鵜呑み。平成18〜19年度しか「職場離脱」の時間を特定できず。
・有給職免については、申請理由を逸脱するものは認められず、お咎めなし。
・不当利得返還請求の遡及期間については、最高裁判決昭和46年11月30日により、5年間が妥当。ただし、代走の記録が平成16年度分以降しかないため、実際は3年間しかさかのぼっていない。
・不当利得は、代走を依頼した者のみが返還すべし。交通部当局には乗務員の適正な労務管理の責任はあるが、不当利得返還の責任まではない。


といった感じです。

これについての反論は、長くなるので後日にしたいと思います。

それにしても、労働組合では会計帳簿を5年度分保存しているはずですので、それを見れば少なくとも5年はさかのぼって不当利得を算定できると思うのですが・・・労組が協力しなかったのか、それとも調査委が本気で調査しなかったのかのいずれかでしょう。

以下は、調査報告書の添付資料である「関係資料」から、代走の回数と不当利得返還請求額の一覧(各自の総額のみ)を抜き出したものです。本当はこれよりももっと返してもらわなければいけないはずです。

「代走」一覧(平成16年度〜19年度)
氏名平成16年度平成17年度平成18年度平成19年度
43240067
242025069
262614066
2524542105
3110014
執行委員
その他
202011051
1411151142372


平成16年度〜19年度 欠勤に伴う減額集計表
氏名総合計
A2,001,439
B1,839,184
C1,483,465
D2,393,972
E304,915
F125,103
G181,546
H140,940
I77,716
J103,050
K24,179
L23,071
M38,134
N20,694
O22,224
P10,325
Q19,298
R30,564
S40,807
T40,028
U58,782
V17,730
W19,356
X26,167
合計9,042,689


これの返還には、やはり犠牲者救援金が使われるのでしょうか?

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posted by 北岡隆浩 at 23:57| 大阪 ☁| Comment(5) | TrackBack(0) | 高槻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
相変わらずですねぇ。。
検察とか外部の手が入らないと自浄はとても無理そう。
市長自体にも後ろ暗い所があるから、調査をあいまいにしていると思われても仕方がない。
Posted by ある高槻市民 at 2007年11月27日 11:56
この内容を見ていると、全ては労働組合側が弁済するような形?
高槻市の幹部は関係ないの?
本当に不当利得返還の責任まではないの?
労働組合側が一方的に悪者ですね。
Posted by 市民 at 2007年11月27日 12:13
調査委員会も形式的でしょう。
最初からシナリオは組み込まれてたとしか思えない。やっぱり検察がしっかり捜査して断罪しないとこの組織はダメですね。
Posted by 日吉台市民 at 2007年11月27日 20:13
大阪地検特捜部の威信をかけた捜査と取り締まりを切望します。
内容が甘すぎる最終報告じゃないですか!
Posted by 市内在住者 at 2007年11月27日 20:44
結局3年分しか資料が無いとか言って、それ以上さかのぼって不当利得を算定できないって何?
北岡議員がおっしゃる5年分の資料とやらは、組合が持っているならそれを証拠提出させて踏み込むべきじゃないですか。
こうなれば北岡議員が労組に対し内容証明で直接質問状でも送って見解を問うてみてはいかが?
Posted by おかしい at 2007年11月27日 22:13
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