2008年01月27日

前市長が理事に!大阪府下で唯一、社会福祉法人の役員名を開示しなかった高槻市。

社会福祉法人役員名非開示を取り消す決定

昨年、新しい特別養護老人ホームの事業者の選考過程について高槻市に情報公開請求し、その結果開示された公文書を見て、私は疑問を覚えました。社会福祉法人の役員名が、理事長以外黒塗りにされていたのです。

どうして高槻市は社会福祉法人の役員名を開示しないのか。高槻市の言い分は、法務局で管理されている社会福祉法人の登記簿には理事長しか記載されていないからだ、というものでした。株式会社や有限会社などは代表取締役だけではなく、他の取締役や監査役も記載されているのですが、確かに、社会福祉法人や学校法人は、代表である理事長しか登記されていません。

しかし、極めて公共性の高い事業を行う法人とされる社会福祉法人の役員名が開示されないなんていうのはおかしいことです。そこで、他の地方自治体はどうしているのかを調べてみました。

社会福祉法人を管轄しているのは、中核市以上の地方自治体です。大阪であれば、大阪府と政令指定都市の大阪市・堺市、そして中核市の東大阪市・高槻市です。これらの自治体に情報公開請求をしたところ、なんと、高槻市以外はすべて役員名を開示したのです。

政令指定都市・中核市以外の市町村の社会福祉法人は大阪府の管轄ですから、大阪府下で社会福祉法人の役員名を公表しないのは、高槻市だけという結果になりました。

そこで私は、高槻市が所管する社会福祉法人の役員名などを非公開とした高槻市の決定はおかしいので、役員名などを開示せよと、異議申立てを行いました。

平成19年の5月21日に情報公開請求、6月4日に一部非公開の決定、そして前述の異議申立ては6月27日に行ったのですが、それから3ヶ月経った9月28日に、写真の「異議申立てに対する決定について」という通知がなされました。

情報公開の結果に対して異議申立てがあった場合、高槻市情報公開条例第15条によれば、非公開決定を取消・変更等する以外は、「遅滞なく」審査会に諮問しなければならない、とされています。

高槻市情報公開条例
(不服申立ての処置)
第15条 実施機関は、公開決定等について、行政不服審査法(昭和37年法律第160号)による不服申立てがあった場合は、次の各号のいずれかに該当するときを除き、遅滞なく、審査会に当該不服申立てに対する決定又は裁決について諮問しなければならない。
 (1) 不服申立てが不適法であり、却下するとき。
 (2) 決定又は裁決で、不服申立てに係る非公開決定等を取り消し、又は変更し、当該不服申立てに係る公文書の全部を公開することとするとき。ただし、当該非公開決定等について反対意見書が提出されている場合を除く。


高槻市は、私の異議申立てを受けてから、3ヵ月後に、役員名を開示する決定を下しました。しかし、審議会にはかけなかったというのです。つまり、3ヶ月間ずっと私の異議申立てを握ったままにしておいたということです。

審議会にかけないのに、何故3ヶ月もかかったのか、時間がかかり過ぎだと言ったのですが、役所側は「『遅滞なく』であればいい」と答えました。3ヶ月は「遅滞なく」なのでしょうか?

そして、開示された役員名を見ると、新しい特別養護老人ホームの事業者に不正に選定された社会福祉法人の理事に、なんと、前の高槻市長の江村利雄氏が就任していることが分かったのです。この発覚を恐れて役員名を非開示に下のではないでしょうか?3ヶ月は時間稼ぎだったのではないでしょうか?

この社会福祉法人は、特別養護老人ホームの建設費を水増しして元理事長が逮捕され実刑判決まで受けたことは以前書いたとおりです。大阪府は、業務改善命令をこの社会福祉法人に対して発令し、当時の役員全員を辞任させ、仮理事3名を選任しました。

調べてみると、実は、その3名の仮理事のうち、1名は、元高槻市民生部長の方だったのです。そして、経緯は不明ですが、その3名の仮理事たちが、理事会を開いて、新しい理事を選んだ。その理事の中に江村前高槻市長がいた。元市幹部らの決定により理事になったわけですから、いわゆる天下りです。別の元市幹部も同じ頃に天下りしていました。

その後、この社会福祉法人は、高槻市から2億円以上の補助を受けてケアハウスやグループホームを建設して事業を拡大。高槻市内では、高槻市の外郭団体を除いて、最大規模の社会福祉法人にまでなりました。もし、さらに、高槻市から約2億円の補助金を受けて、新しく特別養護老人ホームを建設・運営することになれば、高槻市内では最大の社会福祉法人に成長することになります。

こういうことを許しておいてよいのでしょうか。いくらなんでも露骨ですし、やりすぎです。

先日、この件については住民訴訟を起こしたことは既報のとおり。裁判所の良識を期待したいと思います。

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平成19年6月27日

異議申立書

高槻市長殿
異議申立人 北岡 隆浩 

次のとおり、異議を申し立てます。
1 異議申立人の氏名、年齢及び住所
北岡隆浩、36歳
2 異議申立に係る処分
高槻市長が、平成19年6月4日付高福法第128号で異議申立人に対して行った部分公開決定処分
3 異議申立に係る処分があったことを知った年月日
平成19年6月5日
4 異議申し立ての趣旨及び理由
(1)異議申立の趣旨
 異議申立に係る処分を取り消し、当該文書における社会福祉法人の役員氏名および現就任年月日を公開するとの決定を求める。
(2)異議申立の理由
 異議申立に係る処分は、次のとおり不当である。
@当該公文書部分公開決定通知書によれば、一部を公開しない理由について、高槻市情報公開条例第6条第1項第1号に該当し、「個人に関する情報であって、特定の個人を識別することができるものであり、かつ、同号ただし書のいずれにも該当しないため」としている。
Aしかし、同号ただし書は
 ア 法令(条例を含む。以下同じ。)の規定により又は慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報
 イ 人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公開することが必要であると認められる情報
 となっている。(ウは省略する。)
B社会福祉法人は、中核市以上の地方公共団体が管轄している。添付資料のとおり、大阪府下の中核市以上の地方公共団体に対し、異議申立人において無作為に選んだ社会福祉法人の役員名等の開示を請求したところ、高槻市以外の地方公共団体(大阪府、大阪市、堺市、東大阪市)は、すべて、社会福祉法人の全役員名と現就任年月日を公開した。つまり、当該情報は、慣行として公にされているのである。
C社会福祉法人は、「社会福祉事業を行うことを目的として社会福祉法の規定により設立された法人で、公共性が極めて高く、営利を目的としない民間の法人」と定義されている。常識的に考えて、このような極めて公共性の高い公益法人の役員の氏名を非公開とするのは、その社会的責任に比して、まったく不釣合いであり、非常に不自然である。
Dまた、公益法人の役員であるということを公表されることによって、不利益を被る個人が存在するとも考えられない。
E高槻市情報公開条例第6条第1項第1号ただし書イには「人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公開することが必要であると認められる情報」とある。社会福祉法人は、まさに人の生命・健康・生活に深く関わる事業を行っている。高槻市民だけが、市内の社会福祉法人の経営に携わる責任者=役員が誰なのかを知ることができないということであれば、多くの市民が、高槻市の福祉行政に不安を覚えるのは明白である。
Fまた、役員名を開示されることによって、不利益を被る社会福祉法人は存在しないはずである。
G以上により、当該情報を非公開とする理由はなく、高槻市長の決定は不当であるので、ただちに処分を取り消し、当該情報を開示するよう求める。
5 処分庁の教示の有無及びその内容
「この処分に不服があるときは、この通知を受けた日の翌日から起算して60日以内に、高槻市長に対して異議申立をすることができる」との教示があった。

以上



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posted by 北岡隆浩 at 23:32| 大阪 ☁| Comment(12) | TrackBack(0) | 高槻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
きっと高槻市にとって都合の悪いことなんでしょう。
北岡先生のご活躍に敬服致す次第です。
Posted by 市民 at 2008年01月28日 19:06
 間違ったことを正す事は地方自治体議員として当然で頑張ってくださっていることは承知いたしますが、あまり度が過ぎますと、何故か恨み辛みで弱いものいじめをしているように見えてしまいます。一人の議員が全てを傾注し大問題化の如き事柄が一局一報道番組でしか取り扱わないのも不思議です。志高く高槻のため立たれたものと拝察しております。誰が見ても真っ当な(失礼)ご活躍を期待しております。     もっとも議員はこのコメントは削除されるでしょうね。
Posted by 普通の市民 at 2008年01月29日 10:30
北岡市議へ。今までにない、しっかりとした志を持った活動をされていると私個人としては高く評価していますよ。「普通の市民」さんのような意見に惑わされることなく、私のみたいな末端の市民感覚に今後も応えて頑張ってください!
Posted by 末端の市民 at 2008年02月01日 18:48
 普通の市民さんへ

 私は権力に立ち向かうことに度が過ぎることないと思っています。権力者には「疑わしきは罰す」態度で臨むのがあたりまえです。
 高槻市幹部が「弱い者」とうあなたの感覚こそ私はおかしいと思います。高槻市幹部、労働組合幹部、各種法人や土木建築業者が弱者であれば、低所得者、老人、子ども、障害者はいったい何と表現したらいいのでしょう。
 高槻市は20年近く黒字決算を維持していますし、労働組合費の蓄積も馬鹿になりません。市の仕事を委託される法人や、仕事を請け負う業者に至っては何おか況んやでしょう。市民を放置して好きなことをやっているのが高槻市の現状だと思います。

 北岡議員は、別に高槻市政に恨み辛みをもってなさっているのではなく、上記3者の闇をさらけ出そうと頑張っておられるだけだと思います。

 だから、私はこれからも応援していきたいと思いますし、今は一局、一番組でも、きっとNHKの全国ニュースで放映される出来事が北岡議員の活躍で生じるだろうことを信じています。
 
 
Posted by A at 2008年02月01日 20:32
いつも楽しみに読ませてもらってます。
北岡さんのブログで知った高槻市の問題の数々。
知れば知るほど市に対して不信感でいっぱいです。でも市民として知りたいです。
北岡さんには、これからも頑張ってほしいです。
高槻市民にとって、大切な人だと思います。
Posted by 高槻市民です at 2008年02月02日 14:19
恨み辛みでイジメ?
不正をはたらく者が追及にあって何がアカン?
同情なんて禁物。
しっかり監視と追及の手綱は緩めずに締めてほしいものだ。
北岡議員の活動のおかげで市バスや社会福祉法人の闇が明かされた。
もっと他の議員たちも見習うべきである。
Posted by 普通の市民に意見 at 2008年02月02日 21:44
行政のやることを監視して、間違いがあれば正すのは議員としてあたりまえではないでしょうか。
やりすぎだとかイジメだとかなんて言う方がおかしい。
そんな及び腰のような事では議員という仕事は成り立たなくなってしまいますよ。
Posted by 東和町住民 at 2008年02月03日 22:23
役所内部からもっと「おかしい」という声が上がっても良いのではないでしょうか?
もっと勇気をもって内部告発を推進してほしい!
Posted by 内部告発を推進! at 2008年02月04日 23:02
 内部告発を推進!さんへ

 役所内部から「おかしい」という声が上がらないようにしているのが高槻市のやり方です。北岡議員にお願いしたいのですが、高槻市議会議員の前歴を調べてみてください。元市職員、元土建業者等、市と密接な関係のある議員がいたら要注意です。

 一例を挙げましょう。京阪電鉄、大阪京都を結んでいますが、通過市町村の全ての議会に自社出身の議員を送り込み、自社の利害関係に関与させていたということを聞いたことがあります。あくまでも噂ですので念のため。

Posted by A at 2008年02月07日 17:13
内部告発があると会社内が混乱して、社員同士で告発者探しの話題に集中することを数年前経験しました。
その時の経験ですが、ある社員が告発者だという噂が流れ、噂をした社員と犯人とされた社員同士で裁判沙汰になり結局良いことは何1つありませんでした。
経験してこそ思いますが、内部告発は悪い面が急速に表面化します。
人間性もよく分かります。騒ぎが収まるにはトップの判断も大きな要因となるでしょう。
会社に対して思うのはコンプライアンスを忘れないことだと思います。

Posted by 内部告発された経験 at 2008年02月08日 12:59
市会議員の仕事は口利きや裏取引が主な仕事?
そんな市会議員の集票に世話になっているのが市長だとしたら絶対にこの街は良くなることなんかありえない。
Posted by 市会議員って at 2008年02月08日 18:14
高槻市にとって北岡議員の存在はきっと脅威なんでしょうね(笑)
これからもどんどん「嫌がられる」議員でしっかり頑張って下さい。
応援していますよ。
Posted by 応援してます at 2008年02月08日 19:59
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