2005年11月08日

日本テレビ系終戦60年記念ドラマ「火垂るの墓」を見て

image/kitaoka-2005-11-08T06:25:01-1.jpg

先日テレビでドラマ「火垂るの墓」が放送されているのを偶然見ました。節子役の子のしゃべるテンポがうちの子にそっくりだし、同じ関西弁だし、で、目が離せなくなり、家族が寝静まっている夜中、三角座りをしてこっそり最後まで見ていました。

意地悪なおばさん役を松嶋菜々子が演じていましたが、アニメと違い、このおばさんにも同情すべき部分・やむにやまれぬ事情があった、という感じで描かれておりました。ただそう描くことによって、アニメと比べ、清太と節子の悲惨さをあまり際立たせなかったなとも思いました。

しかし、いずれにせよ、小さい子どもを殺すのは、卑怯ですね・・・でも実際、戦争では弱い子ども達がたくさん死んだのだから、現実に即して描いたといえばそうなのかもしれませんが。

「昭和20年9月21日夜、僕は死んだ」の清太のセリフで始まるスタジオジブリの「火垂るの墓」で清太の声を演じた役者とは友人なのですが、その彼によると、節子の声は別録りし、それにアニメのほうを合わせたそうです。当時節子役の白石綾乃さんは5歳。5歳だと、セリフは上手くしゃべれても、映像に合わせてしゃべるのは難しかったようです。

ドラマで一番印象に残ったのが、清太と節子の父親のセリフ。「俺は海軍で日本を守るから、お前は母さんと節子を守れ」・・・玉音放送が流れた8月15日、尊敬していた父の所属していた連合艦隊が米軍に一隻残らず沈められたと知らされ清太は半狂乱になります。「日本を守る」と言った父は負け戦の中で討ち死にし、一方の清太も、妹も母もどちらも守り切れませんでした。

男っていうのは、女性と比べて、守るべきものや守る力が無くなると生きる意欲を失いがちなのかもしれないなあ、と、駅の柱にもたれながら死んだ清太を見ながら思いました。自分ではない別の何かを守ることに、自分の存在意義を感じる男が多いのかなあ。

悲惨な死に方をした清太・節子に対して、おばさん(松嶋菜々子)一家は誰も死ぬことなく戦後もしぶとく生き残ります。といって、そうやって生き残ったことに、何の感動もありませんでした。食料をなんとか確保して生き残ったと、単にそれだけで。やっぱり「女は強い」のかと。

職場の老人ホームでも、女性のほうが和やかに周囲と打ち解けながら、自分をもちしっかり生きているのに対して、男性のほうは他者とのコミュニケーションやリハビリ等に対してやる気の乏しい方が多いように思います。一般に言われているように、女性のほうが生きる力が強いようですね。


<追記>

ネットで調べると、実はこのドラマの主人公は、松嶋菜々子でした!知らずに見ていたよ・・・
松嶋菜々子、実写版「火垂るの墓」で鬼のヒロイン役に
 女優、松嶋菜々子(31)が、今秋放送の日本テレビ系終戦60年記念ドラマ「火垂るの墓」に主演することが4日、分かった。野坂昭如氏の原作でスタジオジブリのアニメ映画として知られる名作の初の実写版。今回は1人の女性にスポットをあて、戦争の悲惨さと切なさを描く。松嶋はわが子を守るために“鬼”と化すヒロイン役に挑戦。これまでにない新しい役柄で新境地を見せる。

(中略)

 実写化するにあたっては、アニメとは違った視点から制作しようと、兄妹ではなく、戦争の極限状態を必死に生き抜こうとする1人の女性(原作では未亡人として描かれアニメにも登場)にスポットをあてる。その女性を演じるのが松嶋だ。

 この女性は、空襲で親も家も失った清太と節子の兄妹の遠戚で、頼ってきた2人を最初は、天使のようにやさしく明るく接して面倒を見るが、戦争が激化するにつれ、自分の子供を守るため幼い兄妹に厳しく当たるなど“鬼”と化していく。松嶋にとっては初めてといえる“悪女役”だ。

(中略)

 やさしく明るかった女性が、厳しい状況下に置かれるや、一転して眠っていた“魔の本性”をさらしだしていく過程を、松嶋がどのように演じるか注目だ。


・・・そんなドラマだったのか???

おばさんを主人公にしたことに、少し無理があったような気がします(笑)。


<さらに追記>

おそらく感動が生まれなかったのは「時代を言い訳にした」からだと思います。おばさんが、時代の流れに抗って清太と節子を守っていれば、もっと言えば、自分の命と引き換えにしてでも守れば、おばさんに対する感動があったのでしょうが(そうすると全然別の話になってしまいますが)。

それと「手遅れの優しさ」ですね。清太と節子のために、こっそり食料を置いてきてやるとか、そういうことも一切なく、戦争が終わってから、死んでから、遺体を引き取りに行っても、「もう遅いよ!」という感じで・・・

生き残るにしても、必死さがあまり伝わってこなかったし。節子や清太の死に際の形相と比べると、余裕で健康そうだったし・・・松嶋菜々子が美し過ぎるのがダメだったのかな(笑)。

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posted by 北岡隆浩 at 06:25| 大阪 | Comment(3) | TrackBack(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今日、お昼にやっていたドラマの再放送を見ました。ドラマは初めてみたのですが、アニメの声優たちがそのまま演じたかのように再現されてましたね。(そのまま演じるのは年齢的に絶対無理ですが・・)

私も奈々子扮するおばさんには同情できません。
せめて、野菜泥棒で捕まった時に話を聞いてあげてほしかった。。だって、セイタのボロボロの服に比べて奈々子の着物がキレイ過ぎる!!!
時代のせいだけじゃないよ。。

アニメのせいたさん役の俳優さんとお友達なんですか?いまどんな活動をしているか教えてもらえませんか?あと、節子役の子は5歳で、セイタ役の人は何歳だったんですか?

Posted by ちりたま at 2006年08月13日 22:05
このHPの彼ともせいたとも友人の2号ぱぱです。この盆にせいた君と久々ゴルフに行ってきましたよ。今は俳優としては活動してません。ま、単なるおっさん・・・かな(笑)せいたは当時17歳で、今は33歳ですよ。
Posted by 2号ぱぱ at 2006年08月21日 19:38
私は当時12歳で、初めてアニメをみた時は夜寝れなかったことを覚えています。
せいたの声がやさしくて、せつこが死ぬときの「せつこー」って声が悲しくて、
もう何年もアニメは見てないけれど、せいたの声は覚えています。
今は俳優さんじゃないんですね。他の作品も見たかったので残念です。
Posted by ちりたま at 2006年08月23日 00:07
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Tracked: 2005-11-08 06:39

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Excerpt: 火垂るの墓 いろいろなTBやコメントを頂き、自分でも方々のレビューを拝見してみま...
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Tracked: 2005-11-08 10:37