2005年12月26日

「無防備・平和都市条例」に、無防備ではいられない。〜その8〜多分最終回

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本日、高槻市議会に傍聴に行きました。結果から言いますと「高槻市無防備・平和都市条例案」は否決されました。

傍聴席から見えにくい席もあったので正確でないかもしれませんが、注目していた民主党系会派「市民連合議員団」の9人は全員反対。条例案に賛成したのは、「日本共産党高槻市会議員団」の4人(大川肇・勝原和久・中村玲子・橋本恵美子)、「高槻市政を革新する会」の2人(小西弘泰・森田充二)、社民党系の「元気市民」の2人(野々上愛・松川泰樹)、無所属の岡本嗣郎・二木洋子の計10人のようです(敬称略)。

・・・しかし、週刊新潮に対して、条例に反対すると答えていた「市民運動系の市議」って、誰だったんでしょう?「市民運動系の市議」は全員賛成してましたが・・・

本日の議事においては「質疑」(議案について議員が市側に質問すること)はなく、「委員長報告」→「討論」→「採決」という順でした。「討論」とは議案に対して反対や賛成の意見を述べること。今回は、橋本恵美子、野々上愛、森田充二、二木洋子の4人の議員が、いずれも条例案に賛成する旨の討論を行いました。

初めての傍聴だったので、どこから入るのか分からず迷ってしまいました。市役所旧館の東側に、傍聴席へ通ずる専用の入り口があり、警備員2名が傍聴券・傍聴に当たっての注意書き・審議日程・議事日程を配っていました。

手渡された注意書きには「議場における議事に対して、拍手その他の方法により公然と可否を表明しないこと」などと書かれていましたが、傍聴席の署名活動を進めてきた方たちは、拍手はするはヤジは飛ばすわで、議長に何度注意されてもまるで規則を守ろうとしませんでした。やはりこういう人達が運動を進めてきたのかと、ゲンナリ。

議員の席と傍聴席の間に、各マスコミの席があったのですが、報道関係者の姿は一切なし。予想以上に注目度が低かったようです。一応、高槻市では20年ぶりの直接請求なんですが(笑)。

議事の進行ですが、まず、12月21日に条例案を審査した総務消防委員会の久保隆夫委員長より「委員長報告」がありました。走り書きでメモしたので正確ではないかもしれませんが、報告内容としては、市側に問いただしたところ「平和への理念、憲法9条の理念は堅持する」「ジュネーブ条約追加第一議定書における『適当な当局』とは、やはり国であって、地方公共団体ではない。本誌において条例を制定すれば、地方自治法に背くおそれがある」「無防備宣言に必要な4条件の中には、市長の権限では遵守できないものもある」等の答弁。委員からは「平和のために制定すべき」等の意見もあったが、委員会では少数賛成で否決になった、と。

委員長が「遵守」を「そんしゅ」と読んでいたため、傍聴席からは「お前は漢字も読めないのか」「教養が低いやつだ」などの野次。

その次に本来なら質疑があるはずだったのですが、希望する議員がいないということで、質疑はなしに。大阪市議会でのような爆笑質疑があるかと期待していたのですが、拍子抜けでした(笑)。質疑したって笑われるだけだから、討論で一方的に意見を述べようという作戦だったのかもしれませんね。

次に4人の議員による討論。まず共産党の橋本恵美子議員が登壇。「憲法の理念に基づく条例案だ。日本で戦争へと向かう動きがある中で、多くの高槻市民が平和を希求した結果、この条例案が直接請求された。世界とアジアでは平和の流れが起きている。例えば北朝鮮の核開発問題については、六カ国協議が開催されているように、紛争の代わりに話し合いで解決しようとするのが国際情勢だ。世界でも日本の憲法9条が高く評価されている。条例案では9条の精神が謳われており、9条を守る取り組みとなる。高槻ではイラク自衛隊派兵反対意見書などを議会で可決させたが、こういったものを実効性あるものにするため条例案に賛成。条例案に多くの市民が署名したことも真摯に受け止めるべき」といった感じ(正確でないかもしれませんが。以下もメモ書きを基にしているので、詳しくは議事録などをご覧ください)

二番目に、社民党系会派「元気市民」の野々上愛議員。「1ヶ月で12518筆もの署名を集めた。市民の平和を求める声を高槻市は受け止めるべき。平和主義・国際協調の憲法があるのに、実際の日本の政治はそれから離れて行き、戦争へ、戦時下へ突き進んでいくという、違憲とも言える動きがある。市は市民の生命と財産を守る責任があり、市民が戦争に巻き込まれないことを示すためにこの条例は必要。市長は意見書の中で、他の条例などに基づき平和事業を行っているとしているが、不十分である。地方自治法に反するおそれがあるというが、赤十字国際委員会では正反対の見解が出されている。自治体が無防備都市宣言できるという他国の研究もある。この条例を武器として平和を守るべき」

三番目、森田充二議員「この条例案は非武装を謳った憲法の精神に合致している。小泉政権は戦争に向かっている。憲法第99条では『天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ』とされている。その憲法を守る義務がある政府が、憲法を改正しようというのは憲法違反だ。GHQは、労働者階級とアジアの平和のためにこの平和憲法を作った。その憲法を変えようというのであれば、日本人民とアジア人民には、日本政府を打ち倒す権利がある。沖縄人民は、在日米軍のために、レイプ事件やヘリの墜落事故などで分かるように、生命財産を脅かされている。しかし、日本人民は平和的生存権を有している。そのことを本条例を制定することで確認すべきである。イラク人民にも平和的生存権があるが、米軍が劣化ウラン弾などの使用し、悲惨な状況となっている。こうしたイラク人民にも、石つぶてでもって米軍に反撃する権利があるのは当然ある。イラクに武装自衛隊が派遣されているが、海上輸送などで自衛隊が米軍を支えおり、つまりイラクの惨状は自衛隊にも責任がある。市長の答弁はそんな違憲行為をしている日本政府の答弁そのままであり、政府に屈している。法令に定められていない『調査管理規定』という単なる内規でこの条例の直接請求について妨害もした。軍事独占されているイラク人民のために何ができるか。それは在日米軍への戦いだ。沖縄人民のためにも沖縄の米軍基地をなくすのだ。沖縄人民との連帯が必要だ。イスラム人民のやむにやまれぬ抵抗運動・反撃する権利を認めなければならない。日本は朝鮮半島での戦争を想定しており、すでに戦時下へと進んでいる。民衆には、いかなることもする権利があるのだ」

・・・改憲は違憲?憲法第96条には憲法改正ができると定められていますが・・・「人民のやむにやまれぬ抵抗運動・反撃する権利を認めなければならない」のであれば、無防備地域宣言しても無駄じゃないですか(笑)。この森田議員の討論に一番しびれましたよ(笑)。

最後は、無所属の二木洋子議員。「12518名もの市民が憲法9条の地域での具現化を求めた。市民の意見を尊重すべき。平和的生存権や平和事業を条例として明文化したほうが、日本全国に、世界に、平和を発信できる。国防が国の専権事項などというのは政府の見解そのままである。無防備地域宣言は、一定の条件下では地方自治体でもできるので、高槻市独自の見解を出すべき。市民の財産を守るためにも高槻市は条例化すべきだ。ただ、平時にこのような宣言ができるかどうかは疑問で研究の余地がある。しかし戦時には宣言を行うという姿勢でいなければならない。憲法第9条が守られているならば、日本全国が無防備地域宣言をしているのと同じだ。何としても平和を守りたい、地域にできることはないかと市民が条例化を求めた。この条例は憲法第9条の地域での具現のために必要である」

その後挙手での採決があり、上述のとおりあっさり否決。議事開始からここまで40分ほど。意外に早く終わりました。採決直後「反対する意見はないのかー!ないなら何故賛成しないんだ!」「法治国家じゃないのかー」など傍聴席から野次。あまりのうるささに、議事の途中、議員席からは「議長、退場させろ」の声も。結局、最後まで誰も退場させられませんでしたが。

終わって緊張感が解けて、ぼんやりしていると、壇上で誰かがボソボソしゃべっている。「誰かが何かしゃべってはるわ」と思って良く見たら、市長が今年一年を振り返りつつ締めくくりの挨拶してました。その市長の存在感のなさが、なんだか妙におかしかったです(笑)。

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posted by 北岡隆浩 at 14:59| 大阪 ☀| Comment(3) | TrackBack(1) | 無防備・平和都市条例 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月23日

「無防備・平和都市条例」に、無防備ではいられない。〜その7〜

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こちらにも書きましたが、12月26日(月)に「高槻市無防備・平和都市条例案」の質疑と採決が行われます。ちょうど仕事が休みなので、「高槻市を無防備にしない有志の会」の会員番号1番の私としては、高槻市におけるこの妙な運動の最期を見届けるために、傍聴に行くべきかなと考えています。

まあ、「高槻市を無防備にしない有志の会」のCHANKEI会長の予想通りでしょう。「高槻だから」とかなり危惧しましたが、今の情勢で行くと、質疑で嘲笑され、採決ではごくあっさりと否決、といったところでしょうね(笑)。
関西DEEP探訪「行ってきました無防備講座」
彼らの論理の破綻具合は直接聞けば聞くほど実感できます。普通の人なら議会で賛成しないという思いを強くしました。

週刊新潮12月15日号には「空騒ぎ『無防備地域宣言』で『辻元清美』大はしゃぎ」というタイトルの記事が掲載されていました。10月1日に、辻元清美が「無防備地域宣言運動」を行っているプロ市民活動家らと合流し、署名を呼びかけるとともに、自らも署名を行ったと。これまでに5つの自治体で条例案が議会にかけられたが、いずれも否決され空騒ぎに終わっている。そんな誰でも分かる幼稚な運動に進んで署名してしまう辻元に呆れた、といった内容。

その記事中、「高槻市の市民運動系の市議」が週刊新潮のインタビューに対し、「運動する意味はあるかもしれませんが、内容は実効性の点において、大いに疑問が残るし、そんなものを条例にする意味はまったくない」と答えたと。条例案に賛成しそうな「市民運動系の市議」すらこのような考えであるならば、間違いなく否決でしょう(もしこの市議がCHANKEIさんが説得に出向いたF市議で、そのことによって考えを改めたのなら、CHANKEIさんの功績ですね!)。

この市議は「運動する意味はあるかもしれませんが」と答えていますが、どうして運動する意味があるんでしょう?「条例化しても意味がないものを条例化する運動」なんて、意味がないにもほどがあると思うのですが(笑)。

CHANKEIさんが出席された推進側の勉強会「無防備地域宣言条例制定に向けた市民講座」でも、CHANKEIさんの「高槻で可決の見込みは?」という質問に、司会の女性は「厳しいと思うが否決可決ではなく活動を続けていくことが大事」と回答したとのこと。

条例制定のための運動をしていたのですから、必要数の倍以上もの署名を集め、高槻市では20年ぶりとなる直接請求を成し遂げ、可決の可能性もまだ残っている今の段階で、そんなことを言うのはどうもおかしい。「この運動には多くの高槻市民が賛同してくださった。しかしいくら署名が集まっても、条例が制定されなければ意味がない。署名をしてくださった多くの市民の意思が反映されないということになる。この講座に出席された市民の方は議員に働きかけましょう。ご出席のののうえ愛市議は市議会でのご尽力をよろしくお願いします」と言うのが普通ではないでしょうか。

それを「否決可決ではなく活動を続けていくことが大事」とは・・・やはり署名活動自体がこの団体の目的だったのでしょうか。

ちなみに、直接請求がされた後、署名簿は、運動の代表者に返されます。この署名簿が、無防備運動の使用だけに終わればよいですが・・・

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posted by 北岡隆浩 at 09:03| 大阪 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 無防備・平和都市条例 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月22日

「無防備・平和都市条例」に、無防備ではいられない。〜その6〜

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無防備条例に関する高槻市議へのアンケートですが、「高槻市を無防備にしない有志の会」のCHANKEI会長が本日blogで発表されたとおり、36人の市議のうち回答したのはたった1人だけでした。選挙期間中であれば、市民団体から寄せられるアンケートには多くの議員が積極的に答えるのですが・・・票にならないものには非協力的なのかもしれません。

荒川区でも区議会議員にアンケートを実施した団体があるのですが、その回収率は25%。高槻市議会議員の極めて低いアンケート回答率に、かなり嫌な予感がします。

さて、昨日の産経新聞朝刊に、「無防備地域宣言運動」に関する記事が掲載されました。「無防備地域 攻撃されない、武装・抵抗しない 21市区町条例化へ署名運動 国の防衛行動と矛盾も」というタイトル(webのものとは少し違います)。

「無防備地域」宣言 国防協力を拒否? 21自治体、条例化へ署名運動
ジュネーブ条約で有事の際に攻撃が禁じられている「無防備地域」の宣言をするよう地方自治体に求める運動が全国に広がりをみせている。これまでに宣言条例が成立した例はないが、確認されただけで二十一区市町で署名活動などが進められている。国の責任で行う防衛行動を自治体が制約することには疑問があるほか、国民や自治体に協力を定めた国民保護法、武力事態対処法に正面から反する問題点も指摘されている。

(中略)

国民保護法なども自治体に国の方針に基づく協力義務を定めており、自治体が条例でこうした条件を確保する規定を勝手に盛り込む行為は、国防への協力拒否を意味するだけでなく、仮に条例が制定されても法律違反として無効とみなされる可能性が高い。

(中略)

これまでに、条例を可決した自治体はないものの、運動自体は次々と別の地域で展開される状況が続いている。
全国紙としては初めて、多くの自治体でのこの妙な運動の広がりに警鐘を鳴らしたことについては大変意義があるとは思います。しかし、一つ申し上げたいのは、高槻市では条例化の可能性が極めて高い、ということです。そこが高槻市が他の自治体とは異なる特殊なところです。

この記事に関連して、goriさんがまた面白いエントリーを書かれておられましたが、
Irregular Expression「無防備地域宣言運動家は外患援助罪で逮捕しろ」
(前略)無防備地域宣言を進めているのは無防備地域宣言運動全国ネットワークという団体らしいが、その公式WEBサイトには「まんが『無防備マン』が行く!」ってコーナーがあって、これが笑える。

(中略)

この漫画に登場する子供は、最初は「自分の地域だけ戦争に関係せず平和になればいいなんて変だ」「無防備地域宣言したからって、本当に大丈夫?」とかマトモな疑問を感じてるのに無能マンにだんだんオルグされていく様はリアルだねぇ。(後略)
「無防備地域宣言運動」というのは、左翼が劣勢を挽回するための新しいオルグ(左翼の組織に勧誘する行為)の手段なのかもしれませんね。だから、条例案が非現実的だろうが、外患援助罪の疑いがあろうが、否決されようが、必死に全国に展開しようといているのかも。

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もし「無防備・平和都市条例」が制定されて、人民解放軍などが攻めてきて高槻市を占領し、チベットで行われたように、デモ行進をしただけで虐殺されたり、レイプや強奪がされたら、この運動を進めてきた人達は、自分達のやったことを棚に上げて、「小泉首相、あなたが身代わりになって殺されてください、強姦されてください」と声高に言いそうで怖いです(笑)。


このブログでの他の無防備地域宣言運動に関する記事
http://kitaoka.seesaa.net/category/864114.html


<追記>

奈良市でも、署名が集まってしまいましたね・・・
1万4288人の署名簿提出-奈良市無防備都市条例へ市民の会
直接請求による平和・無防備都市条例の制定を目指す「同条例を実現する奈良市民の会」(辻本誠代表)は21日、1万4288人の署名簿を、同市の吉田勝二選管委員長に提出した。署名数は直接請求に必要な法定数(市有権者の50分の1)の約2.4倍に達しており、審査と縦覧を経て本請求され、来年1月にも臨時議会が招集される見通し。

(2005.11.22 奈良新聞)


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posted by 北岡隆浩 at 18:17| 大阪 ☀| Comment(5) | TrackBack(24) | 無防備・平和都市条例 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月14日

「無防備・平和都市条例」に、無防備ではいられない。〜その5〜

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昨日「高槻市を無防備にしない有志の会」(会長:CHANKEIさん)として某所で会合を開き、高槻市議会議員へのアンケート(CHANKEIさん作成。回答締め切りは11月20日。CHANKEIさんのブログで集計結果を公表されると思います)の封書詰め作業を行いました。で、本日朝9時ごろ、その封書を郵便局にて発送しました。(アンケートの内容に関してはCHANKEIさんのサイトをご覧ください。なお、「高槻市を無防備にしない有志の会」では、一応、会員を募集しております。)

CHANKEIさんは先日、高槻市議のF木さん(伏字にしてもあまり意味ないですが(笑))の事務所に出向かれ、無防備・平和都市条例案への疑問と慎重な審議を要請されました。F木さんが反対に回り、条例案に否決されれば、これはもうCHANKEIさんのお陰だと私は思います。

このような志ある方が高槻市におられて、本当に心強い限りです。

CHANKEIさんといろいろとお話をさせていただきましたが、特にどの党のシンパでもない、ごく普通の一市民の方でした。そんな方が「関西DEEP探訪」というタイトルのブログを書かれていることをきっかけに、無防備・平和都市条例案に興味を持ち、「高槻市を無防備にしない有志の会」の会長を引き受けられ、いろいろと熱心に調べられ、市議の事務所まで出向かれた。そこまでさせるほどに、考えれば考えるほどおかしな条例案なのだと思います。私も他の高槻市在住の方にこの条例案について話しましたが、例外なく全員の方が憤りを感じておられました。


「こんな条例が制定されても、戦争にでもならない限り実害はない。戦争も起こりはしないだろうし」と思われているかもしれませんが、私は戦争が起きなくても、次のような弊害があると考えています。

1.災害時に自衛隊が高槻市に入れない

条例が制定されれば平時から「すべての戦闘員ならびに移動兵器及び移動軍用施設が撤去され」ていなければなりません。ということは、阪神大震災のような災害が起きても、自衛隊を高槻市に入れることができなくなります。現在の日本においては、災害時における危険な地域での救助活動や救援物資の輸送などは、自衛隊に頼らざるを得ません。人命を尊重するならば、このような条例は制定できないはずです。

2.アルカイダ・過激派・オウムなどのテロに「無防備都市宣言」は通用しない

世界各地でテロが起き、日本でもオウム真理教団による「地下鉄サリン事件」が起きました。潜伏していた日本赤軍の指導者・重信房子が高槻市で逮捕されたのも記憶に新しいところです。しかし、ジュネーブ条約に基づく「無防備都市宣言」は国の軍隊に適用されるものであり、こうしたテロ組織に対しては何の効果もありません。化学兵器や重火器などによるテロが起きた際、条例に基づき自衛隊が高槻に入れないとしたら、市民の安全は有効に守られるのでしょうか。

3.「平和事業」なるものに高槻市の予算が使われる

以前も書きましたが、条例案には無防備宣言に関するもののほか、「平和事業」などについて、いわば「抱き合わせ販売」のような形で条項が盛り込まれています。「平和、歴史教育」「平和祈念事業の推進や平和記念物の保存、展示及び建造」「平和のための国際交流事業」などの得体の知れない「平和事業」に、血税を使われていいのでしょうか。

4.「無防備」という言葉が市民の意識に悪影響を及ぼす

標語やキャッチコピーというのは多かれ少なかれ市民の意識に影響を及ぼします。「無防備」という言葉が条例制定によって全市民に広められれば、すべてのテロ・犯罪に対して無防備・無抵抗でなければならないと誤解する子ども達も出てくるのではないでしょうか。


12月にはこの条例案が審議されることになります。市議会に興味をもっている高槻市民の方はそれほど多くはおられないと思いますが、ぜひ今回は注目をしていただきたいと思います。

以上のことは、昨日の午後、吉田康人さんの「街頭演説キャラバン隊」に混ぜていただき、演説をさせていただきました。(「街頭演説キャラバン隊」では、吉田康人さんだけではなく、市民ボランティアの方も順番に演説をされています)

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吉田康人さんは、17ヵ月後の高槻市長選挙に向けて「本格始動」されています)

万が一、12月の高槻市議会でこの条例案が通るようなことがあれば、このような演説などの活動を活発に行っていき、条例の撤廃を求めていきたいと考えています。高槻市議会議員の皆さんの良識に期待しております。

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posted by 北岡隆浩 at 23:55| 大阪 ☁| Comment(1) | TrackBack(3) | 無防備・平和都市条例 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月28日

「無防備・平和都市条例」に、無防備ではいられない。〜その4〜

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昨日、仕事が休みだったので、高槻市役所の選挙管理委員会に行き、無防備条例案がいつ頃議会で審議されるかを伺って来ました。

結論から言うと、今年の12月の中旬か下旬に議会が召集され審議されるようです(直接請求の流れについては次のサイトをご参考ください)。それまでに市議に働きかけていかなければなりません。

直接請求、住民投票について
http://www.city.tokushima.tokushima.jp/senkyo_kanri_iinkai/gaiyo11.html


ちなみに、直接請求がされるのは、高槻市では約20年ぶりとのこと。

「高槻市無防備地域宣言を実現する会」のブログを見ると、10月16日に「有権者の50分の1の法定数を突破しました。やったね!」と・・・「議会で無視できない数まで、署名数を伸ばしましょう」と意気込んでいます。

CHANKEIさんのブログ「関西DEEP探訪」の「署名活動中の人と話した」によると、「末端の運動員はジュネーブ条約第一追加議定書59条を読んでいません!(少なくとも私が話した一人は)」とのこと(会話の内容が大変面白いので是非お読みください)。署名をされた人は、ジュネーブ条約や条例案の中身も知らされずに、「平和を守ろうという運動」「戦争に巻き込まれなくなる」という耳障りの良い言葉だけを聞かされて、氏名と住所を署名簿に記入された方が大多数ではないでしょうか。

そもそもこの「無防備地域宣言」は、戦時に宣言されるもの。つまり戦争が起こることが前提。そして敵軍の攻撃がその地域に対して禁止される(が、空爆や弾道ミサイルによる攻撃は禁止されない!)代わりに、「占領に対して解放」される。つまり、無条件に敵軍の占領を許さなければならないわけです。「平和を守ろうという運動」「戦争に巻き込まれなくなる」・・・まるっきりデタラメです。

それに、日本に戦争を仕掛けるような国が国際法等を守るとは思えません。治安維持は当然敵軍が行うでしょうから、敵軍兵士の暴虐な振る舞いも大目に見られるでしょうし、抵抗しそうな人間を片っ端から強制収容所送りにするでしょう。特に反日感情を抱いている国は。

このように平和とは矛盾する条例案ですが、その条項を読むと、「平和」という名の下に、訳の分からない無用な責務をも高槻市に負わせようとしているように見えます。
高槻市無防備平和都市条例(案)
http://takatsuki.muboubi-net.com/jourei.html

第4条 (市の責務)
3.高槻市は、ジュネーブ条約第1追加議定書の普及に努める。

第5条 (平和事業の推進)
高槻市は平和を推進するために次の事業を行う。
1.平和、歴史教育の推進
2.平和祈念事業の推進や平和記念物の保存、展示及び建造
3.平和のための他の地方公共団体との協力
4.平和のための国際交流事業
5.市民が自ら行う平和のための事業に対する必要な援助及び助成
6.その他条例の趣旨に沿う平和のための事業

第6条 (平和予算の計上)
高槻市は、平和事業に必要な予算を毎年計上するものとする。
直接請求に必要な署名数が集まった以上、議会で否決してもらうしかありません。昨日、須磨章市議にお会いしたのですが、明確に反対すると言っておられました。他の市議にも機会があれば話をしたいと思います。

高槻市議会議員全員の連絡先も手に入れました。しかし、市議は公人ではありますが、迷惑電話などがあっても申し訳ないですし、ブログに出していいものかどうか迷っています。けれども有志の方に条例案に反対していただくように手紙を書く等していただく必要があると思いますので、メールでご連絡くださされば返信にてリストをお教えします。
info@kaikakuha.com
〜その1〜はここをクリックしてください。
〜その2〜はここをクリックしてください。
〜その3〜はここをクリックしてください。

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<追記>

一応、条例案の上記の条項についてツッコミを入れると・・・

>第4条 (市の責務)
>3.高槻市は、ジュネーブ条約第1追加議定書の普及に努める。

すでに日本は国として条約に批准しているのですが。どこに普及せよと?
それに、運動員にしっかり理解もさせず、市に普及に努めさせるというのはおかしいやろ。

>第5条 (平和事業の推進)
>高槻市は平和を推進するために次の事業を行う。
>1.平和、歴史教育の推進

一番日本に戦争を仕掛ける可能性がある中国・北朝鮮の軍備・軍拡・核開発・弾道ミサイルの実態と、それを握る独裁政権が行っている国際法違反・言論弾圧・人権蹂躙・侵略・民族浄化・外国人拉致などをつまびらかにして子ども達に見せたうえで、「どうしたら日本の平和は守れるか?」と訊いてみるのが一番効果のある平和教育では?そうすれば、条例案の主旨の「無防備」を推進しようと考える子どもはほとんどいないはず。

そういう中国・北朝鮮と比べれば、なんと日本は平和なことか。平和教育を推進するなら、これらの国の実態を反面教師にして平和の大切さを教えてもいいかも(笑)。

歴史教育については、組合教師には妙なイデオロギーに染まった教育をさせないようにして、南京大虐殺や従軍慰安婦、百人斬りなどの嘘を教えず、真実の歴史を教えるというなら賛成です。

>2.平和祈念事業の推進や平和記念物の保存、展示及び建造

不必要。戦後特にモニュメントや記念館をつくるほどのきっかけとなるような事件もなかったし、無駄な箱物などをこれ以上増やさないでほしい。
強いて市民を震撼させた事件を挙げるなら、高槻市に潜伏していた過激派の女ボス・重信房子が高槻の某ホテルで逮捕されたくらいか。
過激派撲滅を祈念するものなら、高槻市民の感情に適っているかもしれませんね(笑)。

>3.平和のための他の地方公共団体との協力

戦争や過激派によるテロなどが起きた際、市民の安全と平和を守るために、国・自衛隊・警察・消防や他の地方公共団体と防備や避難について協力する必要があることは確か。やっぱり無防備ではいられないので、この条例とは相反しますね(笑)。

>4.平和のための国際交流事業

まさか辻元清美が代表をしていたピースボートに協力しろとか、ってことじゃないですよね(笑)。
辻元清美はピースボートで何度か北朝鮮に行ったそうですが、そんなに北朝鮮と親しいなら、ついでに拉致された日本人を連れ戻してくる努力をしろよ、と。それが「平和のため」やろ。でも「北朝鮮に戦後保障もせず、9人、10人ばかり返せといってもフェアじゃない」と言っている辻元が、そんなことをやってくれるわけないか。「平和」なんて口だけ。実際にやってることは利敵行為。そんな国際交流なら無駄。

中国や北朝鮮の核施設や弾道ミサイルに群がって、「人間の盾」とか「人間の鎖」とか、やってくれるなら賛成です(笑)。

>5.市民が自ら行う平和のための事業に対する必要な援助及び助成

市が金を出すなら、そもそも「平和」とは何かという定義と基準作りから始める必要があります。
無防備・非武装や反日活動、海外でがんばっている自衛隊を馬鹿にしてくるような国際交流では、当然平和にはならないでしょう。
真の平和のためには、やはり憲法9条を改正して、国防のための軍を明記し、日本の防衛力を高めることでは。

>6.その他条例の趣旨に沿う平和のための事業

「条例の趣旨に沿う平和」というのはつまり「無防備」「現在の憲法9条の理念」に沿った「平和」ということですよね。しかしそんな「平和」は国際情勢からして現実にはありえないので、まじめでまともな条例案にするには「無防備」か「平和」かどちらかの文言を条例案から削除すべきでしょう。
そうして「無防備・敵国占領条例」に変えるか、「防備・平和条例」に変えるか、どちらかにして出直すべきですね(笑)。

>第6条 (平和予算の計上)
>高槻市は、平和事業に必要な予算を毎年計上するものとする。

上記のような訳の分からない「平和」事業に、血税を使われたくはないですね。

私が新しい条例案を作りましょうか。「真の平和のために憲法改正を求め、高槻の防備を固める条例」とか(笑)。
posted by 北岡隆浩 at 23:38| 大阪 ☁| Comment(1) | TrackBack(5) | 無防備・平和都市条例 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月14日

「無防備・平和都市条例」に、無防備ではいられない。〜その3〜

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〜その1〜はここをクリックしてください。
〜その2〜はここをクリックしてください。
〜その3〜はここをクリックしてください。

高槻市議会議員の連絡先を、ネットで分かる範囲でまとめてみました。

「高槻市無防備地域宣言を実現する会」のHPによれば、10月13日現在、署名数は4808筆。前回書いたとおり、高槻市議会に直接請求されることは間違いなく、民主党系会派「市民連合議員団」の態度によって、条例案の採否が決まりそうです。

この条例案に反対の高槻市民は、市議や党本部・府連にメールや電話・FAXなどで働きかけていくしかありません。賛成に回りそうな議員の中にも、この条例案についてよく知らない人もいるかもしれないので、全議員に働きかけるのが望ましいと思います。私もいろいろとやってみたいと思います。(CHANKEIさんはすでにある市議にメールを送ったそうです。素晴らしい!)

市議の情報を「分裂選挙へ、行こう!〜造反議員vs公認候補〜」のように一覧表にまとめようと思いましたが、ホームページを持っている市議が予想以上に少数でした。民主党の橋本紀子議員の場合、せっかくホームページは開設されてはいるものの、「メール」のボタンを押してもメールアドレスが出てこないし、連絡先も分かりませんでした。民主党府連のサイトに掲載されていた情報をここには載せましたが、HPを見た市民はどう連絡をとればいいのでしょう。ぜひ改善をお願いしたいです。

他に情報が分かり次第、このページに追加していきたいと思います。

条例案の採否の鍵を握るとみられる民主党系会派「市民連合議員団」(9人)
岡田 みどり
副議長岡本 茂(民主党)okamoto-shigeru@sam.hi-ho.ne.jp
議 長久保 隆夫電話072-661-6300高槻市下田部町2-55-1関西不二サッシ労働組合
久保 隆電機連合
杉本 久
段野 啓三
中浜 実(民主党)電話0726-73-1221FAX0726-74−1117
橋本 紀子(民主党)akan426@tcn.zaq.ne.jp
山口 重雄
条例案に反対しそうな「公明党議員団」(8人)
稲垣 芳広
奥田 美智子
川口 雅夫
源久 忠仁
新家 末吉
灰垣 和美
林 啓二hayashi-k@gikai.city.takatsuki.osaka.jp
藤田 頼夫
条例案に反対しそうな「自由民主党議員団」(5人)
岩 為俊
小野 貞雄
角 芳春
三本 登
吉田 稔弘
条例案に反対しそうな保守系の「真政会」(4人)
池下 節夫
須磨 章
根来 勝利イラクへの自衛隊派兵についての意見書」の採択に賛成した。
福井 浩二
条例案に賛成しそうな「日本共産党高槻市会議員団」(4人)
大川 肇
勝原 和久
中村 玲子
橋本 恵美子
条例案に賛成するであろう「高槻市政を革新する会」(2人)
小西 弘泰CHANKEIさんのブログをご覧ください。
森田 充二CHANKEIさんのブログをご覧ください。
条例推進派の社民系「元気市民」(2人)
野々上 愛socius@earth.livedoor.com市議会で「無防備地域宣言について」質問
松川 泰樹4月の統一地方選で社民党の推薦を受けた。
無所属
岡本 嗣郎TEL072-695-9778先の参院選に出馬した辻元清美を支援
二木 洋子wasabi@osk3.3web.ne.jp公約によれば、「有事法制反対」「憲法9条尊重」「平和をめざす」とのこと。無防備条例に賛成かどうかは不明。


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2005年10月10日

「無防備・平和都市条例」に、無防備ではいられない。〜その2〜

image/kitaoka-2005-10-10T14:38:59-1.gif

先週発売の週刊新潮によると、いかがわしい店で、いかがわしい物にサインをした辻元清美は、こう語ったそうだ。

「国会議員っていうのは、国民の生命と財産を守ると言われてるけど、私はそんなつもりでなってへん。私は国家の枠をいかに崩壊させるかっていう役割の国会議員や」

無防備平和都市条例というのは、まさに、外国の軍隊やテロ組織にとっては日本という国家の枠を崩壊させるのに好都合な条例であり、辻元清美の思想信条に適ったものなのだろう。

「正論」(平成16年10月号)でジャーナリストの時沢和男氏は「『無防備都市』を喧伝する 朝日・毎日と国立市長の愚」で、

「要するに、『無防備地域宣言』とは『祖国を敗北させる』ための運動に他ならない。国の一部に防衛力を置くことができないとなれば、国全体の防衛計画は頓挫する。攻撃する敵国にのみ有利な『運動』なのである。

と指摘している。

また、この条例案が否決された大阪市議会では以下のやりとりがあったそうだ。

-------------------------------------------
【正論 平成16年10月号】「無防備都市」を喧伝する 朝日・毎日と国立市長の愚(2)
http://www.sankei.co.jp/pr/seiron/koukoku/2004/0410/ronbun2-2.html


 冒頭の各新聞が報じた大阪市の直接請求を審査した大阪市会平成十六年第一回臨時会では、次のような議論があったという。質問者は自民党市議、答弁者は市の総務課長である。

 Q「無防備地域とはどういう地域か」

 A「占領のために開放された地域です」

 Q「それはどういう地域か」

 A「いわば無血開城、無抵抗の地域」

 Q「占領軍が来たときに白旗を掲げて、どうぞ占領してください、ということですね」

 A「おっしゃるとおりです」

 ここで議場には失笑が漏れた。質疑は続く。

 Q「宣言主体はどこか」

 A「外務省の見解では国。防衛に権限を持つものしかできない」

 Q「平時に宣言をあげて、誰に通告するのか」

 A「わかりません」(再び失笑)
-------------------------------------------

この条例案がいかに愚なるものか、上記の答弁を見れば明らかだ。

「高槻市無防備地域宣言を実現する会」のブログを見ると、10月9日まで署名数3411筆。直接請求に必要な数約6000の半分を超えた。もうこの条例案が高槻市議会に上がるのは間違いない。

前回も書いたとおり、高槻市議会の議員の構成を見ると、この条例案が通る可能性が高い。通れば北朝鮮の将軍様は、さぞかしお喜びになるだろう(笑)。

この条例が制定されると、おそらく「高槻市の条例だから、高槻市民はすべて無防備・無抵抗でなければいけない」と喧伝されるだろう。すると、「無防備地域宣言」の主旨を理解していない市民の中には、すべてのテロ行為や暴力などの犯罪的な行為に対して無防備・無抵抗でなければならないと誤解する人も出てくるのではないか。そうなれば、高槻市での犯罪発生率も高くなるだろう。

イデオロギーを原動力とした署名運動は、並大抵の説得では止められない。この条例案に反対の市民は、市議会議員に対して採決で反対するよう今から求めていくしかない。それが現在のところ唯一の抵抗手段だ。


前出の「『無防備都市』を喧伝する 朝日・毎日と国立市長の愚」には、この無防備詐欺をどのような人達が行っているのかが書かれている。「MDS(民主主義的社会主義運動)」という新左翼セクト、民学同、北朝鮮との密接な関係をもつ大学教授、民主党の国会議員、共産主義労働者党という極左暴力集団・・・それを朝日新聞・毎日新聞・神戸新聞が紙面で応援する構図らしい。

辻元清美をはじめとするこういう人達に、高槻から国家の枠を崩壊させられないようにしなければならない。

【正論 平成16年10月号】「無防備都市」を喧伝する 朝日・毎日と国立市長の愚(3)
http://www.sankei.co.jp/pr/seiron/koukoku/2004/0410/ronbun2-3.html


【正論 平成16年10月号】「無防備都市」を喧伝する 朝日・毎日と国立市長の愚(4)
http://www.sankei.co.jp/pr/seiron/koukoku/2004/0410/ronbun2-4.html



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2005年10月05日

「無防備・平和都市条例」に、無防備ではいられない。〜その1〜

image/kitaoka-2005-10-05T21:41:53-1.jpg


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先日知人から「こんなチラシがあるが・・・」と見せてもらったのが、写真の「高槻市に無防備・平和都市条例を!」のチラシ。チラシの裏面に名を連ねるのは共産・社民に親しい方々。記されたURLを入れサイトを見ると辻元清美もこの運動に協力している、と。チラシには「この運動は、憲法9条を地域から実現していく運動です」ともあり、共産・社民系の人々が憲法9条を合言葉に党派を超えて協力し合っているよう。

チラシの主催団体「高槻市無防備地域宣言を実現する会」は具体的には何をしようとしているのか。有権者の50分の1(高槻市では約6000人)以上の署名を1ヶ月以内に集めれば、直接請求制度により地方公共団体の議会(高槻なら市議会)に条例案の審議をさせることができる。そうやって高槻市に「高槻市無防備平和都市条例」なる条例の制定をさせようというのだ。

どんな条例か。条例案の第1条(目的)には「(前略)戦争の危機が迫った時には、国内外にむけて『無防備地域宣言』を行う旨を明らかにし、もって自治体の責務である、市民の平和と安全を保障することを目的とする」とある。文中の「無防備地域宣言」とは、日本をはじめ先進国のほとんどが締約している「ジュネーブ条約追加第一議定書」に定められたもので、戦争状態になった場合、「当局」が、管轄地域を無防備にして「無防備地域宣言」をし、それを相手国に通告すれば、その地域への攻撃が禁止されるというもの。

だが、この条例、西宮市議の今村岳司氏の「無防備地域宣言運動への反論」には、

●条約中の防衛に責任を有する「当局」とは、日本においては国であり、地方自治体は条約に基づいて「無防備地域宣言」を行う権限を有しない。
●ジュネーブ条約は過去に何度も破られている。
●テロ・反政府武装組織・カルト組織に対しては無効である。
●「無防備地域宣言」は、「当局又は住民により敵対行為が行われていないこと」が要件。しかし日本が侵略を受けた場合、パレスチナのインティファーダのような住民による自発的なレジスタンスが起きる可能性があり、これを条例で防ぐことは非現実的。
●地方自治法(第1条の2、第14条)、国民保護法 (正式名称: 武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律)(第3条)、自衛隊法、武力事態対処法に抵触する可能性がある。

と、この条例が仮に制定されても無意味であることの理由等が示されている。チラシに書かれている「『無防備地域宣言』を行った地域は、仮に戦争が起こってもその地域に対して攻撃が禁止され市民の生命・財産が守られる」というようなことは、この条例に基づいては起こりえない。

無防備地域宣言運動への反論
http://xdl.jp/hantaitouron/


ところで、すでに署名期間は10月1日からスタートしている。高槻市民の特性を考えると、こういった主旨のものに約6000人の署名などすぐに集まるだろう。現に「高槻市無防備地域宣言を実現する会」のブログを見ると、初日で署名421筆、2日目482筆、3日目543筆と、ぞくぞくと署名が集まり、3日間ですでに必要な署名数の約4分の1に達している。

高槻市以外の多くの地方自治体でも、この無意味な「無防備地域宣言運動」が広がっている。すでに大阪市、枚方市、西宮市では、有効署名数以上の署名が集められ条例制定の直接請求がされた。しかし、すべて議会で否決されている。

だが、高槻市議会の構成を見ると、36議員のうち反対しそうなのは公明8・自民5・新政会4の17人で半数以下。民主党系の会派「市民連合」も左派が多く、もしかすると、日本で初めてこの馬鹿で無意味な条例が制定されるかもしれないのだ。そうなれば、「アホでマヌケな高槻市」と日本中から笑われるだろう。

インチキモンチキな『平和』は、勘弁カツオ〜!」に書いたが、私は、中国・北朝鮮という危険な社会主義国家を隣国にもつ状況では、「無防備」イコール「平和」ではなく、むしろ「無防備」イコール「大虐殺」の可能性が高いと考えている。もし高槻でこの条約が制定され、「無防備地域宣言都市・高槻」などと世界に情報発信されれば、有事の際には敵国から「防御が弱そうだ」と、逆に高槻市は恰好の攻撃対象にされるのではないか。

しかし、この条例が無意味であることは、「無防備地域宣言運動」の主催団体も、議会で否決されるに至る議論等を通じてよく知っているはずである。無意味を承知で何故この署名運動を行うのか。もしかすると最近流行りの「国勢調査詐欺」のように、個人情報を得るためなのかも・・・主催団体の動機がよく分からない。

条例案は現行法に抵触し、仮に制定されても高槻市には「無防備地域宣言」を行う権限がなく、むしろ条例があることによって攻撃をうけやすくなるのであれば、これは詐欺である。名付けるなら「無防備詐欺」か。

募金詐欺」「ホワイトバンド詐欺」なんていうのもあるが、「平和」や「貧困の救済」などという甘い言葉には、無防備ではいられないご時世のようだ。

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<追記>

トラックバックをいただいたCHANKEIさんのブログ「関西DEEP探訪」の「無防備条例可決の可能性」に高槻市議会の構成が詳しいが、それによると、

>二年前のイラク自衛隊派兵反対意見書の賛否などを元に予想してみると・・・。

>(賛成)・・・19名
>民主党9名 (←北岡注:正確には「市民連合」)
>共産党4名
>中核派2名(!)
>市民系4名 (←北岡注:明らかに社民系の議員が2名。残り二人も左派)

>(反対)・・・17名
>公明党8名
>自民党5名
>保守系4名

>なんと!可決されてしまう!?

やはり可決の可能性が高そうだ。

民主党系の会派「市民連合」の中で反対してくれる人がいないと、条例は可決されそうです。

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posted by 北岡隆浩 at 21:41| 大阪 ☔| Comment(8) | TrackBack(11) | 無防備・平和都市条例 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする