今日は9月議会の2日目。令和4年度の決算や令和5年度の補正予算案、条例案等に対する質疑があり、私もいくつか質問しました。
令和4年度の決算の資料を見ると、高槻市立の小中学校のいじめの件数と不登校の人数が、令和3年度と比べて、それぞれ25%前後増加していました。そこで、過去の件数を、議会の図書室の決算の資料で調べてみると、平成23年度のものまであったので、それらを集計してみましたが、上の表のとおり、令和4年度が過去最悪の数字になっていました。非常に憂慮すべき事態です。
私は質問の最後に以下の意見を述べました。
小中学校のいじめと不登校の件数について、平成23年度から令和4年度のものを集計してみましたが、両方とも過去最高の件数でした。
令和3年度と4年度の件数・人数ですが、小学校でのいじめが394件から487件に、中学校のいじめが228件から288件に、小学校の不登校が241人から307人に、中学校の不登校が329人から407人に、それぞれ増えていて、率にすると、いずれも25%前後の増加となっています。
これについても、非常に憂慮すべき事態だと思います。いじめの理由等のパーセンテージについては、お答えがありませんでしたが、原因や傾向を分析して、対策を講じる必要があると思います。
ネットで調べた限りですが、いじめの防止には、傍観者がいじめを止めるのが有効だということでした。高槻市でもすでに取り組んでおられるかもしれませんが、東洋経済の記事によると、欧米で成功しているいじめ予防プログラムの8割は、こうした「傍観者教育」だということで、吹田市の小学校でも、これに基づいて、3年前から「トリプルチェンジ」という教材を使用して「いじめの予防授業」を行っているということです。
この東洋経済の記事によると「いじめの被害者の場合、自己肯定感の低下や、不登校になることで学力や社会的能力が下がるほか、不安や抑うつなどの身体症状や後にPTSDを発症するなど、長く影響があることがわかっています。一方、加害者は反社会的人格障害になるリスクがそうでない者の4倍という調査結果もあります。また、傍観者も被害者と同様に心理的苦痛を受けており、いじめの被害や目撃は災害よりも深刻で、いじめが起きているときだけでなくその後の人生にも影響を与える」とされています。
吹田市などの他市の事例も参考にして、早急に対策をとってください。「重大事態」になる前に、いじめの芽を摘み取ってください。
いじめの「重大事態」の報告書については、被害者やそのご家族のお許しがあればですが、原則、公開して、マスコミにも情報提供すべきだと思います。公開するのは、高槻市教育委員会の汚点になるとか、思われるかもしれませんが、報道されることで、いじめの加害者やその予備軍への抑止力になるのではないでしょうか。可能な限り、公開すべきだと思います。
不登校については、私も大学生の時に児童相談所で実習をした際に、いろいろな子と接しましたけれども、ケースバイケースですので、専門家と相談しながら、長い目で、粘り強く、見守っていくしかないと思います。不登校や引きこもりの専門家の方と、対策を講じて下さい。要望しておきます。
以下は今日の議会でのやり取りです。原稿とメモに基づいているので不正確な部分もあることをお許しください。
■認定第1号令和4年度高槻市一般会計歳入歳出決算認定について(歳出全般)
▲8.いじめと不登校について
<1回目>
主要事務執行報告書284ページには、いじめと不登校の状況も記載されていますが、小学校も中学校も、件数がかなり増えています。この理由は何なのでしょうか?何が増加の原因なのでしょうか?お答えください。
また、いじめや不登校については、どういった対応をしているのでしょうか?お答えください。
⇒いじめの認知件数が増加している要因については、いじめ防止対策推進法のいじめの定義を踏まえ、教職員がいじめの兆候を見逃さずに積極的に認知をした結果であると捉えております。
また、不登校が増加している要因については、社会環境や家庭環境の変化などが複雑に絡み合っており、特定することは困難ですが、コロナ禍による生活環境の変化などが考えられます。
いじめの対応についてですが、いじめに関係した児童生徒に対しては、全教職員が連携し速やかにその行為をやめさせるとともに、保護者と連携し継続して指導を行います。同時に、いじめを受けた児童生徒やその保護者に対する支援も継続して行います。また、不登校の児童生徒に対しては、不登校が継続している理由や、家庭での状況を把握し、校内の適応指導教室や家庭訪問等での支援を行っております。
<2回目>
(1)いじめの認知件数の増加の要因は、いじめ防止対策推進法のいじめの定義を踏まえ、教職員がいじめの兆候を見逃さずに積極的に認知をした結果だということです。
令和4年度から、法律における「いじめ」の定義は、どのように変わったのでしょうか?お答えください。
また、令和4年度から、教職員は、どのように、いじめを認知するように変わったのでしょうか?具体的にお答えください。
⇒令和4年度に、いじめの定義の変更はありません。
(2)いじめのやり方については、どういったものが多いのでしょうか?SNSでのいじめもあるのでしょうか?どういったいじめが、何%なのか、全体の構成をお答えください。
また、どういった理由でいじめをしたのでしょうか?どういった理由が何%なのか、お答えください。
⇒「冷やかしやからかい等」が最も多く、次いで「いやなことをされる・させられる」「軽微な暴力」と続きます。なお、「IT等を使った誹謗中傷」もございます。
(3)いじめの加害者側の児童・生徒には、どういったことを行っているのでしょうか?いじめを傍観していた児童・生徒には、どういった指導をしているのでしょうか?お答えください。
⇒加害児童生徒への対応については1問目にお答えした通りです。なお、周辺の児童生徒には、事案を共有するとともに、互いを尊重し合える人間関係を構築できるよう指導を行います。
(4)教職員がいじめに加担していたり、傍観や無視をしていたりしたケースは、どれだけあったのでしょうか?お答えください。
⇒そういった報告はございません。
(5)不登校の原因は、どういったものが多いのでしょうか?どういった理由が何%なのか、お答えください。
また、高槻市の女子中学生が、いじめが原因で不登校になった問題が、報道されましたが、いじめが原因の不登校はどれだけだったのでしょうか?
⇒「無気力・不安等」が最も多く、次いで「友人関係」「親子の関わり方」と続きます。また、いじめを理由とした不登校は1件ございました。
(6)「重大事態」にあたると認定したいじめは、どれだけあったのでしょうか?
また、そのうち、報告書を作成したものは、どれだけだったのでしょうか?お答えください。
⇒1件あり、報告書を作成しています。
(7)その報告書については、公表されたものと、されていないものがあるようですが、それぞれ何件なのでしょうか?
また、報告書の公表は、何を基準にして、判断しているのでしょうか?お答えください。
⇒1件ございます。なお、公表につきましては、様々な状況を総合的に勘案し、判断しております。
(8)「はにたんの子どもいじめ110番」など、いじめを受けている子供のための相談窓口がありますが、令和4年度は、どれだけ利用されたのでしょうか?お答えください。
また、こうした窓口へ相談があった場合には、どういった対応をされてきたのでしょうか?どれだけ効果があったのでしょうか?お答えください。
⇒13件の相談がありました。それぞれの事案については学校と適切に連携し、早期解決を図っております。
(9)平成26年頃や平成30年頃は、不登校の生徒数が減少しているのですが、これは、どういったことが原因だったのでしょうか?お答えください。
⇒年度ごとの増減はあるものの、全体としては増加傾向にあります。
(10)不登校から、「ひきこもり」の状態になってしまっている児童・生徒は、それぞれ何人だったのでしょうか?お答えください。
また、「ひきこもり」の状態にならないように、高槻市教育委員会としては、どういった対応をしているのでしょうか?お答えください。
⇒調査対象としておりません。
<3回目>
あとは意見を述べます。
小中学校のいじめと不登校の件数について、平成23年度から令和4年度のものを集計してみましたが、両方とも過去最高の件数でした。
令和3年度と4年度の件数・人数ですが、小学校でのいじめが394件から487件に、中学校のいじめが228件から288件に、小学校の不登校が241人から307人に、中学校の不登校が329人から407人に、それぞれ増えていて、率にすると、いずれも25%前後の増加となっています。
これについても、非常に憂慮すべき事態だと思います。いじめの理由等のパーセンテージについては、お答えがありませんでしたが、原因や傾向を分析して、対策を講じる必要があると思います。
ネットで調べた限りですが、いじめの防止には、傍観者がいじめを止めるのが有効だということでした。高槻市でもすでに取り組んでおられるかもしれませんが、東洋経済の記事によると、欧米で成功しているいじめ予防プログラムの8割は、こうした「傍観者教育」だということで、吹田市の小学校でも、これに基づいて、3年前から「トリプルチェンジ」という教材を使用して「いじめの予防授業」を行っているということです。
この東洋経済の記事によると「いじめの被害者の場合、自己肯定感の低下や、不登校になることで学力や社会的能力が下がるほか、不安や抑うつなどの身体症状や後にPTSDを発症するなど、長く影響があることがわかっています。一方、加害者は反社会的人格障害になるリスクがそうでない者の4倍という調査結果もあります。また、傍観者も被害者と同様に心理的苦痛を受けており、いじめの被害や目撃は災害よりも深刻で、いじめが起きているときだけでなくその後の人生にも影響を与える」とされています。
吹田市などの他市の事例も参考にして、早急に対策をとってください。「重大事態」になる前に、いじめの芽を摘み取ってください。
いじめの「重大事態」の報告書については、被害者やそのご家族のお許しがあればですが、原則、公開して、マスコミにも情報提供すべきだと思います。公開するのは、高槻市教育委員会の汚点になるとか、思われるかもしれませんが、報道されることで、いじめの加害者やその予備軍への抑止力になるのではないでしょうか。可能な限り、公開すべきだと思います。
不登校については、私も大学生の時に児童相談所で実習をした際に、いろいろな子と接しましたけれども、ケースバイケースですので、専門家と相談しながら、長い目で、粘り強く、見守っていくしかないと思います。不登校や引きこもりの専門家の方と、対策を講じて下さい。要望しておきます。
以上です。
↓人気ブログランキングに参加中!
クリックに感謝!
-
高槻ご意見番 代表 北岡隆浩(高槻市議会議員)